コロナ以降の不景気がどのくらいの長さになるのか、正確なことはまだ誰にもわかりません。ただ、歴史に学ぶならば、少なくとも今後3年間の経済停滞を覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。(7)


________________________________________
■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■


・人類の歴史も「コロナ以前」と「コロナ以後」に分けられるのかもしれません。経済のV字回復は無理のようです。東京オリンピック・パラリンピックが懸念されています。
欧米でも新型コロナウイルスは収束するどころか、再び大きく拡大してきています。
インターネット革命の時代には「ウィンドウズ以前、ウィンドウズ以後」とか、「インターネット以前、インターネット以後」とか言われました。大きく社会が変わったことを指していました。当時は「ネット革命でセールスマンがいらなくなる」とまで言われたそうです。
 「コロナ以降の不景気がどのくらいの長さになるのか、正確なことはまだ誰にもわかりません。ただ、歴史に学ぶならば、少なくとも今後3年間の経済停滞を覚悟しておいたほうがいいのかもしれません」と著者は見ています。大きく世界や社会が変わっていくようです。
 『強い者』が生き残るのではなく『適応性のある者』が生き残ると指摘されています。
「エコノミストたちは、声を揃えて「1929年以来の世界恐慌がやってくる」と警鐘を鳴らし続けます。事実、2020年4月のアメリカの失業率は、世界恐慌以来最悪の14.7%という結果になりました」といわれます。
中国では「上に政策あれば、下に対策あり」と言われていましたが、日本でも「政府の対策があれば、自助で対応する」といわれます。「コロナ禍以前」の経済書が古く見えてきます。「人生2.0」への変換がすすむのでしょうか。またアフターコロナの「経営書」も出ています。

・「熊が街中に出没してる。人間を襲っている」というニュースが、とても増えてきています。熊が人里に降りてくるのは、ドングリなどの熊のエサが不作が原因だからのようです。また、「コロナ禍で、人々が行楽に山に行かなくなった」からだともいわれます。

朝日新聞デジタル(2020/10/27)によりますと
「クマ出没、5年で最多 4~9月 なお警戒続く」
「環境省は26日、今年4~9月のクマの出没情報が1万3670件となり、比較できる2016年度以降、同期間で最多となったと発表した。特に、減るはずの8、9月の件数が例年と比べて多く、同省は引き続き警戒を呼びかけている」と記載されています。
 関係者は、熊対策を検討しているといわれますが、「猟銃の規制」も「規制緩和」を検討すべきといわれます。熊の事件といえば、「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」(1970年7月)がありますが、山登りやハイキングにも銃を携行する「銃社会」の広大な土地のアメリカとはカルチャーが違っているといわれます。
「猟友会ばかりでなく警察官や地方自治体の職員、農民も猟銃を持つべきだ」と指摘されています。「熊鈴」もあまり効果がなくなりつつあるといわれます。毎年、山菜採りの際に熊の被害者が出ているそうです。猟銃を携行して山菜採りや山登りに行くのは近未来のいつの頃になるのでしょうか。

・2050年にはどのような世界になっているのでしょうか? 2019年の年末にはコロナウイルスによる肺炎の蔓延も予測できませんでした。誰も2050年の世界の実相は予測できないでしょう。ただ、ITテクノロジーの進歩の速度は等比級数的に非常に速くなっていると指摘されています。5Gについてもコストパフォーマンスが問題になっているといわれます。シンギュラリティ(技術的特異点)もどうなるのか、私たち一般人は、分かりません。AI(人工知能)が想像を絶するインパクトを社会に与えそうです。AI(人工知能)の時代では、人手不足の問題がなくなるといわれます。

・Weblio辞書によると
「シンギュラリティ」(Singularity)とは、アメリカの発明家で人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイルらが示した未来予測の概念で、一つの仮説として想定され得る、“人工知能(AI)が人間の能力を超える時点”を意味する言葉です。日本語では「技術的特異点」と訳されます。「シンギュラリティ」の仮説によると、テクノロジーの加速度的な進化の帰結として、コンピュータは人間の知能を超える“超知能”を獲得するようになります。人間には“超知能”がどのように振る舞うか予測も制御もできず、その甚大な影響によって社会や人々の生活に決定的な変化が起こると考えられているのです。その変化のポイントをカーツワイルは「シンギュラリティ」と名づけ、2045年頃に到来すると予測しました。以降は、AIがあらゆる生産活動を支配し、人間から仕事を奪うのではないかとも言われています」と記載されています。

・2050年、つまり30年後の科学技術の進歩も想像を絶する程度に社会にインパクトを与えていることでしょう。『日経サイエンス』(2019/12/28)によりますと「グーグル量子コンピューターの本当のすごみ」
「去る10月、グーグルを中心とする研究グループが、世界最速のスパコンで1万年かかる計算を量子コンピューターで200秒で実行したと発表した。このニュースは量子コンピューターがスパコンを超えたとして大きく報じられたが、最も重要なポイントがしばしば見すごされている。それは量子コンピューターが「たった53個の素子で」スパコンをしのぐ計算を実行したことだ」と記載されています。量子コンピュータも人間の頭脳から生まれたのか、エイリアン・エンジニアリングなのかわかりませんが、「革命的」という言葉では表現できないもののようです。3メートルくらいの巨人タイプの異星人のコンピュータが一番速いそうですが、アバブ・トップシークレットですから私たち一般人は、分かりません。日本でもエイリアン・エンジニアリングを導入すれば、衰退化の歯止めになるといわれます。

・「いま語学にコンプレックスを感じている人であっても、日常生活では間違いなく、ビジネスの世界でもそれなりのレベルで劣等感を感じる必要なくコミュニケーションがとれるレベルの技術になるはずです」と指摘されています。近未来は「自動翻訳技術」「自動通訳技術」が進歩して、小型のマシンで世界中の人びとと対話ができるようになるようです。このブログもGoogleのブロガーにも載せていますが、世界中の100以上の言語に、ほぼ瞬時に翻訳されるので便利です。そうすると第2外国語に費やす労力と時間が大幅に減らせるようです。現代でも米国の大学教授になっている日本人でも「自分の英語力はうまくない」と語っている人が少なくないようです。「スパイ教育を受けたネィティブ・スピーカー・コンプリート・バイリンガルでないと使いものにならない」という過酷な諜報機関の話もあるそうですが、子供をインターナショナル・スクールに行かせる親も増えているようです。異星人も、コンタクトが進み小型のマシン等で言語の問題は解決しているようです。またプレアデス人によりますと、例えば日本語のプログラミングを頭脳に流し込めるようなのだそうです。日本語で対応されたので驚いたという話もあるようです。高等知性体ですから異常な記憶力とか、人間と比較してどの程度進化しているのか分かりません。日本に来ていた白人種の異星人は、英語で会話していたといわれます。
宇宙人の話については、「言語」の話が大変重要です。「テレパシーで話す」「小型の高性能翻訳機がある」「天使語がある」「太古は太陽語という唯一の言語があったが、その後想像を絶する具合に言葉が多様化した」「宇宙人の文字も非常に多くの種類がある」「宇宙人の種類の数だけ、地球には言語がある」・・・・・とか、言語学者にも理解できないことが多いようです。
「ヴリル・ソサイエティーのチャネラーたちによると、シュメール語はアルデバラン星人の言語であり、その音は、「不可解なドイツ語」のようであるという。そして、ドイツ語とシュメールーアルデバラン語は波長が同じであるとも彼らは、信じていた」といわれます。アルデバラン星人は、ゲルマンの諸民族とスカンジナビア人、特にバイキングの創作と管理を担当したそうです。また超太古には「共通語は太陽系共通の太陽語使用」という話もあったようです。それが後にバラバラに分かれたと指摘されています。現代では日本語を喋る異星人も多くいるので嬉しいものです。

・『宇宙語・宇宙人』 (ジョージ・ハント・ウィリアムスン) (宇宙友好協会)によりますと、
<放浪者・ワンダラー>
・「“思念の子”が世に教化するため初めて地球に来たさい、同道したのが、この特別の集団だった。長老である、“思念の子”と共に地球を訪れた小アバタル、つまり霊魂は、14万4000人にのぼるという。

・ 宇宙機の乗員も、放浪者も共に“太陽十字の騎士団”という集団に所属している。太陽十字の本来の意味は、光が強いため、太陽を中心として光波が十字状に放射しているように見える光学現象のことである。月でも同じような現象が起こるが、これは月十字という。

・ 中世の武者修行者のように、冒険を求めて諸国を遍歴する騎士のように、放浪者は、太陽系の色々な惑星を遍歴する太陽十字の騎士の武者修行者なのだ」と記載されています。
14万4000人と云う数字は、聖書などにも出てきますが、一説では“古代リラ星人”の数字でもあるといわれているようです。シリウス人などは、宇宙を観光旅行しているといわれます。

・人口752万人の香港の5カ月以上にも続く民主化のデモは、想定外の事態になりつつあるようでした。これは中国本土の実態を何か反映しているのかしれません。
今日において必要なのは「遠交近攻」ではなく「遠交近交」という外交政策だといわれます。しかしながら、実際は「瀬戸際政策」とか「人質外交」とかの陰険なものが多いようです。太古から戦争というものは、隣国同士がしてきたといわれます。世界の政治や外交にも新しいテクニックが増えているといわれます。しかし、核兵器の登場で戦争の様子が全く変わってくると指摘されています。サイバー戦争や貿易戦争など形を変えた隣国同士の争いが続いています。国とテロ組織が戦う「新しい戦争」もあります。地政学という学問もありますが、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。「非対称戦争(英語: asymmetric war)とは、戦争の形態のひとつで、両交戦者間の軍事力、あるいは戦略または戦術が大幅に異なる戦争」といわれます。中国は「非対称戦争」を真面目にやっているといわれます。米中のサイバー戦争の経過もよく分かりません。難民や不法移民も新しいタイプの隣国同士の問題となってきています。情報のプロの間では「すでに第3次世界大戦が始まっている」そうです。5兆円という限られた防衛予算を、財政難の時代ですが、増額していく必要があるといわれます。

・「人類の歴史は、平和な時代よりも戦争の時代が長かった」そうです。
「世界の歴史は、秘密結社同士の戦争の歴史である」ともいわれます。
ガストン・ブートゥールは「古来、人間が戦争を起こす理由はただ一つしかない」と言って、その理由を「若者が増えすぎることにある」と語っています。ブートゥールは「若者がたくさん戦死すれば、戦争は当初の開戦目的に関係なく自然に終わりを迎える」と指摘しています。
「戦争の結果、人が死ぬ」のではなく、「若者がたくさん生まれ、人口が増えすぎると、戦争が起きて人口調整する」と答えたのです。
「ブートゥールは古代のアラブでは男の子を尊び、女の赤ん坊はしばしば殺されていたと書いている。女性の人口が減ればいきおい出産数が減る。人口調整としては最も効果的な方法である」と語っています。
一人っ子政策の歪み による3400万人の「男性余剰」の問題は、地政学リスクになっているといわれます。

・『「中国大崩壊」入門』(渡邊哲也、徳間書店 2019/7/30)が、ありますが、香港のデモが中国本土の何かを暗示していたのかもしれません。香港にとっては異常事態のようです。人口大国ですから、何があっても驚くことがないのかもしれません。また広い国ですから、外国人にとっては、実状を把握するは難しいといわれます。「群盲象を評す」といいますが、14億人の中国の実際は、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。特に格差がひどく、上流も人数が多く下流も数億人(?)だそうで、数字が大きく私たち一般人には、中国経済の実態は把握できません。また統計数字が不正確だと言う話はよく指摘されています。一般の社会制度も違いますし、実体はよく分かりません。
 特に中国共産党や人民解放軍の権力闘争は、正確なことは誰にも分からないそうです。「軍事クーデターの可能性が、中国の政変シナリオで一番高い」という著者の見解も極論のように思えますが、「習近平が軍を掌握していない」ともいわれているそうです。国内でみっともないことが急増するとなると人民解放軍でもやりきれなくなるのでしょうか。荒唐無稽な話も多いようです。14億人の中国では、メディアも十分に把握できているのでしょうか。
 軍人は武力や兵器を持っており、共産党と一体といわれておりますが、軍部の下層部には、様々な不満が鬱積しているともいわれているそうです。特に軍人の退職後の年金や処遇などの不満が指摘されているそうです。経済の減速で失業者が増え、社会不安をあおっているようです。
 発表された中国軍の30万人の軍縮も、余剰人員は以前のように武装警察に回される可能性が高いようです。空軍と海軍の近代化を急ごうとするのでしょうか。当初は、ソ連からの武器輸入のみでしたが、研究開発も進んで核ミサイルも作れます。が、軍事技術の欠陥も軍事専門家からは、よく指摘されているように、遅れた面も多いそうです。「2000年から治安維持費の予算が毎年、軍事予算を上回っている。外部の問題よりも内部問題の方がより深刻であるということが、軍事と治安の予算比例の変化からも一目瞭然である」といわれております。

・14億人の中国が迷走を始めますと世界経済に与える影響は、計り知れないものになりそうです。「難治の国、中国が人類の難題になってくる」ようです。つまりチャイナ・ウオッチャーによりますと「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」そうです。チャイナ・ウオッチャーでありませんので、私たち一般人は、中国の国内問題は理解できません。ときどき、関連書籍を読むぐらいです。しかしながら、チャイナ・ウオッチャーにおいては、ネガティブな見方をする人がほとんどのようです。「中国の経済状況は確実に悪化している」といわれます。また悪いニュースばかりだと指摘されています。「中国語もできないのにスパイとして拘束された日本人」の話も不思議な話のようです。「甘い国際感覚と貧弱な語学力で国益を大きく損ねている」といわれます。はっきりしない理由もなく拘束されるということでは、誰も中国には行きたくないでしょう。日中国交を結ぶのが早すぎたという説もあったようです。外務省のチャイナ・スクール(日本の外務省において中国語を研修したり中国関連のキャリアを経験した外交官を指す)も活発に活動していることでしょう。評判の悪い大使を送った話もあったそうです。私たち一般人は、日本外交については、よく分かりません。また外務省の評判は昔から悪いといわれます。
アメリカでもドラゴンスレイヤーとパンダハガーの争いがあると指摘されています。米中貿易戦争の行方も不透明で懸念されています。アメリカでも移民のチャイナ・ウオッチャーが非常に多いのでしょう。
「胡錦涛時代に政権幹部から、「中国は1割のヨーロッパと9割のアフリカだ」という話を聞いたことがあったが、まさに言い得て妙だった」といわれます。そのような国に「合理性」を求めるのが無理だと指摘されています。

・中国のハードランディング論も増えているようです。どこまで経済統制が効果を持続するのか分かりません。どこかで統計数字の大きな乖離が表面化しそうです。10年程前は「保八」という「年8%成長を維持できなければ、中国は失業者でメルトダウンする」という説が盛んに唱えられていたそうです。農民の問題や、社会保障の問題も「汚職」問題とともに、共産党独裁政権でも、制御できないと指摘されています。「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」と語られています。「中国人は国を捨てた人でないと信用ができない」という中国社会特有の国内事情があるそうです。

・中国の統計数字が怪しいことは、以前から有識者に指摘されていたことだといわれます。特にソ連の古い統計システムを使い続けていた場合は、数字に大きな誤差がでてくるといわれます。「筆者の予測では、最悪を想定した場合、中国の実際のGDPは公式発表の数値の3分の1程度に過ぎないだろう」ということでは、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。著者の説も多数説になるのはいつなのでしょうか。ソ連の崩壊も、予想外で突然死のようなものでした。はたして中国の予想外の突然死は、おきるのでしょうか。官庁エコノミストの限界もあるようです。日本にエコノミストといわれる人々は多いのですが。私たち一般人は、当然、中国経済の詳細には詳しくはありません。中国のハニートラップもその後はどうなのでしょうか。著者によると「夜、外出先で宴席が設けられたのだが、とんでもない美女が接待役としてついてきた。2次会まで一緒にいれば危険だと思った私は、用事があるとか適当な理由をつけてその場から逃げ出した」ということですが、興味深いものです。ちなみにハニートラップ大国と指摘されています。
 社会主義の経済では官僚主義の悪い所が最大限に出ている経済といわれました。現代では、ロシアでは「シロヴィキ」といわれる治安・国防関係省庁の職員とその出身者が勢力を持ち直し恐怖政治が始まっているともいわれます。そして中国では、共産党官僚がノーメンクラーツ(赤い貴族)と化し都市部 の民工、農村戸籍の人民などの「豊かさを制限する」と指摘されています。市場経済化もうまくいっていないようです。

・「日本の借金は1000兆円」「一人当たり830万円」という数字の情報操作は、国民に広く浸透した情報操作だったといわれます。当時の野田総理も「子孫に借金を残すな」と盛んに答弁していたといわれます。財務省には、この数字の説明責任があったようです。この数字の情報では「増税に反対」する世論は力がなくなります。様々な政治力学が働いたのでしょうか。また経済評論家等の「日本経済破綻説」や「国債暴落説」の本が店頭をにぎわしたものです。しかしながら、「国の借金問題など存在しない」というエコノミストもいるといわれます。私たち一般人には、経済学説にも理解不能なことが多いようです。このような経済の最も基本的な事柄にエコノミストの見解が分かれるのは、エコノミストの資質が窺われます。安倍総理自身もアベノミクスの失敗を認めたといわれます。経済問題は国民の主要な関心事です。そこで、いわゆる「正しい説明」をしてもらいたいものです。「あまり知られていないことだが、日本の社会保障というのは、先進国とは言えないくらいお粗末なモノなのである」といわれます。政治経済の制度疲労が激しく、システムが劣化しているそうです。そのうえ官僚と政治家の劣化もひどいそうです。その点については政治家と官僚の認識も自覚もないといわれます。ある意味ではディスインフォメーション(偽情報)、フェイク(偽)・ニュースになったのかもしれません。

・「日本の借金は1000兆円」といわれると誰でも驚いたものです。解釈が違うと別の結論がでてくるようです。財務省というファイナンスの権威のある役所のいうことは、誰でも従うともいわれます。「それこそ税金の無駄遣いを止めて、国民の血税を費用対効果を考えて政策財源にあてるべきだ」そうです。1票の格差が大きいと政権の正統性が疑われるといわれます。「政治は税金なり」といわれますが、税制が劣化してきていると語られています。消費税に重点を置きすぎていて、累進課税や法人税の実質的な税制が応分負担に改正されるべきと指摘されます。文部省の天下り斡旋が問題になりました。官僚制度も時代の流れに適合できなかったといわれます。「改革が遅れているのは本当に優れた官僚や政治家が登用されていないからだ」ともいわれます。「失政」が増えている時代に、私たち一般人は、政治意識を高めていく必要があるそうです。「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」といわれます。

・amazonに「アベノミクス」といれますと1352件の書籍がわかります。『反面教師アベノミクスに学ぶ』(岩佐代一)、『アベノミクスによろしく』(明石順平)、『アベノミクス崩壊』(牧野富夫)、『日本経済崖っぷち  妄念の中の虚像、アベノミクス』(浜矩子)等で、ネガティブなものが増えてきているようです。アベノミクスの評価も立場の違いで、2つのグループに分かれるようです。官庁エコノミストは、痛烈に批判する人は当然ながら、少ないようです。『「新富裕層」が日本を滅ぼす』という本の著者(武田知弘)は、41冊くらいの本を書いているようです。財務省の見解というものは専門家集団ですので、指導力は強いそうです。「実は日本は社会保障“後進国”」という認識の有識者は多いのでしょうか。

・著者(武田知弘氏)によると消費税という税は不合理な政策だということになります。しかし、「無税国債」の発行に賛成する官庁エコノミストは多くないようです。「無税国債の発行」を主張する新しい首相はでてくるのでしょうか、社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。改革の速度も大変遅いようです。「失われた日本経済の25年」といわれますが、その間の経済政策は効果的ではなかったようです。25年の間に「日本経済の劣化」は相当すすんだようです。世界中で「格差の問題」が議論されています。「格差」は、税制で作られたともいわれます。「財源の裏付けのない政策は実現できない」ということで、「限られた予算、限られた処遇、増えない税収、十分でない福祉予算を削る財政赤字」という状況が続きました。財政・社会保障費の抜本改革が不可欠であることは明らかですが、実施は難しいようです。「もともと国家予算の分配の問題になるようで、財源をひねり出すためにも、行政、立法、司法の大胆なリストラ、近代化、効率化が必要」といわれます。税金の無駄遣いもなくせないようです。「それこそ税金の無駄遣いを止めて、国民の血税を費用対効果を考えて政策財源にあてるべきだ」そうです。

・「日本は先進国だろうか」という声も街中では増えてきているようです。「女性の登用も先進国とはいえない」そうです。女性の眼から見ると「政治や経済の後進性」を痛切に感じることでしょうか。スイスではベーシックインカムの実施が国民投票で否定されましたが、大胆な改革が先進諸国で検討されているようです。国家経営の実務に精通したベスト&ブライテストのテクノクラートのドリームチームによる英知を結集した「国家改造計画」が求められているといわれます。舛添氏の公私混同が議会で批判されました。メディアにも大きく取り上げられました。あまりにも期待された知識人だったので、反動も非常に大きかったようです。「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。困っている人も増えており、単に政治の貧困としては片づけられないそうです。いつまでも「政治が遅れている」ということでは複雑化する社会問題に対応できないでしょう。政治家は選挙民の対応に追われて、勉強ができないそうです。「失政」が増えている時代に、私たち一般人は、政治意識を高めていく必要があるそうです。「移民の問題も移民に土地を与えることができないので受け入れられない」といわれます。「改革が遅れているのは本当に優れた官僚や政治家が登用されていないからだ」といわれます。

・「政治家が劣化している時代だ」ともいわれています。「政務活動費の問題も氷山の一角」と指摘されています。「日本の政治家はアメリカのロビイストのような役割を果たしている」という説もあります。そこで政治の改革がなかなかすすまないといわれます。「民主主義国家においては国民はその程度に応じた政府しか持ちえない」、「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」ということで、「政治が遅れている。私たち一般人は、政治意識を高めて政治の近代化を急がなければならない」そうです。
 「消費税増税のスタンス」が政治の一般論としてあります。日本の「借金」は1000兆円もあり、財政危機の状況であり、消費税を上げて財政危機を回避しなければならないという議論が有力説となり、政府を動かしているといわれます。1000兆円という数字が独り歩きしており、真面目に「日本破綻」を主張している学者・エコノミストも少なくありません。経済学者やエコノミストが最も基本的な問題に見解が対立しているのは、私たち一般人には不思議な話です。財政の危機を考えると、消費税増税もやむをえないという思考が一般的でしたが、「日本の借金問題は、懸念することはない」という説もあり、驚きます。
 amazonに「日本破綻」といれますと908件の書籍を見ることができます。『2020年、日本が破綻する日』(日本経済新聞出版社)、『1500万人の働き手が消える2040年問題―労働力減少と財政破綻で日本は崩壊する』(ダイヤモンド社)等です。その一方で、『何があっても日本経済は破綻しない!本当の理由』(アスコム)という全く反対の見解もあります。とにかく「財政問題」については百家争鳴のようです。

・「築土構木の思想で、土木工事を大規模にして日本を建てなおす」必要があるようです。国土強靭化構想で、水道や下水道等、道路のインフラを再整備する必要があります。老朽化がひどいそうです。また地震や津波に対する対策や東日本大震災の復興にも大規模な「土木建設」が必要です。首都直下大地震津波や南海トラフ巨大地震津波も発生確率が非常に高いと、大衆レベルでも認識が浸透しています。かつて日本は、田中角栄氏の「日本列島改造論」にあるように「土建国家」ともいわれたものでした。田中角栄元首相の実績には毀誉褒貶があるようです。

・「熊本地震」も、このような大地震がくり返されて、不気味な南海トラフ巨大地震津波へと繋がっていくと、地震学者が述べていました。「財源の裏付けのない政策は実現できない」といわれますが、建設国債や日銀の引受など手法はいろいろとあるようです。「コンクリートから人へ」ともいわれましたが、両方への投資が必要です。金融緩和と同時に大規模な財政投融資の両方が機能しなければならないといわれます。
「災害等で困っている人も多くなっているので、税金の無駄遣いをやめて財源を確保すべきだ」といわれます。
毎年の災害被害の甚大化、最大化、極大化が懸念されると指摘されています。異常気象の災害大国になったので、当然ながら日本経済と国民生活に強烈な打撃を与えるといわれます。政治の対応力がそれに拍車をかけているようです。毎年、想定外の大雨で堤防の決壊が頻繁に起こることが懸念されます。それゆえに異常気象の災害大国なので税金の無駄遣いを禁止して災害対策費に充当すべきだと指摘されています。

・「政府債務残高約1000兆円」ということで「財政破綻」を喧伝し、大騒ぎをするエコノミストもいましたが、「国の借金問題など存在しない」と主張するエコノミストもいて、奇妙な面白い議論です。政府の紙幣発行権をめぐる考えの相違といいますか、デフレなどの基本的な考えが、それぞれ違っているようです。アベノミクスに対しても、厳しい評価をする経済学者もいるようです。外国の経済学者の評価も明らかになりました。今の状況では消費増税は無理だとされ延期されました。なお2019年10月1日から消費税の10%の引き上げが実施されます。
 私たち一般人は、エコノミストではないので、詳しい分析はできませんが、円の国際的な評価が、その実態を反映するそうです。「国債などの政府債務残高は現在、約1000兆円。日本政府の資産を考えると、ネット(差し引き)で500兆円になる。そこに日銀を政府との連結で考えると、日銀が300兆円分の国債を持っているから、政府債務は連結すると200兆円ということになる。GDP比で考えると欧米より少ない」という結論になると主張する学者(高橋洋一氏)もいるようです。ギリシアのような経済の弱い国と比較はできないようです。

・「日本の核武装」に言及する知識人が増えてきているそうです。核装備は一種の政治のタブーになっていた感がありましたが、世界情勢が大きく変わってきたためか、有識者から様々な提案がなされているようです。私たち一般人は、核兵器については詳しくは知りませんが、日本の周辺の仮想敵国が核兵器や細菌兵器、化学兵器を熱心に開発している以上、日米安保条約のみに頼ることは十分ではないようです。タブーなき防衛論議が必要のようです。国家経営の実務に精通したベスト&ブライテストのテクノクラートのドリームチームの英知を結集した現代の「国家改造計画」が求められているそうです。「日本最大のシンクタンクである官庁を政治家は上手に使いこなすべきである」といわれます。防衛政策ははたしてどのような評価をうけているのでしょうか。「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。

・「核の恫喝を受けないためにも核には核を」という合理的な思考が求められているといわれます。周辺諸国では、核兵器や生物化学兵器、核シェルターの開発を熱心に展開しているそうです。核戦争を想定内にしているからでしょう。核兵器を持たなければ歩兵の大量出血を強要されるといわれます。抑止力のない高価な通常兵器を少数そろえるのでは、拉致事件にも抑止力がなかったそうです。「抑止力のない高価な通常兵器を少数揃える」よりも、巡航ミサイルやバージニア級の攻撃型原子力潜水艦等の「抑止力のある高価な通常兵器を少数揃える」ほうが、費用対効果があるといわれます。核シェルターもありませんし、この方面に脳天気(ノー天気)ですと、日本も歴史から消えていくことになるでしょうか。5兆円という限られた防衛予算では不十分だともいわれます。「脳天気(ノー天気)な核シェルターもグローバルスタンダードを適用すべきだ」といわれます。
 「次の戦争では必ず新兵器が使われる。将軍たちは前の兵器で軍事演習をしている」そうですので、通常兵器が陳腐化する時代に備えておく必要があるのでしょうか。「核には核で」という常識がゆきわたるのはいつのことでしょうか。もちろん、日本の核装備には言うまでもなく、多くの反対論があります。法律や条約の問題もあります。しかし、憲法改正をしなくても核兵器は持てるといわれます。 核シェアリングの方法もあるといわれます。スイスのように100%の核シェルターと国民皆兵的な総務省管轄の郷土防衛隊で備える必要があると指摘されます。

・太平洋戦争も米軍の新兵器と原爆によって、日本軍が圧倒されたように、新兵器の登場によって旧兵器が陳腐化するのだそうです。旧軍は、レーダーなどの新兵器で完敗しました。それも現代では新兵器の開発のスピードが速くなっているそうです。旧軍のほとんどの将官や将校も「戦争に勝てる」とは思わなかったそうです。そして「戦争に負ける」ということは、どのようなことを意味しているかも認識していなかったそうです。ひどい目にあったのは、国民すべてで特に庶民でした。

・サイバー戦争では米中戦争がすでに始まっているとも言われています。深刻な人口問題と社会問題を持つ中国は、国内が乱れると、さまざまな面で国際間のトラブルを起こし、領土紛争や対外戦争に打って出るという懸念が国際社会、チャイナ・ウオッチャー間では言われているそうです。amazonに「サイバー戦争」といれますと152件の書籍が出てきます。『サイバー戦争~すべてのコンピューターは攻撃兵器である』、『日本サイバー軍創設提案:すでに日本はサイバー戦争に巻き込まれた』という具合に刺激的です。どうもサイバー戦争はいまも熾烈に継続中だそうです。メディアに人民解放軍の将校の名前が出たりして米中サイバー戦争は奇妙な問題です。メディアもどの程度把握しているのでしょうか。
 中国の社会が不安定化することにより世界中に深刻な影響を与える懸念があるようです。学校にいけない子供たちが増えており、社会問題がいろいろと深刻化しているそうです。「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」といわれます。米国の学者も2016年に中国は昏睡状態に陥ると予測していたようです。また「中国人は国を捨てた人でないと信用ができない」という中国社会特有の国内事情があるそうです。

・中国の経済学者によると「影の銀行(シャドーバンキング)に対する規制が強化されるなら、中国の不動産価格が最大50%下落する可能性がある」という見方を示していました。不動産市場も株式市場もバブルが崩壊しましたが、再び、投機資金が動いているともいわれました。「チャイナ・リスク」を誰もが認識できる時代になりました。中国の経済の減速、混乱が大減速と大混乱になるのでしょうか。 中国では「上に政策あれば、下に対策あり」といわれていますが、限界がきているといわれます。「中国ははたして「中所得の罠」を破れるだろうか。筆者(高橋洋一氏)は中国が一党独裁体制に固執し続けるかぎり、罠を突破することは無理だと考えている」ということで、中国経済はハードランディングしかないといわれました。

・識者によると、中国共産党の「みっともなさ」が世界中のメディアに露呈されている時代だそうです。世界のメディアへの頻繁な露出こそが中国共産党が最も恐れていることではないのでしょうか。「誰も13億人を食わせられないので戦争をする」といわれます。「来世はブタでも良いから中国人には生まれたくない」と回答する者もいるといわれるくらい深刻な状況といわれます。中国が民主化すれば米国との(核)戦争はありえないといわれます。米中サイバー戦争(ナウ)はどのようになっているのでしょうか。中国は人類の難題となっていくそうです。マクモニーグルの未来透視に「23世紀と24世紀における2度の大戦で人類の人口が6分の1に大激減する」というのがあるといわれます。

・中国のスパイ工作についても私たち一般人は、よく分かりません。旧共産圏のハニートラップはすさまじいともいわれます。移民の形で欧米の資本主義国へ流れ込むともいわれます。国交回復で「日中友好」との流れでしたが、「日中戦争」のタイトルの文字の書籍もでるような激変ぶりです。ハニートラップや産業スパイ、人口大国ですから「何でもあり」といわれます。私たち一般人は、複雑な国際政治のメカニズムが分かりません。「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」といわれます。同世代の男性が4000万人も偏りがある深刻な人口問題があると指摘されています。「愛国青年を戦場に送れとする古典的な手法が使われる」ともいわれます。20世紀は、内戦と共産党の独裁の失政のために中国国内では、膨大な数の餓死者がでたといわれます。ですから「愛国青年に貧乏を忘れさせるために戦争をする」、「誰も13億人を食わせられないので戦争をする」、「愛国青年を食わせられなくなるので戦争をする」等の執拗な戦争政策を取っていたといわれます。周辺諸国は、ほとんど戦争政策に巻き込まれています。ガストン・ブートゥールは「古来、人間が戦争を起こす理由はただ一つしかない」と言って、その理由を「若者が増えすぎることにある」と指摘されています。ブートゥールは「若者がたくさん戦死すれば、戦争は当初の開戦目的に関係なく自然に終わりを迎える」と語っています。「戦争の結果、人が死ぬ」のではなく、「若者がたくさん生まれ、人口が増えすぎると、戦争が起きて人口調整する」と答えたのです。

・「シリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こる」といわれます。太古の歴史から人類の支配のために、「戦争」という手段は欠かせなかったと語られています。「人類の歴史は、平和な時代よりも戦争の時代が長かった」といわれます。「竜座人(ドラコ)が遥かに進化しており、このレプティリアン型生物の交雑種がイルミナティである。交配人種であるイルミナティが地球を支配している」といわれます。目に見えないとてつもなく進化した異星人のことはアバブ・トップシークレットです。「売春は女性の最古の職業」ともいわれ、昔からハニートラップが盛んだったといわれます。ヨーロッパでは「売春とスパイが最古の職業」と語られています。堕天使が地球の女を狙って降りてくるといわれます。堕天使の性的な能力は異常に高いともいわれます。

・日本は敗戦後から「スパイ天国」といわれます。諜報機関もありませんし、法律的な担保がないそうです。未来には法律的に「移民」を認めなくても1000万人の外国人が日本に「職」を求めて、住みつくといわれます。世界中の「失業」の問題、難民、不法移民の問題は深刻だそうです。しかし、「移民の問題も移民に土地を与えることができないので受け入れられない」といわれます。人口大国の人材の流入もすすみましょう。外国において日本語教育をすすめるということは、彼らを日本に招いているということを意味します。外国の若者の失業は深刻な国際経済問題になっています。そうなると国際結婚も進みますし、日本国籍を取る人も激増しましょう。いわゆる「アメリカ化」がすすむといわれます。ニューヨークのような「人種の坩堝」といわれるようになる可能性も全くの空想物語とはいえないといわれます。そうなると、日本人のアイデンティティが失われ、さまざまな社会問題がでてくると語られています。海外援助の問題も、戦後多くのノウハウが蓄積されているといわれます。しかし、海外援助も複雑な問題が実際に起きていると指摘されています。日本の海外援助も数十年のノウハウがあり、大胆に見直し、リストラすべきだといわれます。

・「本当に優れた人材を国会に送り込むシステムが確立されていない」といわれます。「官僚とか議員は重要な仕事をしているのだから、仕事のできる者は優遇すべき」といわれます。ところが官僚や議員の仕事の劣化が、失政が増えているといわれます。「国家に損害を与えたなら個人資産でもって補償せよ」という厳しい状況だと語られています。「失政」が増えている時代に、私たち一般人は、政治意識を高めていく必要があるそうです。「政治家が劣化している時代だ」ともいわれています。聖戦「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。「政治は税金なり」といわれますが、税制が劣化してきているともいわれます。いつまでも「政治が遅れている」ということでは複雑化する社会問題に対応できないでしょう。「民主主義国家においては国民はその程度に応じた政府しか持ちえない」。「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」といわれます。「政治に関心のないひとはいるが、政治に関係のないひとはいない」と指摘されています。


********************************
・ブログ名称: UFOアガルタのシャンバラ
日本は津波による大きな被害をうけるだろう
・第2のブログ名称:UFOパラレル・ワールド

「神の国か?」「人類の原郷か?」 「天上のエルサレムか?」・・・・・・・・・
「パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の殖民星が、地球か?」、「ネガティブのシリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こるのだろうか?」
「金髪碧眼のノルディックが住んでいたアガルタのシャンバラ情報の集大成を目指す・・・・・・・・・・」「金星蛇人と火星霊人の戦争はその後どのように展開したのだろうか」
「日本民族の神話の原郷『高天原(たかまがはら)』は、『都市型の超巨大宇宙船』なのか!?」「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔なのか」
「小人族のグレイの母船に同乗する金髪碧眼のノルディックは、”悪魔の王””ルシファー”なのか?!」
「円盤は神人や異人、悪魔の乗り物なのか!?」「天使は神の秘密諜報員なのか」「神は最初のフリーメーソンなのか」
「UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象なのか。UFO問題とは、人間にとっての死の問題を解くことなのだろうか。UFOはフリーメーソンの創作なのか」
「全宇宙を創ったという“虹の神々”も地球に来ているのだろうか」
「イルミナティなどのフリーメーソン組織に入ると神に会えるのだろうか」「金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けたのだろうか」「フリーメーソン結社はこの大地が創出されるよりずっと前から、さまざまな太陽系をめぐって、存在していたのだろうか」
「国際連合の設立に動いたキリストの星、アプ星人とは」
「人は皆、記憶喪失の異星人だろうか」
「はるかに進化した天使のような宇宙人は、人間の守護霊や背後霊なのだろうか」「セドナ上空に見えないエーテルのシティが滞空するのだろうか」

グーグルのブロガーにも書いています→UFOパラレル・ワールド




コロナ以降の不景気がどのくらいの長さになるのか、正確なことはまだ誰にもわかりません。ただ、歴史に学ぶならば、少なくとも今後3年間の経済停滞を覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。(6)



『築土構木の思想』  土木で日本を建てなおす
藤井聡   晶文社    2014/7/25



<世間は皆、虚言ばかりなり>
・「土木」というと、多くの現代日本人は、なにやら古くさく、このITやグローバリズム全盛の21世紀には、その重要性はさして高くないものと感じているかもしれません。
 とりわけ、「人口減少」や「政府の財政問題」が深刻化している、と連日の様に様々なメディアで喧伝され続けている今日では、今更、大きなハコモノをつくる様な土木は、時代遅れにしか過ぎないだろう、というイメージをお持ちの方は多いものと思います。
 しかし、今日私たちが信じている様々な常識が、実は単なる「虚言」(ウソ話)にしか過ぎないという事例には、事欠きません。

<築土構木の思想>
・この言葉は、中国の古典『淮南子』(紀元前2世紀)の中の、次のような一節に出て参ります。すなわち、「劣悪な環境で暮らす困り果てた民を目にした聖人が、彼等を救うために、土を積み(築土)、木を組み(構木)、暮らしの環境を整える事業を行った。結果、民は安寧の内に暮らすことができるようになった」という一節でありますが、この中の「築土構木」から「土木」という言葉がつくられたわけです。

・すなわち、築土構木としての土木には、その虚言に塗れた世間のイメージの裏側に、次の様な、実に様々な相貌を持つ、われわれ人間社会、人間存在の本質に大きく関わる、巨大なる意義を宿した営為だという事実が浮かび上がって参ります。

第一に、土木は「文明論の要」です。そもそも、土木というものは、文明を築きあげるものです。

第二に、土木は「政治の要」でもあります。そもそも築土構木とは、人々の安寧と幸福の実現を願う、「聖人」が織りなす「利他行」に他なりません。

第三に、現代の土木は「ナショナリズムの要」でもあります。現代の日本の築土構木は、一つの街の中に収まるものではなく、街と街を繋ぐ道路や鉄道をつくるものであり、したがって「国全体を視野に納めた、国家レベルの議論」とならざるを得ません。

第四に、土木は、社会的、経済的な側面における「安全保障の要」でもあります。社会的、経済的な側面における安全保障とは、軍事に関わる安全保障ではなく、地震や台風等の自然災害や事故、テロ等による、国家的な脅威に対する安全保障という意味です。

第五に、土木は、現代人における実質上の「アニマル・スピリット(血気)の最大の発露」でもあります。

第六に、土木こそ、机上の空論を徹底的に排した、現場実践主義と言うべき「プラグマティズム」が求められる最大の舞台でもあります。

<土木で日本を建てなおす>
・そもそも、今日本は、首都直下や南海トラフといった巨大地震の危機に直面しています。今日の日本中のインフラの老朽化は激しく、今、適切な対応を図らなければ、2012年の笹子トンネル事故の様に、いつ何時、多くの犠牲者が出るような大事故が起こるか分からない状況にあります。

・巨大地震対策、インフラ老朽化対策については多言を弄するまでもありません。
 大都市や地方都市の疲弊もまた、日本人がまちづくり、くにづくりとしての築土構木を忘れてしまったからこそ、著しく加速してしまっています。そして、深刻なデフレ不況もまた、アニマル・スピリットを忘れ、投資行為としての築土構木を我が日本国民が停滞させてしまった事が、最大の原因となっています。
 だからこそ、この傾きかけた日本を「建てなおす」には、今こそ、世間では叩かれ続けている「土木」の力、「築土構木」の力こそが求められているに違いないのです。

<公共事業不要論の虚妄  三橋貴明×藤井聡>
<インフラがなくて国民が豊かになれるはずがない>
・(藤井)三橋先生は、みなさんもよくご存じの通り、いま政府が採用しているアベノミクスというデフレ脱却のための政策の、理論的バックボーンをずっと長らく主張されてきた先生です。ならびにかなり早い段階から、経済政策としてもインフラ投資をやるべきだというお話をされています。

・(三橋)もうひとつはですね、公共投資を増やし、インフラを整備しなければいけないというと、よくこういうレトリックが来るわけですよ。「財政問題があるから公共投資にカネが使えず、インフラ整備ができない」と。日経新聞までもが言いますよ。要は予算がないと。これは全然話が逆で、日本は政府にカネがないから公共投資ができないんじゃないんですよ。公共投資をやらないから政府にカネがないんです。

・(三橋)そこで、政府が増税やら公共投資削減やらをやってしまうと、ますます国内でお金が使われなくなり、デフレが深刻化する。実際、日本は橋本政権がこれをやってしまったわけです。日本のデフレが始まったのはバブル崩壊後ではなく、97年です。

・公共投資を増やせばいいじゃないですか。財源はどうするか。それは建設国債に決まっていますよ。公共投資なんだから、国の借金がいやなら、日銀に買い取ってもらえばいいじゃないですか。

<国の借金問題など存在しない>
・(三橋)いずれにしても「公共投資に20兆も使っているんですよ!」といわれると、国民は「天文学的数字だ!」となってしまう。国の借金も1000兆円とか。
 ただし、その種の指標は数値をつなげて考えなくてはいけない。GDPが500兆の国が、公共投資20兆というのは、むしろ少なすぎるだろうと。しかもこんな自然災害大国で。そういうふうに相対化して比較しなくてはいけない。
 もうひとつは、最近、私が発見して流行らせようとしているんだけど、いわゆる国の借金問題。正しくいうと政府の負債ね。あれって、日銀が昨年からずっと量的緩和で買い取っているじゃないですか。だから、政府が返済しなければいけない借金って、いまは実質的にどんどん減ってきているんですよ。まあ国債が日銀に移っているんだけど、日銀は政府の子会社だから、あんなもの返す必要がない。国の借金問題なんて、いまはもう存在しないんですよ、実は。

・(三橋)もうひとつ怪しいのがありまして、社会保障基金。あれも100兆円くらいあるんだけど、中身は国民年金、厚生年金、共済年金なんですよ。政府が政府にカネを貸しているだけ。こういうのも「国の借金!」としてカウントして、本当にいいのかと思う。とにかく入れるものは全部詰め込んで、「はい1000兆円、大変でしょう」ってやっている。

・(三橋)日本政府は金融資産が500兆円くらいありますから、一組織としての金融資産額としては世界一じゃないですか。アメリカよりでかい。そのうち100兆くらい外貨準備です。残りは先ほどの社会保障基金。共済年金や厚生年金の持っている国債だから、そういうのは、絶対に相殺して見なくちゃいけないんだけど。

・(三橋)全部「借金」に詰め込んでいるわけですよね。しかも日銀が量的緩和で国債を買い取っている以上、返済が必要な負債はなくなってきているのに、それでもそういうことは報道されない。

・(三橋)(デフレの悪影響は)過小評価されています。デフレがどれほど悲惨な影響を及ぼすか、わかっていない。マスコミは「デフレになると物価が下がりますよ」としか言わないじゃないですか。だから、何が悪いんだ、みたいな話になりますが、違いますよね。デフレ期は所得が減ることがまずい。さらに問題なのは、所得が減るとはつまりは企業の利益が減るということなので、次第にリストラクチャリングとか倒産・廃業が増えていき、国民経済の供給能力が減っていくわけですよ。供給能力とは潜在GDPですよ、竹中さんの大好きな。

・(三橋)デフレこそが、まさに潜在GDPを減らしていますよ。典型的なのが建設企業です。1999年に60万社あったのが、いまは50万社を割ってしまった。10万社以上消えた。これ、経営者が相当亡くなられています。自殺という形で。

・(藤井)建設業というのは、築土構木をするための技術と供給力を提供しているわけですが、その力がデフレによって小さくなってきている。それこそ、会社の数でいって6分の5にまで減少している。実際、会社の数だけではなく、それぞれの会社の働いている方や、能力などを考えると、その供給力たるや、さらに落ち込んで来ていることがわかる。労働者の数だって、かっては700万人近くいたのが、今では500万人を切っている。実に3割近くも建設労働者は減ってしまった。

・(藤井)つまり、公共事業を半分近くにまで大幅に削減すると同時に、デフレで民間の建設事業も少なくなって、建設産業は大不況を迎えた。その結果何が起こったかというと、わが国の建設供給能力の大幅な衰退なわけです。実は、これこそが、日本国家にとって、深刻な問題なんです。でも、一般メディアでも経済評論家たちも、この問題を大きく取り上げない。

<築土構木の思想は投資の思想>
・(三橋)しかもやり方は簡単なんだから。日銀が通貨発行し、政府がそれを借りて使いなさい、というだけでしょう。しかもですよ、環境的にやることが見つからないという国もあるんですよ。でもいまの日本は、もちろん東北の復興や、藤井先生が推進されている国土の強靭化とか、インフラのメンテナンスとか、やることはいっぱいあるんですよ。なら、やれよ、と。建設企業のパワーがなくなってしまったため、そちらのほうがボトルネックになっていますよね。

・(三橋)建設の需要がこのまま続くかどうか、信用していないんですね。またパタッと止まったら、またもや「コンクリートから人へ」などと寝言を言う政権が誕生したら、またもやリストラですか、っていう話になってしまいますからね。

・(藤井)さらに建設省の公共投資額という統計の農業土木という分野を見ると、昔はだいたい1兆数千億円くらいあったのが、いまはもう2、3千億円程度になっている。民主党政権になる直前は6千数百億円だった。でも、民主党政権下で60%も減らされた。

<朝日と日経が共に公共投資を批判する愚>
・(藤井)いまのお話をお聞きしていますと、いわば「アンチ政府」とでも言うべき方々の勢力、市場主義で利益を得られる方々の勢力、「緊縮財政論者」の勢力、「財政破綻論者」の勢力、といった重なり合いながらも出自の異なる4つの勢力がある、ということですね。つまり、仮にその4つがあるとすれば、その4つが全部組み合わせて作り上げられる「四すくみの四位一体」が出来上がって、それが一体的に「公共事業パッシング」の方向にうごめいている、というイメージをおっしゃっているわけですね。

<国の借金、日銀が買い取ればチャラになる>
<日本ほど可能性のある国はない>
・(三橋)安全保障面ではアメリカべったりで、ひたすら依存していればうまくいきました。もう1つ、大きな地震がなかった。1995年の阪神・淡路大震災まで大震災がなかった。国民は平和ボケに陥りつつ、分厚い中流層を中心に、「一億総中流」のいい社会を築いたんだけど、非常事態にまったく対応できない国だったことに変わりはないわけです。
 ということは、いまから日本が目指すべき道は、非常事態に備え、安全保障を強化することです。結果として、高度成長期のように中間層が分厚い社会をもう一回つくれると思いますよ。最大の理由は、デフレだから。デフレというのは、誰かがカネを使わなくてはならない。

・(藤井)外国はそれがグローバルスタンダードなんですね。ですからグローバル―スタンダードに合わせすぎると、日本もせっかくすごい超大国になれる道をどぶに捨てることになりますね。



『エコノミスト   2016.4.19』 



<識者7人が採点 黒田日銀3年の評価>
<70点 失業率低下が政策の正しさを証明 2%未達は消費税増税が原因  (高橋洋一)>
・この3年の日銀を評価する基準は2つある。失業率とインフレ率だ。
まず完全失業率は3.3%(2月時点)まで下がっている。金融政策は失業率に効く。失業率が改善しているから、期待への働きかけや波及経路は機能しており、量的・質的金融緩和(QQE)が正しかったことを示している。

・原油安によってインフレ2%を達成できなかったという日銀の説明は、短期的には確かにそうだが、3~4年で見ると影響はなくなる。消費増税の影響を見通せなかったので、結局、原油安を方便として使っている。

・日銀当座預金への0.1%のマイナス金利の導入は金融緩和として評価できる。

・金利を下げて、民間金融機関の貸し出しを後押しすれば、借りたい企業や人は出てくる。ビジネスをしたい人にとってはチャンス到来だ。

・国債などの政府債務残高は現在、約1000兆円。日本政府の資産を考えると、ネット(差し引き)で500兆円になる。そこに日銀を政府との連結で考えると、日銀が300兆円分の国債を持っているから、政府債務は連結すると200兆円ということになる。GDP比で考えると欧米より少ない。
 そして、日銀が出口戦略に入る時も国債を吐き出す(売る)ことをせずに、GDPが上がるのを待てば、日本政府の財政再建が実はもう少しで終わる。財政ファイナンスで最悪なのは、ハイパーインフレになることだが、今の日本はインフレ目標もあり、その懸念はない。国債も暴落しなくていい。何も悪いことない。



『最強国家ニッポンの設計図』  ザ・ブレイン・ジャパン建白
大前研一   小学館   2009/6/1



<核、空母、憲法改正、そして国民皆兵制もタブー視しない真の国防論>
<北朝鮮を数日で制圧するだけの「攻撃力」を持て>
・外交は時に戦いである。いや、むしろ国家と国家の利害が対立する場面ほど外交力が必要になる。そして時に「戦争」というオプションも視野に入れておかなければ、独立国家としての対等の外交は展開できない。

・本当に必要かつ十分な軍備とは何かを考えておく必要がある。

・自力で国を守るのは至極当然のことだ。大前提として戦争を抑止するには「専守防衛」などと言っていては駄目だ。

・具体的には、射程距離1000km以上のミサイル、航空母艦、航続距離の長い戦略爆撃機、多数の上陸用舟艇などを中国地方や九州地方に配備するべきだ。

<突然豹変して威圧的になるのが、中国の常套手段>
・ただし私は、中国との戦いは実際には起きないだろうとみている。中国が周辺国を挑発しているのは、侵略の意図があるからというより、実は国内の不満を抑えることが最大の目的だと思われるからだ。いま中国政府が最も恐れているのはチベット問題や新疆ウイグル問題、あるいは法輪功、失業者、農民等の不満による内乱がある。それを避けるためにはあえて国境の緊張を高めて国民の目を外に向けようとしているのだと思う。

<国民皆兵で男女を問わず厳しい軍事訓練を経験させるべきだ>
・ただし実際に「核兵器」を保有する必要はない。それは敵を増やすだけだし、維持するのも大変なので、むしろマイナス面が大きいだろう。国家存亡の脅威に直面したら90日以内に核兵器を持つという方針と能力を示し続け、ロケットや人工衛星の技術を高めるなど、ニュークリア・レディの技術者を常に磨いておくことが重要だと思う。また欧米の同盟国に日本のこうした考え方を説明し納得してもらっておく必要がある。

・ソフトウェアの第一歩とは、すなわち「憲法改正」である。現行憲法は再軍備をしないという条文しかないので、開戦と終戦の手順はもとよりそれを国会がきめるのか首相が決めるのか、といったことすら想定していない。自衛隊についてもシビリアン・コントロールについても定義は明確ではない。つまり今の日本には“戦う仕掛け”がない。

<中国の人権問題を「ハードランディング」させると7億人の農民が世界を大混乱に陥れる>
<中国政府が気づかない「2つのズレ」>
・いま中国政府が理解すべきは自分たちが考える常識と世界が考える常識がズレている、ということだ。ズレは2つある。

・一方、中国は今もチベットや新疆ウイグルなどを征服したという認識は全くない。

・もう一つのズレは、中国が宗教の自由を認めないことである。

<台湾もチベットも独立させて中華「連邦」を目指せ>
<私の提案に賛同する中国指導者たちは、起て!>
・現在の中国で国民に自治と自由を与えたら、不満を募らせている7億人の農村戸籍の人々が都市に流入して大混乱が起きる。力と恐怖による支配を放棄すれば、暴徒化した農民たちが中国人資本家や外国人資本家を襲撃して富を略奪するかもしれないし、第2の毛沢東が現れて、より強力な共産国家を作ってしまうかもしれない。

・なぜ、国民に移動の自由さえ与えていないのかを真剣に考えたことのない欧米諸国が、自分たちの基準を中国に当てはめて、人権だと民主主義だのとなじることも間違いなのだ。

<「世界に挑戦する日本人」第4の黄金期を築け>
<世界に飛び出せない“偽エリート”の若者たち>
・どうも最近の日本人はだらしない。基本的な能力が低下しているうえ、気合や根性もなくなっている。
 私は、アメリカのスタンフォード大学ビジネススクールやUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)で教えていたが、クラスにいた日本人留学生は実に情けなかった。

・英語こそ、そこそこのレベルではあったが、中国、韓国、ヨーロッパ、中南米などの他の国々から来たクラスメートの活発な議論に加わることができず、覇気がなくてクラスへの貢献もあまりできていなかった。

・私は、若い頃、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)大学院に留学した。1960年代の後半である。あの時代は、日本を離れる時に家族と水杯を交わし、博士号が取れなかったら日本に帰れないという悲壮な覚悟で太平洋を渡った。実際、博士号が取れずにボストンのチャールズ川に投身自殺したクラスメートもいた。留学中の3年間、私は(お金がないせいだが)一度も帰国しないどころか自宅に電話さえかけなかった。
 ところが今の日本人留学生は日常的に携帯電話で自宅と連絡を取り、嫌になったら簡単に逃げ帰る。

<●●インターネット情報から●●>

ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)より

<高橋洋一>
主張
増税する前に、まず政府の無駄な出費を減らすことを主張する、上げ潮派の論客。1998年から在籍したプリンストン大学ではベン・バーナンキの薫陶を受けた。いわゆるリフレ派であると目される。

埋蔵金
2008年(平成20年)には、いわゆる「霞が関埋蔵金」が存在すると主張し 、翌年に発生した世界金融危機に際しては、政府紙幣の大量発行によって景気回復を試みるよう提言した。

日本の財政について
財務省時代に国のバランスシートを作成(2012年現在は財務書類という名称で公表)し、国の借金は900兆、資産は500兆、差し引き400兆の負債であり、これを踏まえて財政を論議しなければならないと、増税を主張する財務省やマスコミを批判している。

日本の財政再建のためには、大胆な金融緩和によるリフレーション政策で経済を成長させ、税収の自然増を図るべきであると主張している。また2013年の時点で「日本は世界1位の政府資産大国」であり、国民1人あたり500万円の政府資産があり、売却すれば金融資産だけで300兆円になると主張している。

日本銀行批判
大蔵省在籍中から、日本銀行による金融政策への批判を繰り返してきた。構造改革論が盛んに論じられた2002年には、構造改革の模範と目されたニュージーランドがかつて、金融政策によってデフレーションに陥る危機を脱したことを指摘、インフレーション目標を採用しない日本銀行を批判した。

日本銀行はハイパーインフレーションを恐れ、紙幣の大量発行を拒否しているが、40兆円の需給ギャップがあるのでそうはならないとも主張している。その後、銀行の持つ国債を日銀がデフレ(需給、GDP)ギャップ分の30兆(2012年4月-6月は10兆(朝日新聞))円分引き取り、紙幣を供給する政策も主張している。

2012年現在の金融政策について、「日銀が100兆円ほどの量的緩和をすれば株価も5000円程上昇、そうしないと日本の景気回復(デフレ脱却)とはならない。今の日銀の5兆-10兆円での量的緩和では、海外からは見劣りし周回遅れである」と批判している。
アベノミクスの三本の矢で最も重要なのは『金融緩和である』としている。



『あなたのすぐ隣にいる中国のスパイ』
鳴霞  千代田情報研究会  飛鳥新社  2013/4/6



・来日後の私は、大学や兵庫・大阪の中国語学校で教える傍ら、日本企業の通訳もしていたが、その折痛感したのは「日本人がいかに易々と中国人に騙されるか」である。

<中国人学者たちの怪しい行動>
・日本企業は「人権」「友好」「学術研究」という冠をつければ、技術も機密も公開、資金まで提供して丁寧に教えてくれると、中共政府は見くびっている。この状態こそ、日本が「スパイ天国」であると揶揄され、世界から嘲笑の的になっている理由である。
 中共は「スパイの21世紀的役割は、技術的遅れを埋め合わせる機密情報の入手」と規定している。国家として科学技術力が欠けていることを認識し、先進各国の先端技術を欲しがっている。しかし、先端技術を習ったり買ったりするような状況は想定していない。
 中共は、習うこと、または習うことによって入手した技術は古いもので、最先端のものではないという認識を強く持っている。

<美女スパイの手口>
・中国のスパイ活動といえば、すぐ「ハニートラップ」という言葉が浮かんでくる。女性を近づけて相手を油断させ、情報を取ったり、工作したりすることであるが、日本の橋本元首相や自民党の前総裁・谷垣禎一氏も、これに引っかかったのではないかという噂がある。亀井静香前国民新党代表は、自民党時代、中国を初訪問する際、後藤田官房長官に直々に呼ばれ「中国の女性通訳には気を付けろ」と注意を受けたという。実際、中国を訪れると、すこぶるつきの美人通訳が現れ、耳に吐息を吹きかけるように小声で通訳するので、非常に困惑したという。
 中国における「ハニートラップ」の歴史は古い。

・また、2005年に明らかになった駐上海日本国総領事館の男性館員が自殺した事件なども、現代の「中共によるハニートラップ」として記憶に残る事件だ。

・また、あるときは男性館員が犯したささいな法律違反(例えば中国では未婚の男女がホテルの一室にいるのは違法)を他の公安職員に摘発させ、自ら館員を助ける役を買って出た。その際に用いた中国語文書も存在しており、日本政府はこの文書を根拠として、中共政府に「領事関係に関するウィーン条約」違反として抗議した。

・古来、「英雄艶を好む」ということわざがある。為政者や事業家など、「精力的に仕事をこなす人々」は「女色を好む傾向が強い」というほどの意味だが、最近では、多くの日本人が「英雄」になってしまっており、それだけスパイの対象も増えていると言えなくもない。自衛隊や領事館員ばかりではない。企業の技術者や最先端の研究を担っている大学の准教授などもその対象であろうし、インターンの大学院生や国会議員の秘書なども「英雄」になってしまうのである。

・また、ビジネスは「グリーンと銀座で動く」といわれたが、料亭での政治が姿を潜めると同時に、政治家も、夜の銀座に蝟集することが多くなった。つまり、銀座だけでなく六本木や赤坂など、夜の街は日本のビジネスマンのみならず政治関係の「英雄」も集う場所となっていったのである。そのような夜の街の異変が2011年2月15日の夕刊紙に報じられた。「中国の軍幹部令嬢らが日本で謎のクラブ勤め」という記事であるが、筆者もコメンテーターとして登場しているので、以下に要約を紹介する。
 中国人民解放軍の幹部らの複数令嬢が、東京の銀座や新宿のクラブに勤めていることが、在日中国人社会でひそかに話題となっている。金銭的に余裕があるはずだけに、その目的や真意について、「日本の政財界に特別なコネクションを構築している」から「スパイ説」まで、さまざまな憶測が飛び交っている。

・米国では、2009年だけで、米司法省が捜査に着手した中国絡みのスパイ容疑事件は、なんと400件を超えたという。

・最近は銀座でも赤坂でも、中国人の経営するクラブや中国人ホステスが少なくない。中国人のホステス専門の店ではなく、かなり老舗の名前の通ったクラブにも「中国からの留学生」と称するホステスがいることがある。

・今はなくなったが、麻生太郎氏が首相になる前、昵懇の女性が経営する「シュミネ」という高級クラブがあり、そこにも、長期間北京出身のホステスが在籍していた。高名な政治家が通う店であるから、政界関係者や官僚、企業経営者などが多く集まっていた。

・もともと中国には「千金小姐」といって、どんな貧しい家の娘でも美人に生まれてくればカネになるという即物的な考え方があるほどなのだ。

・日本人の恥の文化に付け込むのが「ハニートラップ」の本質であり、同時に、これは日本のみならず、一夫一婦制を持つ数多くの近代法治国家の間で行われている、中共スパイの常套手段なのである。

<嵌められても気づかない国会議員たち>
<世界のどこよりも簡単な日本政界工作>
・2012年7月18日号の国際情報誌『SAPIO』に、衝撃的な記事が掲載された。ジャーナリストの山村明義氏の署名記事で、「お寒い事情、赤いスパイへの警戒感ゼロの野田民主党政権を中国への機密情報「筒抜け政権」と命名する」と題されていた。

・あまりにも無防備な事態に、日本に詳しい中国共産党のある幹部はこう嘯くのだ。「今の民主党政権は国家情報の危機管理意識が皆無に等しい。我々が日本人に近づき、日本の重要な情報を握るのはもはや難しいことではなく、裏の偽装すらする必要もない」

・現実に昨年(2011年)7月から11月にかけて、同じ東京・永田町の衆参の議員会館で、中国国内からと思われる国会議員のメールがウイルスに感染し、外国への情報が送られたとされる「サイバーテロ事件」が起きた。

・ところで、ウイグル会議開催直前、在京の中国大使名でウイグル国会議員連盟の各議員に、会議への参加を見合わせるよう強く求める要望書が届いたのだ。これだけでも明らかな内政干渉だが、それはさておき、その配布先を見てみると、議員連盟に当時参加していない議員にまで届いている。逆に参加しているのに、抗議文が届かなかった議員もいる。調べてみると、ある時期に作成された名簿を元に送付されていることが判明した。
 では、なぜ中国大使は「日本ウイグル国会議員連盟」の名簿を知ることができたのか。

・国会議員には「行政調査権」というものがあって、それを行使すると国の機密資料を簡単に手に入れることができる。以下は伝聞であり、未確認のものであるが、国政に関することなのであえて公開する。まだ民主党政権になる前の話であるが、辻本清美議員の秘書から行政調査権を使ってある資料の提出が要求された。

・したがって、財務省の官僚は議員のところに資料を持って直接出向いた。ところが議員本人に面会したところ、そのような調査の依頼はしていないという。

・民主党政権下で、首相官邸に出入りできる人間が1300人に膨れ上がっていたというのだ。その中には「80人ほどの左翼的メンバーがいたり、前科一犯の人」もいた。

・まさに現在の日本の情報管理の甘さ、為政者たちの情報に対する認識の決定的な欠如を示していたとしか言いようがない。

<熱烈歓迎(訪中)の中身>
・彼らは手荷物をあけてみたりなど、すぐわかるようなことはしない。しかし、パスポートは、実は個人情報の宝庫だ。本籍地は当然だが、過去に中国や他の国のどこに滞在したかまで記録されている。中共はその個人の情報を得て、調査を始める。特に、事前に中国の他のどこかを訪れていた場合、たちどころにそのときの行動を調べ上げる。ちなみに、イスラエルの場合、外国人訪問者が希望すれば、入国のスタンプは押さない。イスラエルに敵対するイスラム国に行った場合、迷惑をかけないようにという配慮からだ。

・さらに、前もってホテルの部屋などに運び込まれた荷物は、歓迎会の間にすべて中身を見られていると思ったほうがよい。書類などは、コピーされていることが少なくない。

・シャワーを浴び、一夜を共にしたりすれば、彼女たちの行為はより完璧となる。当然その前の全裸で抱き合う画像も撮られているので、男性がスパイ行為に気づいて文句を言えば、それを持ち出される。中国の役人に泣きついても、基本的には無意味である。中国には「夫婦、親子以外の男女(外国人同士の場合は除く)が、夜11時以降、ホテルの同じ部屋にいてはならない」とする法律があり、法律違反で逮捕されかねないのだ。

・2004年、自民党の山崎拓元副総裁と平沢勝栄議員が、中国の大連市で拉致問題解決のために北朝鮮の高官と交渉をしたことがある。この時、ここに書かれたような状況で、日本側の交渉の内容が事前に漏れていたということを、大連の『紡垂新聞』が報じている。このほど左様に、中国では十重二十重にスパイ網が存在するのだ。中国と一度でも関係した外国人はファイルが作られ、それが年々更新され、膨大なものとなっていく。

<「合弁会社」での「地下党組織活動」>
・中国には日本の会社が3万社ある。独立会社・日中合弁会社・日台合弁会社・日香合弁会社などであるが、それらの現地企業の中には当然「中共地下党組織」が作られ、情報収集のみならず企業が反中共活動をしていないかどうか、チェックし共産党中央に報告することを任務としている。

・筆者は、幼年時代から大学まで、中国の教育を受けてきたが、「南京大虐殺30万人」などということは一切教えられていなかった。なので、中国の教科書に「南京大虐殺」が載っていると知った時には、非常に違和感を持ったものだ。筆者のように外国に出た者は、まだ冷静なものの見方ができるが、そうでない場合、自分の働く日本企業を敵視し、「地下党」員として活動することになんらの痛苦も感じない。こうした工作を、中共は「文化戦」と称している。

・最近では日本に帰化した中国人だけで12万人を超えており、彼らには当然選挙権が与えられている。これに永住許可者を含めると、中共のコントロール下にある者の数は膨大で、実に恐ろしい動向である。では沖縄はどうか。永住外国人に参政権を与えようなどと言っているくらいだから、中国からの帰化華人の数など真剣に考えたことがないだろう。しかし、これは間違いなく脅威である。

<日本の経済援助が中国のスパイ活動を巨大化させた>
<中共スパイの原点は周恩来>
<南京大虐殺が1979年までの中国歴史教科書に一切掲載されていない不思議>
・まさに、外国人の目から見ても、当時の日本人の記録を見ても、略奪や殺人を犯していたのは中国兵のほうであり、日本軍ではないのである。
 それにしても、人口20万人の都市で30万人を虐殺するなど神様も不可能だ。

<中共は中国人のいる場所すべてにスパイを送り込む>
・従って、全軍のなかで、スパイより高級なポストはなく、スパイより機密なポストはない。さらに、すぐれた知恵がなければ、スパイを使いこなせないし、人徳がなければ、よく動かせず、洞察力がなければ、もたらされた情報の真偽を判断できない。


コロナ以降の不景気がどのくらいの長さになるのか、正確なことはまだ誰にもわかりません。ただ、歴史に学ぶならば、少なくとも今後3年間の経済停滞を覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。(5)



『日本はこの先どうなるか』
高橋洋一  幻冬舎   2016/8/10



<政治・経済では本当は何が起きているのか>
<英国のEU離脱、欧州への大量移民、崩壊寸前の中国経済、米国の過激な大統領候補、日本の戦争リスク………>
<データに基づかなければ、議論する意味はまったくない>
・参院選の結果を受け、さらなる経済政策が実行される。
・憲法改正は容易ではない。
・イギリスEU離脱の悪影響はボディブローのように効いてくる。
・イギリス経済は将来的には成長する可能性あり。
・経済は人の「気分」で動く。
・エコノミストの予測が外れるのは経済学部が「文系」だから。
・輸出入統計から推計した中国のGDP成長率はマイナス3%。
・国債暴落説の大ウソ。
・財務省の税務調査権は実に恐ろしい。
・日本経済は必ず成長できる!
・戦争のリスクを甘く見てはいけない。

<データは嘘をつかない>
<トランプ大統領の誕生は日本にどう影響するか >
・最近のトランプ氏の発言を聞いていると、いよいよ「へりコプターマネー」を言い出すのではないかと考えている。
 へりコプターマネーのもともとの意味は、中央銀行が紙幣を刷ってへりコプターから人々にばらまくというものだ。ただし、実際にこれを行うことは難しく、「いつどこにへりコプターが来るのか教えてほしい」というジョークすらあるほどだ。
 現在のように中央銀行と政府が役割分担している世界では、中央銀行が新発国債を直接引き受けることで、財政赤字を直接賄うことをへりコプターマネーと言うことが多い。

・バーナンキ氏のそれは名目金利ゼロに直面していた日本経済の再生アドバイスであったが、具体的な手法として、国民への給付金の支給、あるいは企業に対する減税を国債発行で賄い、同時に中央銀行がその国債を買い入れることを提案していた。
 中央銀行が国債を買い入れると、紙幣が発行されるので、中央銀行と政府のそれぞれの行動を合わせてみれば、中央銀行の発行した紙幣が、給付金や減税を通じて国民や企業にばらまかれていることになる。その意味で、バーナンキ氏の日本経済に対する提案はへりコプターマネーというわけだ。

<もし朝鮮半島で有事が起きれば、韓国における在留邦人保護も大きな課題>
・体制の維持には、一定の経済力が必要だ。中国経済の景気後退の影響で、北朝鮮経済は深刻なダメージを被っていることが予想される。対中輸出依存度が25%程度の韓国でさえ、2015年の輸出額は対前年比6%程度も減少している。対中輸出依存度が70%以上と言われる北朝鮮は、中国経済の低迷の影響をモロに受けているに違いない。
 北朝鮮のGDPは謎に包まれているが、400億ドル程度(4兆4000億円程度)とされており、一人当たりGDPは2000ドルにも達しない最貧国である。人口は約2300万人で、そのうち5%、つまり約120万人が軍人である。
 これを日本に当てはめて考えると、自衛隊員を600万人も抱えている計算になる。その経済的な負担は、あまりにも大きい。

・北朝鮮は、国連制裁をこれまで4回も受けている。1月の核実験、2月のミサイル発射を考慮して、もし追加の国連制裁を受けた場合、事実上は6回の制裁と考えていいだろう。これは、7回も国連制裁を受け、結果としてつぶされたイラク並みである。そうなると、朝鮮半島有事も充分に想定できるのだ。

<米軍が日本から撤退すれば、日本の核保有が現実味を帯びる>
<願うだけで平和が実現できるなら、世界はとっくに平和になっている>
・集団的自衛権の行使容認は、アメリカとの同盟関係の強化をもたらし、日本の戦争リスクを下げることにつながるのである。
 集団的自衛権は、同盟関係と一体不可分のものだ。世界では、集団的自衛権なしの同盟関係はあり得ない。その意味で、もし集団的自衛権の行使を認めなかったら、日本はいずれは日米同盟を解消される恐れもある。

・安保関連法の成立を世界の視点で見れば、これまで同盟関係がありながら集団的自衛権の行使を認めなかった「非常識」を、世界の「常識」に則るようにした程度の意味である。そう考えれば、「安保関連法で日本が戦争をする国になる」などといった主張が単なる感情論にすぎないことがわかるだろう。実際、国際関係論の数量分析でも、同盟関係の強化が戦争のリスクを減らすことは実証されているのである。
 安全保障を議論するときはいつもそうだが、左派系が展開する議論はリアルではなく、非現実的かつ極端なものばかりだ。
 安保関連法案が国会で審議されている最中、衆議院憲法審査会において、3人の憲法学者が「安保関連法案は憲法違反」と指摘して話題になったことがある。聞けば、95%の憲法学者が集団的自衛権の行使容認を違憲だと考えているという。

<中国のGDP成長率を推計すると、「-3%」程度である>
・中国政府のシンクタンクである中国社会科学院は、2015年のGDP成長率を「+6.9%」と発表しているが、これはおそらくウソだろう。
 もし、筆者のこの推計が正しければ、中国経済は強烈な減速局面に突入していることになる。

・要するに、貿易面から見れば、中国経済の失速はアメリカのそれと大差ないくらい、世界経済に与える影響が大きいものになるということだ。
 しかも、その影響は中国との貿易依存度が大きいアジアでより深刻になるはずだ。
 ちなみに、リーマンショック後の2009年、アメリカのGDPは3%程度減少し、輸入も15%程度減少した。貿易関係を通じた実体経済への影響については、現在の中国の経済減速は、リーマンショックのアメリカと酷似している状況だ。この意味では、中国ショックはリーマンショック級の事態に深刻化する可能性を秘めているのである。

<中国は「中所得国の罠」にはまり込んでいる>
・「中所得国の罠」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「中所得国の罠」とは、多くの途上国が経済発展により一人当たりのGDPが中程度の水準(1万ドルが目安とされる)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することを言う。
 この「中所得国の罠」を突破することは、簡単ではない。アメリカは別格として、日本は1960年代に、香港は1970年代に、韓国は1980年代にその罠を突破したと言われている。一方で、アジアの中ではマレーシアやタイが罠にはまっていると指摘されている。中南米でもブラジルやチリ、メキシコが罠を突破できすにいるようで、いずれの国も、一人当たりGDPが1万ドルを突破した後、成長が伸び悩んでいる。

・これまでの先進国の例を見ると、この罠を突破するためには、社会経済の構造改革が必要である。社会経済の構造改革とは、先進国の条件とも言える「資本・投資の自由化」である。日本は、東京オリンピックの1964年に、OECD(経済協力開発機構)に加盟することによって「資本取引の自由化に関する規約」に加入し、資本・投資の自由化に徐々に踏み出した。当時、それは「第二の黒船」と言われたが、外資の導入が経済を後押しし、それが奏功して、日本の1人当たりGDPは1970年代半ばに5000ドル、1980年代前半に1万ドルを突破した。

・では、中国ははたして「中所得の罠」を破れるだろうか。筆者は中国が一党独裁体制に固執し続けるかぎり、罠を突破することは無理だと考えている。
 ミルトン・フリードマン氏の名著『資本主義と自由』(1962年)には、政治的自由と経済的自由には密接な関係があり、競争的な資本主義がそれらを実現させると述べられている。経済的自由を保つには政治的自由が不可欠であり、結局のところ、一党独裁体制が最後の障害になるのだ。
 そう考えると、中国が「中所得国の罠」を突破することは難しいと言わざるを得ない。

<日本の財政は悪くない>
<「日本の借金は1000兆円」という財務省による洗脳>
・話を消費増税の延期に戻そう。そもそも消費税率を引き上げる目的は、「税収」を増やすためである。税収を上げたがっているのは誰かと言えば、それは財務省だ。景気が充分に回復していない状況での増税は経済成長を阻害することが明白であるにもかかわらず、なぜ財務省は消費税率を上げたがるのか?その理由については後述するが、増税の方便として使われているのは、いわゆる「日本の借金」である。1000兆円—―
 この数字を見て、おそらく読者の皆さんのほぼすべてが、「日本の借金」という言葉を頭に思い浮かべたに違いない。それほどまでに、「日本の借金1000兆円」というフレーズは巷間に定着してしまっている。

・当時から、旧大蔵省は「日本の国家財政は危機に瀕している」と対外的に説明していたが、バランスシートを作成した筆者には、すぐその主張がウソであることがわかった。負債と同時に、政府が莫大な資産を所有していることが判明したからだ。このとき、幹部からバランスシートの内容を口外しないように釘を刺されたことを覚えている。
 あまりに資産が多額であったからであり、それまで「国の借金はこんなにたくさんあります」と資産の存在を公表せずに負債だけで財政危機を煽ってきた説明が破綻してしまうからだ。

・しかも資産の大半が特殊法人などへの出資金・貸付金であったため(これは現在も大差ない)、仮に資産の売却や整理を求められると、特殊法人の民営化や整理が避けられなくなってしまう。これは、官僚にとっては{天下り先}を失うことを意味し、自分で自分の首を絞めることにつながる。筆者も当時は現役の大蔵官僚だったため、「口外するな」という命令に従わざるを得ず、情報を外部に漏らすことはしなかった。
 残念ながら、筆者が作成したバランスシートは、大蔵省だからか「お蔵入り」になってしまったが、1998年度から2002年度までは試案として、そして2003年度以降は正式版として外部にリリースされるようになった。

・何しろ日本の長期金利は、2016年2月9日に史上初のマイナス台に突入したほどの超低金利なのだ。にもかかわらず、国債暴落説はいまだに巷間でくすぶり続けている。
 国債暴落説の根拠とされているものはいろいろあるが、その一つは、日本の財政破綻だ。日本政府がいずれ国債の金利負担に耐えられなくなるとの見通しから、損を回避したい人々の間で国債の売却が加速し、いっきに債券価格が下落して金利が暴落するというロジックである。しかし、前述のように日本は財政破綻状態ではないため、この話はそもそもの前提が間違っていることになる。

・金融や財政に馴染みが薄い一般の人が、財政破綻論や国債暴落説を語ったり信じたりすることは仕方がない面もあるが、専門家である学者の中にも財政破綻論や国債暴落説を語る人がいることには驚くばかりだ。
 たとえば、東京大学金融教育センター内に、かつてものすごい名称の研究会が存在した。その名も、「『財政破綻後の日本経済の姿』に関する研究会」だ。代表を務めるのは、井堀利宏(東京大学大学院経済学研究科教授)、貝塚啓明氏(東京大学名誉教授)、三輪芳朗氏(大阪学院大学教授・東京大学名誉教授)という日本の経済学界の重鎮たちだ。
 同研究会の活動内容はホームページに公開されている。2012年6月22日に第1回会合が開かれ、2014年10月3日までの2年余りの間に、計22回が開催されている。『発足とWebPage開設のお知らせ』に掲載されている文章を見ると、「われわれは日本の財政破綻は『想定外の事態』ではないと考える。参加メンバーには、破綻は遠い将来のことではないと考える者も少なくない」と書かれている。

 第1回会合では、三輪氏が「もはや『このままでは日本の財政は破綻する』などと言っている悠長な状況ではない?」という論点整理メモを出し、勇ましい議論を展開している。要するに、財政破綻は確実に起こるので、破綻後のことを考えようというわけだ。

<財務省が消費税率を上げたがるのは「でかい顔」をしたいから>
<外債投資で儲けた20兆円を、政府は財政支出で国民に還元すべきだ>
・問題は財源だが、これはいとも簡単に捻出できる。「外為特会」を活用すればよいのである。



『「新富裕層」が日本を滅ぼす』
金持が普通に納税すれば、消費税はいらない!
武田知弘 著  森永卓郎 監修  中央公論新社 2014/2/7



<必要なのは経済成長や消費増税ではなく、経済循環を正しくすることなのだ>
・世界の10%以上の資産を持っているのに、たった1億数千万人を満足に生活させられない国・日本、必要なのは経済成長や消費増税ではなく、経済循環を正しくすることなのだ。「富裕層」と「大企業」がため込んで、滞留させている富を引っ張り出し、真に社会に役立てる方策を考える。

<バブル崩壊以降に出現した“新富裕層”とは?>
・今の日本人の多くは、現在の日本経済について大きな誤解をしていると思われる。たとえば、あなたは今の日本経済について、こういうふうに思っていないだろうか?

・バブル崩壊以降、日本経済は低迷し国民はみんなそれぞれに苦しい

・金持ちや大企業は世界的に見ても高い税負担をしている。日本では、働いて多く稼いでも税金でがっぽり持っていかれる

・その一方で、働かずにのうのうと生活保護を受給している人が増加し、社会保障費が増大し財政を圧迫している

・日本は巨額の財政赤字を抱え、少子高齢化で社会保障費が激増しているので消費税の増税もやむを得ない

・これらのことは、きちんとしたデータに基づいて言われることではなく、経済データをきちんと分析すれば、これとはまったく反対の結果が出てくるのだ。

<消費税ではなく無税国債を>
<日本経済の最大の問題は「金回りの悪さ」>
・「失われた20年」と言われるように、日本の経済社会は、長い間、重い閉塞感に包まれて来た。アベノミクスで若干、景気は上向いたものの、消費税の増税もあり、今後、我々の生活が良くなっていく気配は見えない。
 なぜこれほど日本経済は苦しんでいるのか?
現在の日本経済の最大の問題は「金回りの悪さ」だと言える。

・政府は、財政再建のために消費税の増税にゴーサインを出した。しかし、消費税は「金回り」を悪くする税金なのである。消費税を導入すれば、もともと大きくない内需がさらに冷え込むことになる。また消費税というのは、国全体から広く浅く徴収する税金なのである。

・筆者は、お金の循環を良くして財政を再建するために、ある方法を提案したい。それは、「無税国債」という方法である。

<「無税国債」とは何か?>
・無税国債の狙いは、国民の金融資産1500兆円の中に眠る“埋蔵金”を掘り起こすことにある。

・実は無税国債にはモデルがある。フランス第四共和制下の1952年、時の首相兼蔵相のアントワーヌ・ピネー(1891~1994年)が発行した相続税非課税国債である。
 フランスは当時、インドシナ戦争で猛烈なインフレが起きて財政が窮乏していたが、時限的に相続税を課税しないピネー国債を出したところ飛ぶように売れ、ただちに財政が健全化して戦費の調達もできた。これをブリタニカ国際大百科事典は「ピネーの奇跡」と書いている。

<莫大な個人金融資産を社会に役立てることができる>
・ただ、この個人金融資産を社会に引っ張り出すのは容易なことではない。個人金融資産は、個人の持ち物である。これを勝手に国が使うことはできない。国が使うためには、合法的にこの資産を引っ張ってこなくてはならない。
 もっとも手っ取り早いのは税金で取ることである。しかし、個人金融資産に税金を課すとなると、非常な困難がある。というのも、金持というのは、税金に関して異常にうるさいからだ。国民の多くは気づいていないが、この20年間、富裕層に対して大掛かりな減税が行われてきた。個人金融資産がこれだけ激増したのも金持ちへの減税が要因の一つである。

<極端な話、無税国債は返さなくていい借金>
・個人金融資産は1500兆円あるのだから、750兆円を無税国債に置き換えるというのは、夢の話ではない。ちょっと頑張れば可能なことなのである。
 750兆円を税金で徴収しようと思えば、大変である。消費税率を10%に上げたとしても、20兆円程度の増収にしかならない。もし消費税によって財政の健全化をしようとすれば、税率15%にしたとしても40年近くもかかるのである。

・またもし税率20%にすれば、日本の国力は相当に疲弊するはずである。消費が激減し、景気も後退するだろう。そうなれば、予定通りの税収は確保できず、さらに税率を上げなくてはならない。日本経済はどうなることか……。
 消費税に頼るよりも、無税国債をつくる方が、どれだけ健全で現実的かということである。

<無税国債は富裕層にもメリットが大きい>
・そして無税国債の販売にも、そう問題はないのである。「マイナス金利の国債?そんな国債を買うわけはないだろう」と思う人もいるだろう。確かに、ただマイナス金利というだけならば、買う人はいない。しかし、この国債には、相続税などの無税という恩恵がついているのだ。
 これは富裕層にとって、かなり大きなメリットと言える。

<実は日本は社会保障“後進国”>
あまり知られていないことだが、日本の社会保障というのは、先進国とは言えないくらいお粗末なモノなのである。
 本来、日本は世界有数の金持ち国なのに、社会のセーフティーネットがお粗末なために、国民は安心して生活ができないのである。
 今の日本人の多くは、「日本は社会保障が充実している」「少なくとも先進国並みの水準にはある」と思っている。
 しかし、これは大きな間違いなのである。日本の社会保障費というのは、先進国の中では非常に低い。先進国ではあり得ないくらいのレベルなのだ。
そして、この社会保障のレベルの異常な低さが、日本経済に大きな歪みを生じさせているのだ。日本人が感じている閉塞感の最大の要因はこの社会保障の低さにあると言ってもいいのだ。

・日本は、先進国並みの社会保障の構築を全然してきていない。社会保障に関しては圧倒的に“後進国”と言えるのだ。

・また昨今、話題になることが多い生活保護に関しても、日本は先進国で最低レベルなのだ。

・日本では、生活保護の必要がある人でも、なかなか生活保護を受けることができないのだ。

・日本の生活保護では不正受給の問題ばかりが取りあげられるが、生活保護の不正受給件数は全国で2万5355件である。つまり生活保護には不正受給の数百倍の「もらい漏れ」があるのだ。

<なぜ経済大国日本に「ネットカフェ難民」がいるのか?>
・日本では、住宅支援は公営住宅くらいしかなく、その数も全世帯の4%に過ぎない。支出される国の費用は、1500億円前後である。先進諸国の1割程度に過ぎないのだ。しかも、これは昨今、急激に減額されているのである。1500億円というのは、国の歳出の0.2%程度でしかない。
 フランスでは全世帯の23%が国から住宅の補助を受けている。その額は、1兆8000億円である。またイギリスでも全世帯の18%が住宅補助を受けている。その額、2兆6000億円。自己責任の国と言われているアメリカでも、住宅政策に毎年3兆円程度が使われている。
 もし、日本が先進国並みの住宅支援制度をつくっていれば、ホームレスやネットカフェ難民などはいなくなるはずである。

・日本は他の先進国よりも失業率は低い。にもかかわらず、ホームレスが多かったり、自殺率が高かったりするのは、社会保障が圧倒的に不備だからなのだ。日本の自殺率は、リストラが加速した90年代以降に激増しており、明らかに経済要因が大きいのである。

<税金の特別検査チームを!>
・税金の無駄遣いをなくし、必要な支出をきちんと見極める。
 そのためには、予算をチェックするための強力な第三者機関のようなものをつくるべきだろう。
 今の日本の税金の使い道というのは、複雑に絡み合ってわけがわからなくなっている。これだけ税金の無駄遣いが多発しているのは、税金の使途の全貌を把握している人がほとんどいないからである。

<平成の“土光臨調”をつくれ>
・今の行政制度、官僚制度ができて60年以上である。いや、戦前から続いている制度も多いので、100年以上になるかもしれない。
 同じ制度を100年も使っていれば、絶対に矛盾や不合理が生じるはずである。

<先進国として恥ずかしくない社会保障制度を>
・財界も参加した第三者機関により、社会保険料の徴収と分配も合理的に考えることができるはずである。これまで財界は社会保険料を取られるだけの立場だった。そのため、なるべく社会保険料を小さくすることを政府に要求し続けてきた。

・これまで述べてきたように、日本の社会保障制度というのは、先進国とは言えないほどお粗末なものである。
 しかし世界全体から見れば、日本はこれまで十分に稼いできており、社会保障を充実させ、国民全員が不自由なく暮らすくらいの原資は十二分に持っているのである。
 今の日本の問題は、稼いだお金が効果的に使われていないこと、お金が必要なところに行き渡っていないことなのである。

<「高度成長をもう一度」というバカげた幻想>
・バブル崩壊以降、国が企業や富裕層ばかり優遇してきた背景には、「高度成長をもう一度」という幻想があると思われる。

・そういう絶対に不可能なことを夢見て、やたらに大企業や富裕層を優遇し続けてきたのが、バブル崩壊後の日本なのである。

<今の日本に必要なのは「成長」ではなく「循環」>
・極端な話、景気対策などは必要ないのである。
 必要なのは、大企業や富裕層がため込んでいる金を引き出して、金が足りない人のところに分配することだけなのである。
・大企業や富裕層がため込んでいる余剰資金のうち、1%程度を差し出してください、と言っているだけなのである。
たったそれだけのことで、日本全体が救われるのである。

<国際競争力のために本当にすべきこと>
・バブル崩壊後の日本は、「国際競争力」という“錦の御旗”のもとで、企業の業績を最優先事項と捉え、サラリーマンの給料を下げ続け、非正規雇用を激増させてきた。

<無税国債は一つのアイデアに過ぎない>
・何度も言うが、バブル崩壊後、富裕層や大企業は資産を大幅に増やしている。その一方で、サラリーマンの平均収入は10ポイント以上も下がっている。
 国民に広く負担を求める消費税が、いかに不合理なものか。

・もう一度言うが大事なことは、一部に偏在しているお金を社会に循環させることなのである。

<日本の企業はお金をため込み過ぎている>
・この10年くらいの間に大企業はしこたま貯蓄を増やしてきた。「内部留保金」は、現在300兆円に迫っている。

<設備投資には回らない日本企業の内部留保金>
・「バブル崩壊以降の失われた20年」などという言われ方をするが、実は、日本企業はその間しっかり儲けていたのだ。
しかも、それに対して、サラリーマンの給料はこの十数年ずっと下がりっぱなし(一時期若干上がったときもあったが微々たるもの)である。リストラなどで正規雇用は減らし、非正規雇用を漸増させた。

<「日本の法人税は世界的に高い」という大嘘>
・しかし、実は「日本の法人税が世界的に高い」というのは大きな誤解なのである。日本の法人税は、確かに名目上は非常に高い。しかし、法人税にもさまざまな抜け穴があり、実際の税負担は、まったく大したことがないのである。法人税の抜け穴の最たるものは、「研究開発費減税」である。

<バブル崩壊以降、富裕層には大減税が行われてきた!>
・そもそもなぜ億万長者がこれほど増えたのか?
 その理由は、いくつか考えられるがその最たるものは、次の2点である。「相続税の減税」「高額所得者の減税」
 信じがたいかもしれないが、高額所得者は、ピーク時と比べれば40%も減税されてきたのである。

<実は、日本の金持ちは先進国でもっとも税負担率が低い>
<金持ちの税金は抜け穴だらけ>
・前項で紹介した大手オーナー社長のような「配当所得者」に限らず、日本の金持ちの税金は抜け穴だらけなのである。だから、名目上の税率は高いが、実際はアメリカの2分の1しか税金を払っていない、ということになるのだ。

<相続税も大幅に減税された>
・バブル崩壊以降、減税されてきたのは所得税だけではない。相続税もこの20年間に大幅に減税されている。



『「借金1000兆円」に騙されるな!』
暴落しない国債、不要な増税
高橋洋一   小学館   2012/4/2



<日銀法を改正すべき>
・中央銀行の独立性は、手段の独立性と、目標の独立性に分けられているが、1998年の日銀法改正で、日銀にはそのどちらもが与えられるという非常に強い権限をもってしまった。人事の面で言えば、一度選ばれた総裁、副総裁、理事は、任期を全うするまで政治の側から罷免することさえできなくなっている。

・それまで日銀は大蔵省の尻に敷かれていたのだが、大蔵省としては、自分たちはそれほど唯我独尊ではないというポーズを、日銀法改正という形で日銀の独立性をアピールして示したかったのだ。これは日銀にとっては悲願達成だった。
 しかし、本来は政治が、民主主義によって国民から権限を与えられた政府が、インフレ目標を何%にするかを明確に決めるべきだ。日銀が決めるのはおかしい。
 そのうえで、その目標に至るまでの方法は、金融政策のプロである日銀に任せる。つまり手段は独立させるというのが、あくまで世界的な標準だ。

<日銀が目標の独立性を手離したくない理由>
・ところが日銀は、そういう形で政策を表に出すのを嫌がる。なぜかというと、どんな金融政策を取るかは、日銀の独立性という名の「権益」と化しているからだ。

<どこまで金融緩和すればいいのか?>
・経済政策にとっては将来の「インフレ予想」が必要だ。それまで政府・日銀には、直接的にインフレ予想を観測する手段がなかった。
 具体的には、物価連動債と普通の国債(非物価連動債)の利回り格差から、市場の平均的なインフレ予想を計算する。これを「ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)」と呼ぶ。
 これは世界中の中央銀行が導入し、使っている。BEIが高すぎると、引き締めなければいけない。低くなりすぎると、もっとお金を伸ばさなければいけない。

・ところが最近、BEIを算出されることを嫌ったのか、財務省は物価連動債を新たに発行しなくなってしまった。厄介な指標を計算されないように、元から断ってしまえ、ということなのだろうか。どこの国でも当たり前に計算している指標を、葬りにかかってきているのだ。

<正しい金融政策で経済が拡大すれば格差は「縮小」する>
・実際は格差が広がっていても、それぞれに分配があれば、全体としての社会不安は小さくなる。体感的にも、働く意志と能力があるのなら、何がしかの収入を自力で得られるのがいい社会だと素朴に思う。最下層の人の所得を上げるには、たとえ格差が広がっても、最高層を上げるべきだ。最下層を上げるためには全体のパイを増やすのが簡単だからだ。
 それでも働けない人には、生活保護やそれを進化させたベーシックインカムで助ければいい、それにしても、全体のパイを大きくしてからのほうが、より額も厚くできる。

<国債は便利なツールとして使えばいい>
・本書は国債をスコープとして、世界経済、そして日本の経済政策を見てきたが、現在の日本においては、国債はあくまでデフレを脱するためにマネーを増やし、将来増えすぎたときは減らすための重要なツールだということになる。

・要するに、現時点において国債が果たすべき役割は、日銀からお金を引き出すための道具として活用されればいい、ということになる。
 もし国債を買い過ぎれば、マネーが出すぎて必要以上のインフレになってしまう。その時は、高橋是清を思い出し、市中に国債を売ればいい。するとお金は日銀に還流して少なくなり、調整できる。国債は調節弁に使う。
 別に国債でなくてもいいのだが、国債がもっとも流通量が多いので、使い勝手がいいというだけだ。
 国債が、金融市場の中でコメのような役割を果たしていることはすでに述べた通りだが、それは国債の重要さ、流通量、流動性などが他の金融商品と比べて抜けているからだ。国債は金融市場の潤滑油のようなところがある。

・それでも、増税しないと財政破綻する、これ以上国債を刷ると暴落する、さらに格下げされるかもしれないという言葉を聞いてどうしても不安になってしまうのなら、CDS保証料に注目していればいい。マーケットで世界中のプロの投資家が、日本国債には何も問題はないと判断していれば、穏当な価格が付いているはずだ。
 それでも財政再建が気になる人は、債務残高対GDPが大きくならないなら心配ないはずだ。その条件は、だいたいプライマリー・バランス(基礎的財政収支)が赤字にならなければいい。

<あと900兆円国債を発行しても破綻しない>
・第1章の終わりで、歴史上イギリスがネットの債務残高が二度もGDPの250%前後になったのに、いずれも破綻しなかったことを述べた。
 日本のネットの債務残高のGDP比は70%だから、往年のイギリスと同じ段階まで債務残高をふくらませるとしたら、あと900兆円も国債を発行しなければならないということになる。
 実際にそんなことをする必要はないのだが、もし900兆円国債を発行して、一気に財政出動したらどんな世の中になるか、ちょっと想像してみよう。

・さすがに1年では賄いきれないだろうから、9年に分け、年間100兆円ずつ使っていくことにしよう。民間金融機関の消化能力を考えて、全額日銀引き受けにしよう。そうすると、毎年、政府は日銀が刷った100兆円を手に入れられる。日本中のおカネが1年間で100兆円増える。
 政府も投資先が思いつかないので、とりあえず国民全員に配ることにしたとすると、国民1人当たり70万円が分配されることになる。4人家族なら、300万円近い札束が、宅配便か何かで届くのかもしれない。
 これには長年デフレに慣れてきた人たちも、さすがに驚くのではないだろうか。隣の家にも、向かいの家にも何百万円も配られているのだ。

・インフレになるということは、為替相場は円高から超のつく円安に変わる。
 とても簡単な計算をすれば、いま米ドルはおよそ2兆ドル、日本円は140兆円存在している。ここから割り出される為替レートは1ドル=70円ということになるのだが、日本円が240兆円になれば、一気に1ドル=120円になることになる。これは小泉政権時のレベルだ。
 これはすごいことになる。米ドルを使う人から見れば、日本製の自動車や家電、精密機器が、半額で買えるわけだ。プリウスが100万円、テレビが2万円で買える感覚だ。おそらくどんなに生産しても間に合わない。

・もうひとつ、ここでぜひ考えてほしいのは、お金の量を増やせば経済は回り始めるという法則だ。いきなり100兆円増やせば不必要なインフレを招いてしまうが、では20兆円なら、30兆円なら、あるいは40兆円ではどうなるだろうか。もっとマイルドで、所得の上昇を喜びつつ、貯金することではなく働いてお金を使い、また働くことに喜びと利益を見いだせる世の中になってはいないだろうか。

<だんだん変わってきた。未来はある>
・日銀は、間違い続けている。本当は、日銀の多くの人も、間違えていることに気づいているのではないかと思う。

<財務官僚・日銀職員は国民のために働くエリートではない>
・バーナンキ議長はかつて、「日銀はケチャップを買えばいい」と言い、何でもいいから買いを入れてマネーを供給すればいいではないかと主張していたが、日銀は、分かっている人から見ればそのくらいもどかしい中央銀行なのだ。
 官僚も博士号所持者は少ない。でも平気でそれなりのイスに座り、うさんくさい経済学もどきをばらまいてミスリードしている。こんなことも、他の先進国の政府職員や、国際機関の職員にはあまりないことだ。

<もう日銀は言い逃れできない>
・インフレ目標導入を防戦する日銀の言い訳は、いつも決まって「アメリカが導入していないから」だった。
 バーナンキ教授は、2002年にFRB理事に指名された。
 実は以前、私はバーナンキ教授本人からインフレ目標の話を聞いていた。必ず将来インフレ目標を導入するはずだと予測した。
 しかし、多くの人からバッシングされた。そんなことをするわけがないだろうと叩かれた。ところが、2012年2月、現実のものになった。
 困ったのは、日銀の人たちだ。

・もう言い逃れはできない。何が日本経済のためになるのかを、真剣に考えてほしい。そうしなければ、この国から成長力が削がれる。その先に待っているのは、本物の「破綻」だ。

コロナ以降の不景気がどのくらいの長さになるのか、正確なことはまだ誰にもわかりません。ただ、歴史に学ぶならば、少なくとも今後3年間の経済停滞を覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。(4)



『なぜ日本だけがこの理不尽な世界で勝者になれるのか』
高橋洋一   KADOKAWA  2017/4/28



<いまや世界経済のリスクとなった中国>
<自国の統計を信じない中国の政治家たち>
・経済学者の目から見ると、中国は不思議な国だ。経済学の基本でいえば、輸出は外需、輸入は内需の動きを示す。貿易統計の数字を見ると、近年の中国は輸出・輸入ともに減少しているのに、GDPは伸びている。この現象を論理的に説明できる術を筆者は持ち合わせていない。誰かに説明してもらいたいほどだ。
 もっとも、中国政府が発表しているデータを鵜呑みにすれば、いまも中国が経済成長を続けているというストーリーを簡単につくり出すことができる。

・中国のGDP統計に対して疑惑の目を向けているのは、筆者だけではない。以前から多くのエコノミストやジャーナリストが疑惑を指摘しているが、恐ろしいことに中国の政治家たちすら、国の統計を信頼していない。

・中国の国家統計局が公表する経済成長率は2012年から“小刻み”に低下しているが、これも経済の成長が止まったことをわかったうえで、対外的に「急激な失速」という印象を与えないように改竄されたデータである、と見たほうがよい。
 外需が芳しくない要因には、競争力の低下や需要の落ち込みが考えられる。これらは短期的には改善されにくいものだ。また、内需についても、共産党指導部が問題視している国内の過剰生産が「供給側の構造改革」によって解消されないかぎり、好転は難しい。貿易統計しか信頼できる判断材料がないとはいえ、中国経済が当分のあいだ、低迷する確率は高いと予測できる。

<人民元は国際通貨になれるのか>
・経済が低迷するなかで、今後の動向を探るカギとなるのは、習近平体制がどこまでもちこたえられるか、ということだ。中国経済をめぐっては、アメリカの経済学者であるケネス・ロゴフがハードランディング論を唱えている。はたして習政権は自国の経済をどこに、どう着地させようとしているのか。
 先進国では、政治的な自由と経済的な自由はセットで動いている。一方、中国の政治体制は一党独裁であるため、政治的な自由の確保は絶望的だ。そのため中国では、経済的な自由を達成できない――というのが、筆者の考える基本的なロジックである。

<中国は先進国になる前に「中進国の罠」に突き当たる>
・中進国には2種類の相手との競争がある。1つは、背後から追い上げてくる途上国。賃金の安さで中進国よりも比較優位にある途上国は、輸出品ではコスト競争力を発揮する。もう1つは先進国だ。技術力や開発力では、中進国は先進国の後塵を拝するケースが多い。コスト競争力で途上国に敗れ、技術力では先進国に敵わなければ、中進国の経済成長は止まってしまう。これが「中進国の壁」といわれる現象である。

・それに対して中国は、工業化を国有企業が牽引し、いくつかの優良企業も現れつつはあるが、資本・投資の自由化はほぼ不可能である。

・このままでは、中国は中進国の壁を越えられなかったマレーシア、タイ、アルゼンチン、メキシコといった成長停滞国の二の舞になる確率が高い。

・国際通貨になるためには、発行国が経済大国であり、発達した健全な為替・金融資本市場を有し、対外取引の自由が保証されているといった要件を満たしていなければならない。これらは経済的な自由の典型だが、中国の場合、巨大な国内市場はあるものの、常習的な為替管理国であり、自由な対外取引にも難点がある。
 中国が経済的な自由を認めるのは、容易なことではない。なぜなら為替の自由化は資本取引の自由化と表裏一体であり、資本取引の自由化は国有企業の全面的な民営化につながるからだ。国有企業が民営化によって経済的な自由を獲得すれば、やがては政党選択という自由を国民は求めるようになる。すなわちそれは、現行の一党独裁体制が崩壊の危機にさらされることを意味する。

<中国は「理」がなくとも「利」で動く>
・中国としては、統計をどれだけ改竄しても実体経済の悪化は覆い隠せないという現実がある。実際に、中国からの資本流出には歯止めがかからなくなっている。その一部は、外貨準備高の減少というかたちでも現れている。

・いずれにせよ、中国国内の人件費は高騰し、もはや絶対的なコスト競争力が確保できない状況になっている。しかも、無格付けの社債が平気で発行される国である。破産法制が整っていないから企業の倒産はなかなか顕在化しないが、広州、香港、マカオでは数千社の倒産が起こっている。
 もはやビジネスの最適立地とはいえない、という理由から、中国以外の新興国に生産拠点を求める日本企業も少なくない。

・この状況を放置しておけば、人民元は国際通貨になるどころか、大暴落を引き起こす可能性すら出てくる。人民元の暴落は習政権にとって致命傷になるだろう。

・大風呂敷を畳むことができなければ、中国は「GDPが順調に伸びている」という架空のシナリオを描きつづけるしかなくなる。

<「戦争の巣」東アジアでどう生き残るか>
<集団的自衛権行使で戦争リスクは下がる>
<民主主義国家同士のあいだでは戦争はほとんど起こらない>
・戦争は二国(多国)間で起こる。そして、仕掛ける国の都合で始まる。だからこそ、成熟した民主主義国家同士の「同盟関係」が重要になる。どんなに野蛮な国でも、複数国を相手に戦争を仕掛けることの無謀さを理解しているからだ。

・筆者は数字を示そう。集団的自衛権の行使によって日本の戦争リスクは最大40%下がる。また自主防衛(個別的自衛権の行使)と比較すれば、コストは75%程度少なくて済む。

・日米同盟のコストは1年で約1.7兆円、そこに防衛関係費を加えても約6.7兆円だが、現在と同等の防衛力を自前で賄おうとすれば、24~25.5兆円かかると試算されている。さらに筆者の指摘を加えるなら、自主防衛の道を選択すれば、いずれは抑止力としての核兵器保有まで視野に入れなければならなくなる。

・お花畑の真ん中で安全保障の論議をしていたら、いつ非合理な事態に巻き込まれてもおかしくはない。すでに日本の排他的経済水域(EEZ)には北朝鮮から頻繁にミサイルが撃ち込まれているという「事実」を、日本人はきちんと認識すべきだ。

<日本のPKO議論はガラパゴス状態>
・ついでにいえば、駆けつけ警護も安保関連法も憲法違反だと主張する野党は、25年前の世界にとどまったままである。1周遅れどころか、3周遅れだ。

<「日本の借金1000兆円」の大嘘>
<政府資産の存在がバレて困るのは誰か>
・バーナンキ氏の理論では、大恐慌は各国の金融政策という一点からシンプルに説明される。金本位制に執着した国は十分な金融緩和ができずデフレから抜け出せなかったが、金本位制を放棄した国では自由に金融緩和ができたので、デフレからすぐに脱出できた。それが「魔物」の正体だ。この慧眼に、筆者もなるほど、と膝を打った。そして、当時の日本とドイツの経済政策に思いが及んだ。

・世界恐慌の渦中にあった1932年、ドイツでは失業率が30%を越え、失業者は600万人を数えた。これを3年間で160万人にまで減らし、世界恐慌前の経済状態に戻したのがアドルフ・ヒトラーの経済政策だった。アウトバーン(高速道路)の建設など、積極財政による雇用政策が功を奏したのである。

・一方、日本は世界恐慌とほぼ同時期に行われた金解禁によって通貨高となり、輸出が落ち込んで昭和恐慌を招いた。立憲民政党の浜口雄幸首相が、金本位制復帰に伴って緊縮財政を採用したことで、日本は猛烈なデフレに見舞われた。1931年の経済状況を29年と比較すると、国民所得は2割減、物価は3割減となっている。32年の失業率は統計上では8%程度となっているが、この数字は信頼性に乏しい。かなりの失業者がいたことは、各種の経済データから複合的に推測できる。その昭和恐慌から日本経済を回復させたのが、「高橋財政」と呼ばれた高橋是清の経済政策だった。

・ドイツのヒトラーも、日本の高橋是清も、積極財政と金融緩和をいち早く行ない、早期のデフレ脱却を成し遂げた。だが、経済が回復してからの両者の人生は対照的だ。ヒトラーは独裁体制を構築して戦争へと突き進んだ。高橋是清は軍事費の緊縮へと動いたことで暗殺され(2・26事件)、軍部の台頭と暴走によって日本も戦争へと向かった。

・たとえば、国の借金が約1000兆円もある—―と心配している人は、いまだに少なくない。左派マスコミや財務省の御用学者だけでなく、どこのヒミつきでもないエコノミストのなかにも、この大嘘を疑わない人がいるのだから、彼らの言論に国民が騙されるのも仕方ないかもしれない。筆者にいわせれば「いまさら」だが、日本の財政はそれほど脆弱ではない。いわんや「このままでは財政破綻する」という主張には、失笑さえ覚える。

<財政再建はすでに達成されている>
・そこで、あらためて計算すると、約500兆円の借金から400兆円が除外されるのだから、国の本当の借金は100兆円そこそこ、多く見積もっても150兆円程度でしかない、という実態にたどり着く、GDP比でいえば、せいぜい20%程度。日本の稼ぎは、借金の5倍もある。これで「財政破綻寸前」なら、アメリカやイギリスはとうの昔に破綻しているだろう。同じ計算方法で各国の純債務をGDP比で見れば、アメリカは65%、イギリスは60%である。先進国のなかで比較をすれば、日本の財政はむしろ「優良」といってもよいくらいだ。
 断言しよう。日本の財政再建は実質的に、すでに達成されているのである。

<「政府の借金は国民の資産」論の危うさ>
・政府がもっている、莫大な収益をあげるための強力な権利が徴税権だ。国民や企業から強制的に税金を徴収できる権利は、実質的な資産といえる。しかも、少なく見積もって毎年30兆円以上の税金を徴収できるのだから、割引率5%として資産価値は600兆円にもなる。それを加味すれば、日本の財政は資産超過といってもおかしくない。

<マイナス金利で得をするのは国民だ>
<「濡れ手に粟」だった日本の金融機関>
・「マイナス金利」という言葉を初めて耳にしたとき、その意味と効果をすぐに理解できた人は少なかったのではないか。というより、いまだに正しい理解が得られていない人が多くいるように感じる。
「マイナス」と聞けば、条件反射的にネガティブなイメージを抱きやすいものだ。日銀がマイナス金利を導入したのは2016年1月29日。直接に株価や為替が乱高下したこともって、エコノミストの論評のなかにも、マイナス金利を否定的に扱うものが数多く見られた。
 こちらも結論から述べよう。マイナス金利は日本の経済を活発にすると同時に、国民が得をする金融政策である。

<「オークンの法則」>
・オークンの法則は、GDPと失業率には密接な関係があり、経済成長しなければ失業者が増えるという理論である。成長しなければ人々の満足度も豊かさも高めることはできないという因果モデルは、経済学では動かしがたいテーゼだ。

・オークンの法則は、日本を含めた先進国で広く実証されているからこそ、「経済法則」の名に値するのである。

<経済成長をボウリングに譬えると………>
・オークンの法則は経済成長と失業の関係を如実に示すものだが、さらに踏み込んで開設すれば、失業率が下がることは自殺率や犯罪率の低下、また労働力人口に占める生活保護率などの低下にもつながる。

<年金制度の持続可能性は高まった>
<評価に値するマクロ経済スライドの発動>
<消費税の社会保障目的税化は悪手だ>
・少子高齢社会において、年金の財源確保は大きな問題だ。しかし、そのために消費税率を上げなければならないというロジックに合理性はない。

<歳入庁創設が年金問題解決の最適解>
・この問題は、じつは簡単に解決できる。「歳入庁」を創設して税金と社会保険料の徴収を一元化すればよいだけだ。現状の非合理なシステムを一つの機関に統合すれば、徴収効率は高まるし、行政のスリム化にもなる。納める側も手続きが1ヵ所で済む。デメリットは何もない。
 海外では、むしろそれが当たり前のシステムだ。

・国税庁の税務調査権は、財務官僚の裏の権力だと筆者は思っている。「税務調査が入る」といえば、誰でもビビる。この権力を振りかざせば、政界、財界、学界など、あらゆる業界の人たちを黙らせられる。この既得権を手放したくないから、財務官僚は国税庁が切り離されて歳入庁に編入されることに全力で抵抗するのだ。
 歳入庁創設は年金問題の最適解である。その解を導く計算式をどう編み出していくかが、政府の進める「社会保障と税の一体改革」のカギになる。

<GPIFは見直しではなく廃止せよ>
・GPIFについては、組織の「見直し」よりも「廃止」が正しいと筆者は主張してきた。
 公的年金の現行制度はほぼ割賦方式で、一割程度が積立方式になる。割賦方式は「入(保険料+税)」と「出(年金給付)」が等しくなるように調整する。「入」は賃金に連動し、「出」は物価に連動する。このバランスがうまくとれていれば、年金制度が破綻することはない。マクロ経済スライドは、そのバランサーだと理解すればよい。
 ということは、年金財政にとって積立方式は1割程度しか寄与していないことになる。年金積立金は100兆円以上ある。そんなにもっている必要がほんとうにあるのか。年金運営の流動性を確保するなら、10兆円程度で十分だ。
 GPIFは積立金を運用する独立行政法人である。2015年度には株価下落で5兆円を越える損失を出したことが大きく報じられたが、累積利益は40兆円ある。しかし、年金制度の本質論としては、一般国民の公的年金である積立金をリスクのある市場で運用することの是非を問うべきだ。
 結論からいえば、国が行なう事業として市場運用ほど不適切なものはない。100兆円の積立金を運用して利益が出ても、1割の寄与では年金給付額が大きく増えるわけではない。年金財政に運用は不要である。
 この筆者の主張に顔色を変えて反対するのは、GPIFから運用委託を受けている民間の金融機関だろう。100兆円の資産を運用する信託報酬を0.01%としても、金融機関には100億円もの手数料が転がり込む。実際、金融機関の厚労省詣では霞が関でも有名だ。金融機関の関連団体が厚労省の退官者の再就職先になるケースもある。ここにも利権と天下りの癒着構造が存在している。

・年金財政の観点からいえば、インフレヘッジのためには市場運用を行なうのではなく、積立金の金額を非市場性の物価連動国債にすればよい。これなら不確実性も、リスクもない。さらに、有能なファンドマネジャーによる裁量も必要ない。業務は「今月はいくら分買います」と財務省に電話をするだけだから、運用担当者が1人いれば事足りる。したがって、GPIFという大きな組織もいらなくなる。これが「廃止論」の根拠である。

<しっかり保険として制度運営を行なえば、日本の年金制度が破綻することはない>
・厚労委で意見陳述したとき、筆者は官僚時代に考案した「社会保障個人勘定」を引き合いに出し、社会保障費の個人ベースの持分権を、個人勘定内で融通し合う制度の検討を提案した。これは「お好みメニュー方式」や「カフェテリア方式」とも呼ばれる。たとえば健康に自信がある人なら、健康保険の持ち分を年金の持ち分に移行するといったことを可能にする仕組みで、自分の社会保障を自分の考えで再構成するアイデアだ。
 これに関連して、「年金定期便」を制度化した経緯も述べた。読者のところにも届いているだろう。政府が行なうべき責務を、国民の1人ひとりがしっかり把握していれば、年金を補完する手立ても自分で決めることができる。そういう社会保障のあり方を想定して、年金の将来も個人ベースで伝える年金定期便は企画された。官僚時代の筆者は、この制度発足にも関わっていた。

<シェアリング・エコノミー(共有型経済)>
・世界中に向かって、日本はおおいに“カッコつければ”よいと筆者は思う。それが経済成長につながり、オリンピックやパラオリンピックでは選手が獲得する金メダルの量産にもつながる。成長を否定せず、成長をめざしつづけているから、日本は「理不尽な」世界でも、勝者になれるのだ。



『これが世界と日本経済の真実だ』
日本の「左巻き報道」に惑わされるな!
経済ニュースは嘘八百! 目からウロコの高橋節炸裂!
高橋洋一   悟空出版   2016/9/28



<中国はもう経済成長なんてしていない>
<中国が行き詰まっている理由>
・中国の経済成長は限界を迎えている。2016年の年初、株式が暴落し上海株式市場が取引中止に追い込まれたのは象徴的な出来事だった。「世界最大の市場」を持ち、「世界の工場」を謳っていた中国だが、近年の失速は顕著だ。

・貿易の数字も良くない。「世界の工場」の中心地帯である珠江デルタ地域での2016年の輸出の伸びは、わずか1%の成長と見込まれている。
 まさに苦境にある中国経済だが、「中国の夢」を唱える習近平国家主席は、理想こそ高いが、有効な経済政策を打ち出せてはいない。筆者の考えでは、中国はもはや経済成長しない。そう考える理由は、「1人当たりGDP1万ドル」の壁にぶち当たっているからだ。
 この「壁」は「中所得の罠」と呼ばれる現象だ。

・開発経済学の研究から見ると、十分な工業化が達成される前に消費経済化のステージに入ると経済は停滞するというパターンがある。
つまり、今の状況では中国は発展できないと言える。その「壁」を超えるには、社会経済の構造改革が必要である。先進国の条件とも言える「資本・投資の自由化」だ。これまでの歴史を振り返っても、先進国の中で、資本・投資の自由化なしに経済が発展してきた国はないのだ。

しかし周知のとおり、社会主義体制の中国では経済は自由化されていない。中国では自由な資本移動を否定し、固定為替制と独立した金融政策を進めるという歴史上はじめての試みをしている。だが、自由化つまり国有企業改革をやらない限り、中国は「壁」を突破できないと考えるのが経済学の常識だ。現在の一党独裁体制の中国が、はたして完全な自由化に舵を切れるのだろうか。
それでも、中国のGDPは成長を続けているではないか、と思う人はいるかもしれない。しかし、中国が発表しているGDP(国内総生産)の成長率は、とても信用できるものではない。中国の発表する統計は、偽造されていると考えるべきだ。

<中国のGDPの大噓>
・ただ、その「悪い数値」を信じている経済の専門家は皆無だ。中国の成長率が誇張されていることは誰もが知っている。社会主義の中国では、国家が発表する統計は国有企業の「成績表」という意味がある。そして、その統計を作っているのは、「中国統計局」という国家の一部局である。言ってしまえば、自分で受けたテストの採点を自分でしているようなものなので、信頼性はどこにも担保されていない。
 さらに言うと、統計は短期的にではなく長期にわたって見る必要がある。

・中国のような経済大国の変化率が低いというのは、どういうことだろうか。
 石油価格の高騰など、近年の世界経済は大きく変動している。その世界経済の変動に、各国のGDPも影響を受けなければおかしい。実際、日本やアメリカ、イギリスなどのヨーロッパ各国をはじめ、世界中の資本主義国のGDPの成長率は上昇と降下を繰り返している。それなのに、その各国と貿易をしている中国のGDPの成長率がほとんど変わっていないのはどういう意味か……。それは発表されている数字が人為的なものだということだ。
 実は、中国がここ数年刻み続けているおよそ7%という数値には「根拠」がある。

・日本なら、成長率が7.1であろうと6.9であろうと統計上の誤差の範囲とされるが、中国ではその僅かな差が非常に大きなメッセージとなるのだ。

<本当のGDPは3分の1>
・中国の信用できない統計の中でも、農業生産と工業生産に関してはしっかりとデータを取っているようで、ある程度信頼できるとされてきた。なぜかといえば、計画経済を進めるために、1950年代からしっかり生産量のデータを取る必要があったからだ。しかし、その工業生産のデータも怪しくなってきた。

・つまり、産業別の成長率6%の伸びと工業製品別の生産量の伸びとが著しく乖離していることが分かる。工業製品の生産量が伸び悩んでいるのに、産業全体が成長するなどということはあり得ない。
このように数値を分析してみると、GDP成長率6.9%は相当に下駄を履かせた数値だと理解できるだろう。

・さらに気になるのが中国の失業率だ。GDPの統計と同じく発表する完全失業率のデータは何年も「国家目標」(4.5~4.7%)の範囲に収まっている。2008年のリーマン・ショック後も、2014年の景気後退の際ですらほとんど変動していないのだから、この数字も信用できない。調査対象も限定されており、無意味な統計なのだ。他にも客観的に信用できる公式統計はないが、現在の完全失業率は最低でも10%、およそ15%ではないかと見られる。

・ただし、中国のデタラメな統計の中でも信頼できるものがある。それは貿易統計だ。
 中国もWTO(世界貿易機関)に加盟している。世界各国の中国向け輸出の統計もあるので、これをすべて足し算してみる。すると、その数字は一致するので、中国の輸入統計は正しいと言える。

・その中国の輸入統計は、およそマイナス15%だ!輸入統計がマイナス15%となると、GDPはマイナス2~3%になるのが普通だ。絶対に、GDP成長率がプラス5%や6%にはならないのだ。ここからも、中国の発表するGDPがデタラメということが分かるだろう。

・筆者の予測では、最悪を想定した場合、中国の実際のGDPは公式発表の数値の3分の1程度に過ぎないだろう。詳しくは次項で解説するが、中国の統計システムは、ソビエト社会主義共和国連邦から学んだものだ。
 そのソ連の公式統計では、1928年から1985年までの国民取得の平均成長率は年率8.2%とされていた。しかし、実際は3.3%でしかなかった。その事実は、ジャーナリストのセリューニンと経済学者のハーニンによって、1987年に発表された『滑稽な数字』という論文で指摘されている。
 ちょっと頭の体操であるが、もしこのソ連とまったく同じ手法を、中国統計局が15年間行っていたとすると、中国のGDPは半分ということになってしまうのだ。もっとも筆者はここまでひどくはないと思いたい。あくまでワーストケースを考えるという話だ。

<ソ連のGDPは発表の半分だった>
・中国の統計システムはソ連譲りということについて、ここで少々説明しておこう。「左巻き」(左派)が理想としている社会システムでは、統計改竄しやすいという実例である。簡単に言えば、左巻きは、経済活動で公的部門のウエイトが大きくなるが、公的部門の経済パフォーマンスを良くしたがために、統計改竄に走りやすいのだ。

・その後、1960年代になると毛沢東は顧問団を追い返し、ソ連から伝えられた産業を中国独特のシステムに改革しようとする。大躍進政策や文化大革命を経て、鄧小平の改革開放が行われた。しかしその間も、ソ連の統計システムだけは生き残っていた。

・そもそも、その統計システムはソ連で50年以上も使われていたものだったが、およそデタラメなものだった。ソ連でも正確な統計データを出そうとした職員がいたが、「人民の敵」として統計機関から追放されたり、弾圧を受けた。国の立てた経済計画は、どんなことがあっても達成したことにしなければいけない。
 つまり、国家の意思に基づいたご都合主義の統計でしかなかったのだ。そんなものを基に国家運営をしていれば、国家が崩壊するのは当たり前だった。だが、そんなソ連のデタラメな統計に、世界中の人々、経済学者までもが騙され続けていた。

・かつて政府税制調査会長を務めた故・加藤寛慶應義塾大学名誉教授のお話が思い出される。先生は元々ソ連経済の専門家だった。ソ連の発表する経済統計はいい加減だから、それを正しく推計しようとすること自体が骨折りなのだと言い、「社会主義経済のひどさを学び、日本はそうならないよう民間が主導する経済でなければならない」と語っておられた。

・はたしてその指摘は正しかった。ソ連の統計のデタラメさ加減が明らかになったのは崩壊した時だった。驚くべきことに、ソ連のGDPは発表されていたものの半分しかなかった。1928年から1985年までの国民所得の伸びは、ソ連の公式統計によると90倍となっているが、実際には6.5倍しかなかったのだ。
 中国は、そんな統計システムを引き継いでいるのだ。
 中国の統計がデタラメであると自ら宣言してしまった政治家がいる。現在の中国首相李国強その人である。

・「中国の経済統計、指標は、まったく信用できない。遼寧省のGDP成長率も信用できない。私が信用してチェックしているのは、わずか3つの統計数値だけ。その3つとは電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資額。この3つの統計を見て、遼寧省の経済成長の本当のスピードを測ることが可能になる。他の中国の経済統計、とりわけGDPなどは、ただの『参考用数値』に過ぎない」

<中国のハニートラップ>
・左巻きの人々が中国に都合のいい言動をしてしまう理由のひとつが「ハニートラップ」だ。実は筆者も「罠」を仕掛けられたことがある。
 1990年代のはじめ頃、筆者がかつて大蔵省の官僚だった時の話だ。中国の経済シンクタンクに招かれて訪中した。宿泊先は中国の国賓館である釣魚台だった。夜、外出先で宴席が設けられたのだが、とんでもない美女が接待役としてついてきた。2次会まで一緒にいれば危険だと思った私は、用事があるとか適当な理由をつけてその場から逃げ出した。
 このようなハニートラップに引っかかった役人や学者、そして政治家は数多いという。「親密な関係」を盗撮され、帰りの空港で写真やビデオを見せられれば、たいていの人間は中国の操り人形になってしまうというわけだ。

・そして、あの手この手で中国に籠絡された日本の官僚、学者や政治家が、中国の都合のいい見解を垂れ流す。中国とはそういう国なのである。もちろん、そんなハニートラップなどなくても、中国政府の「公式見解」を拡大、補強しようという困った左巻きの評論家や官僚も多いのだが……。
 それはさておき、これまで述べてきたとおり、中国経済は発展しないし、発表するGDPも大嘘だ。「中国崩壊」が政治体制の崩壊を意味するのか、経済の破綻を意味するのか論者はそれぞれだが、少なくとも中国経済は失速し、中国発の大不況が襲ってくる恐れは高まっている。左巻きの人たちは、拡大する中国と手を取り合わなければいけないと主張しているが、現実を直視すべき時が来ているのだ。

・筆者は近年、以上のような中国経済の真相を事あるごとに講演などで話してきた。『中国GDPの大嘘』(講談社)という本も上梓している。おかげさまで多くの人に納得してもらっており、論考に批判の声が来ることはほとんどない。


コロナ以降の不景気がどのくらいの長さになるのか、正確なことはまだ誰にもわかりません。ただ、歴史に学ぶならば、少なくとも今後3年間の経済停滞を覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。(3)


<韓国経済は中国より先に破綻する>
<主力の半導体輸出の急落、自動車、造船も駄目>
・韓国経済は、ほぼ沈没である。
 景気悪化が確実視されるや、文在寅大統領は財閥との対決姿勢を唐突に和らげ、雇用増大に繋げようと必死の懐柔作戦に切り替えた。
 なんと財閥解体を叫んでいた文政権が、政治環境が変わるや、180度向きを変えて、財閥トップを青瓦台に呼び出し、景気減速懸念、協調路線に転換するという「離れ業」を演じた。

・韓国の宿痾とされる失業がさらに拡大すれば文在寅政権の支持率は急減、支持基盤の極左革新系は失望を表明するが、背に腹は替えられないというところだ。
 まして大統領最側近だった金慶洙慶尚南道知事が世論操作による業務妨害の罪で有罪判決を受けた。大統領の長女一家がマレーシアに移住(事実上の亡命)していた事実も露見し、メディアが報じたため、さらに人気急落となった。

・韓国銀行は2019年のGDP成長率を2.6%と予測したが、「甘い、甘い」という声が巷に満ちている。
 なにしろ韓国の輸出の4分の1を占めた半導体が「失速」したのだ。サムスン電子が売り上げの39%激減、SKハイニックスが32%減! 半導体に代替しうる成長株は見あたらない。また輸出先シェアで30%だった中国経済に暗雲がたれ込み、回復の可能性はほとんどなくなっている。ちなみに日本の対中輸出は17%減少した。

・そして2018年度、現代自動車は営業利益47%の減少となって、現代自動車に部品を納入している下請けメーカーは悲鳴を挙げる。トヨタのカンバン方式よろしく、必要なときに必要な部品と必要な部署へ。つまり下請け、孫請けとの連携作業が重要なうえ、親方は下請け孫請けの面倒をみるべきだろうが、日本のような経営風土はない。
 第一次部品メーカーは850社、第二次部品メーカーは300社。そして第三次が5000社となって、上のメーカーからの受注が減れば、突然経営を圧迫し、資金繰りが苦しくなる。実際に大手部品メーカー数社が経営破綻し、会社更生法を申請した。このため部品の供給が間に合わないケースが頻発した。日頃の下請けイジメが激しいため反発も拡がる。

・現代自動車がバカ売れしていた時代には米国、日本、ドイツについで韓国車が世界シェア4位だった。いまは昔日の面影もなく、中国に抜かれ、インドに抜かれ、18年にはメキシコに抜かれて7位に転落した。先行きは真っ黒と言える。

・韓国の造船はどうかというと世界一の座に変わりがないが、これは政府支援策によるところが大きい。

・米国は対中技術輸出に厳格な規制を導入したことは何回も述べた。この運用次第では対中輸出が困難になる。

<レーダー照射事件の本質は「瀬取り」の隠蔽>
・我が自衛隊機へのレーダー照射事件は、日韓関係をさらに悪化させているが、どうやら「瀬取り」の現場を見られたからのようだ。
 韓国政府が2018年1月から11月まで石油精製品388トンを国連に届けをしないまま、北朝鮮側に持ち込んでいたことが分かった。
 裏切りは日常茶飯、さしたる驚きでもないが、ひそかに北朝鮮を支援する韓国の遣り方は世界に不信感を与えた。

<中韓が崩壊寸前なのに「移民法」を可決する日本>
・元警視庁通訳捜査官だった坂東忠信『移民戦争』(青林堂)によれば、明日にも発生しそうな中国と韓国からの大量難民に如何に対応するかを議論している。だが、我が国政府は「移民を増やす」と珍紛漢極まりない危険な方向で入管法を改正した。
 欧州でいま起きていることを対岸の火事として高みの見物、明日は我が身という警戒心は希薄であり、移民法(入管法改正)があっという間に国会で成立したことに保守の政治家はほとんど抵抗を示さなかった。
 安倍政権をどちらかといえば支持してきた多くの保守層が、見限った瞬間である。

・中国経済の大転落、韓国は政情不安、北朝鮮との統一を恐怖する韓国民は「脱北者」ではなく、「脱南者」となって、蝗の大群のように対馬から北九州、山口に押し寄せるだろう。間違いなく中国の断末魔がいずれ100万の難民を発生させるだろうし、しかも多くが偽装難民であろう。しかし日本政府にはいやな未来への対策がない。

<韓国経済よりも深刻な台湾>
・スマホの売り上げ急減で韓国サムスンはふらふらだが、もっと深刻なのが台湾だ。

<台湾に傾斜するトランプ、賭けに出る習近平>
・これほどまでに台湾に肩入れしている米国政権だが、対応する台湾の政治が迷走中である。

・トランプ政権は「中国は一つであるという原則には拘らない」と政権発足直後からアナウンスし、直後には台北の米国事務所(事実上の米大使館)を北京の大使館と同様に宏大な規模として新築し、海兵隊が警備する措置をとった。

<中国発金融危機に備えよ>
<5G戦争で分断される世界>
・米国はファーウェイを「スパイ機関」と認定し、排撃し、同盟国へ同調を促したが、さて地上局とインフラをファーウェイからほかのメーカーに変更とするとなると、関連施設からケーブルなど下部構造システムも変更することになり付帯工事は費用が3~4割程度かさ上げされることになる。それでも「ファイブ・アイズ」(米・英・豪・加・NZ)ならびに日・独・仏などのEU制裁は、米主導の安全保障の見地から排除するのは当然な流れにしても、発展途上国はそうはいかない。

<「次の金融危機は「従来型」ではない」>
・そのロゴフ教授が英紙『ガーディアン』(2019年2月5日)に寄稿し、次の金融市場を警告した。このコラムには「金融危機は間もなくやってくる」とセンセーショナルなタイトルが冠せられた。
 とくにソブリン・デフォルト(国債の破綻)が起こると持論を展開しており、EUのギリシア危機はなんとか回避できたが、次にイタリア、スぺインが控えている。欧米の経済学者はアジアに目を向けることが少ないが、世界経済の過半をにぎるアジアにおいて、ソブリン・デフォルトの危機は中国、パキスタン、スリランカに忍び寄っている。
「2008年の金融危機(リーマンショック)からようやく回復をみた世界経済だが、政治家のいうように『当時より安全なシステムが機能している』という状況は、英国のBREXIT、米国はトランプ政治などの混乱が加わって、確実性は不透明となり、さらには2010年の『ドッド・フランク法』の成立によって金融システムが脅かされても金融機関の救済は禁止されているからだ」とロゴフ教授は訴える。

・「従来型ではなく、ハッカーによる市場攻撃という不確実性と、主要各国の金利政策が突如異変(世界が一斉に高金利)に陥ったときに、金融危機が起こる」とロゴフ教授は警告した。



『中国大破綻』
ついに「失われた20年」に突入する
宮崎正弘     PHP研究所   2015/2/5



<軍事クーデターの可能性が、中国の政変シナリオで一番高い>
・秦、漢、隋、唐、宋、元、明、清、そして中華民国、中華人民共和国と「王朝」は変遷しても本質は変わらず、王朝末期には新興宗教が猖獗を極め、末法思想が流行する。
 金持ちは資金財産を海外へ逃がし、富の偏在に不満を持つ農民は怨念を爆発させて一揆に走り、全土に暴動が拡がって社会騒乱が招来され、これを千載一遇のチャンスととらえる軍閥が奇襲的なクーデターをやらかすか、近衛兵が裏切る。
 
・王朝が瓦解すると、新しい権力者は前王朝一族を皆殺しにする。中華四千年の歴史は、いずれも同じパターンを繰り返してきた。
 共産革命後、毛沢東が生きていた時でさえ、林彪は軍事クーデターを企てた。毛沢東死後の4人組の追放劇は、華国鋒が事実上の軍事クーデターを起こして江青以下を失脚させた。
その後の鄧小平といえども、華国鋒追放に際しては軍の主流派を動かした。まさに同じパターンの繰り返しである。

・であるとすれば、次のシナリオは“民主革命”とか、“アラブの春”のネット革命などの机上の空論は別として、暴動、一揆に手がつけられなくなって社会騒乱が大混乱の極みに達したとき、支配者は海外へ逃げる、というもの。そして北京を守る部隊か、北京に近い瀋陽あたりの部隊が軍事クーデターに打って出るというシナリオが一番、可能性が高い。だから筆者などは、政治権力闘争の表舞台よりも軍の動きに注視している。

<強い日本が、劇的にアジアを変貌させてゆく>
・これからのアジアはもっと劇的に変貌し、同時に中国経済の失速と低迷が始まるだろう。かくして中国は昏睡状態に陥り、「失われる20年」がやってくる。
 こう見てくるとこれからの中国はいったい、どうなるか?
経済的には、この小冊で縷々述べてきたように不動産バブルの崩壊が本格化し、銀行の天文学的な不良債権が露呈する。世界経済を巻き込む大混乱が惹起される可能性が高く、中国経済はその後、「失われる20年」を迎えることになる。
 政治的には習近平の権力基盤が固まるかに見えて、権力闘争はかえって激化し、共産党中枢が「土砂崩れ」を起こす危険性のほうが高い。

・第一に反腐敗キャンペーンの影響で失脚、左遷された旧江沢民人脈から思わぬ反撃に遭遇するリスクがある。

・第二に長老の李鵬ら電力利権を持つ守旧派が習近平に協力的ではない。

・第三に軍は「いつでも戦争の準備をせよ」と号令され、綱紀粛清、宴会禁止となって楽しみが奪われたため習を逆恨みしている。そのうえ江沢民派だった徐才厚と郭伯雄の失脚により、200名近い軍の上層部が失脚、あるいは左遷され、軍の士気は愕然となるほどに弛緩した。一部の跳ね返り組はステルス機を飛ばしたり、南シナ海や尖閣諸島付近で無謀な行動を取る。悪例の典型は、習近平がインドを訪問したその日に、インド国境の紛争地に軍が侵攻し、習近平のメンツを潰したことだ。習近平が軍を抑えていない何よりの証拠だろう。

・第四に「連立」を組む団派(共産主義青年団)との関係がしっくりせず、むしろ団派が軍を迎えつつある。

・他方、社会的には治安の悪化、テロ事件の頻発、農民暴動、企業従業員の山猫ストなどに加えて大気汚染、食品衛生の悪化、あまつさえ共産党幹部らの大金を持っての海外逃亡が頻発し、人民元高による輸出不振はいずれ経済構造を困窮化させる。過剰設備の再編も遅れがちで、こうした複合的要素が重なるためGDPはマイナスに転落するだろう。
 米国の学者も2016年に中国は昏睡状態に陥ると予測しているが、そろそろ習近平政権の基幹が空洞化し、権力構造に異変が起きるリスクが濃厚になっている。
 したがって中国は、これから「失われる20年」(いや、30年?)を迎えざるをえなくなるのである。



『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』
わが青春の現代史
石平 × 矢板明夫   ビジネス社    2018/6/4



<真実を伝えることが中国への恩返し>
・(矢板)「いまの中国は、世界2位の経済大国になった。しかし、一部の特権階級を除き、ほとんどの中国人は幸せになっていない」というのが、新聞記者として十年北京に駐在した実感なのである。
 私の少年時代もいまも、中国で一党独裁体制が続き、それによって虐げられ、不幸のどん底にいる庶民はあまりにも多すぎる。

・「金があったとき、海外に移民すればよかった」と何度もつぶやいた徐氏。別れ際、「何も悪いことをしなくても地獄に突き落とされることがある。この国では金持ちも貧乏人も、夜は安心して眠れない」ともらしたことが印象的だった。

<情報統制で自分の親戚が餓死したことも秘匿された>
・(石平)私が生まれたのは1962年で、実はまだ大多数の人民は飢饉に苦しんでいました。毛沢東の大躍進が失敗に終わった後の数年間、中国では推計3000万~4000万という餓死者が出ました。当時、私の両親は四川省成都でともに大学で教鞭をとっていましたが、都市部に暮らす人たちはほとんど肉類を口にしたことがなく、最低限の食料しか配給されていなかったようです。

<残酷にも文革で別々の農場に下放された父と母>
・(石平)しかも残酷なのは、父と母は別々の農場に下放された。一緒に生活させないわけです。だから私と妹にはすごい年齢差がある。どうしてかというと、父親は下放された8年間、母親に会うことすらできず、指一本触れられなかったわけですから、それどころではなかった(笑)。
 両親ともに下放され、大学から追放されたけれど、それでもまだ幸せなほうでした。大半の知識人は吊し上げられ、半殺しの目に遭わされ、殴り殺された人も少なくなかった。

<配給豚肉のために10時間並ぶのが都会の生活>
・(石平)私の周囲の場合、新しい服をつくってもらえるのは大体年に1回でした。靴は穴が2、3個空くまでは穿きつぶしていたという記憶があります。

・私が物心ついたころは、たしか肉は1週間に1回も食べられなかった記憶があります。1ヵ月に1回か、2ヵ月に1回くらい。しかもそのころの中国はまだ完全な統制経済化にありました。
 私は1974年、12歳のときに田舎から成都に戻ってきたのですが、都市住民は食料については糧票(配布券)を配布されていました。要するに、一人ひとりが1月に食べる米とか、食料の量を政府が決めていた。

<人民公社に収奪され農民なのに食べ物がない>
・(矢板)その点はいまでも変わらないですね。田舎で病気になったら、寝て直すのが常識、要するに獣と一緒です。医療費はべらぼうに高くなっている。
 石平さんが話された糧票は、私の子供のころにも、食べ物を買うときには全部必要でした。

・なぜ食料をつくっている当の農民たちに食料が足りないのだろうか?当時私はずっとそれを不思議に思っていたのですが、全部政府に奪われてしまうから足りないわけで、ひどい理不尽さを感じます。

<大飢饉は凶作でなく“人災”>
・(石平)大飢饉は凶作が原因だったのではありません。人災です。
 農作物の収穫期が来て中央に申告するとき、ある地方の幹部が「自分たちのところはノルマの3倍を達成した」と過剰申告すると、隣接地区の幹部は「いやいや、うちは4倍を達成した」とその上をゆく過剰申告で対抗したのです。バカバカしい話ですが、その結果、虚偽の収穫量は、最終的に普段の年の30倍以上になってしまった。
 もちろん、実際の収穫量は平年並みでしかない。つまり申告の30分の1でしかないので、その皺寄せはすべて農民が被ることになり、農村で餓死者が続出した。だから、本当は凶作で大飢饉になったわけではなかったのです。地方幹部たちが生産量を過剰申告したために起きた人災による大飢饉でした。

<3人兄弟でズボン1つ、5人家族で布団が1組>
・(石平)1軒しかないため祖父の診療所には、患者はずいぶん遠いところからもきていました。みな農民でお金がないから診療代は食料で払った。鶏とかアヒルを携えて診療を受けにきていたのです。だから、われわれ3人家族は豊かで食べ物には困りませんでした。

<毛沢東がつくった恐怖の27年間>
<毛沢東に使い捨てにされた紅衛兵の悲劇>
・文革後、都市部の失業問題は深刻でした。多くの若者に就職口がなかったのですが、もちろん、そのなかには紅衛兵も含まれていた。毛沢東にとって紅衛兵はあくまでも劉少奇を打倒するための道具でしかなかった。そうでしょう。毎日都市部でうろうろして何をやりだすかわからないわけですから。
 かといって、紅衛兵には就職口はない。そこで、共産党は彼ら全員を農村に追い出すことを考え出した。それが、いわゆる「下放」です。

<親も先生も子どもと一緒に大学受験>
・(石平)中国の若者たちは10年にわたり、将来を奪われ続けました。ようやく大学の統一試験が復活したのが1977年。この大学統一試験が面白かった。10代、20代、30代、40代がみんな一斉に試験を受けたのです(笑)。10年間分の受験者が溜まっていたから、父親と息子が一緒に試験を受けるといったケースもありました。

<日本の政治家が超一流?>
・(矢板)中国には2000年前に老子という道教を説いた日本でも有名な思想家がいますが、「政治家には三流の政治家、二流の政治家、一流の政治家がある」と書いているのです。三流の政治家は恐怖政治を行っている。すぐに粛清に走るので、国民はいつも戦々恐々としながら、国が収まっていると。
 二流の政治家とは、国民に感謝される政治家。この人のおかげで自分たちはやってこられたと感謝される政治家です。でも、それも所詮は二流なのだと老子は説いています。
 そして、一流の政治家とは、国民に馬鹿にされる政治家であるというわけです。まさに老子的な発想です。要するに「あいつはただの飾りで税金泥棒だ。自分たちが頑張っているから、いまの自分たちの幸せがあるのだ」とすべての人民にそう思わせるような政治家こそが一流だというわけです。

<「反革命分子」として処刑されたゴミ拾いの老婆>
・(石平)一人のゴミ拾いのお婆さんがどうして「反革命分子」なのかというと、実は彼女はある日、毛主席の顔写真を印刷した新聞紙を使って、ゴミ捨て場から拾った大根を包んだのですが、そんな些細なことで「反毛主席」の大罪に問われたのでした。
 そして数日後、このお婆さんはトラックに乗せられて、町中を一巡して市民たちの見せしめになったあとに、処刑場に引きずり出され、銃殺されました。

<人間の心の「悪魔」を利用した毛沢東>
(石平)矢板さんが先にふれたノーベル平和賞の劉暁波が自伝のようなものを書いています。彼が子供のとき、悪い分子にされた実父を仲間の少年たちと一緒にいじめたのだと。
 彼曰く、結局自分たちの心のなかにもそういう「悪魔」が棲みついている。毛沢東はそうした人間の心の悪魔を利用して、さらにそれを助長して、初めて文化大革命を仕組んだ。

<祝日直前に必ず行われた公開処刑が民衆のストレス発散>
(矢板)私も小学生の時、「公判大会」と称する公開処刑によく動員されました。人民裁判が行われる体育館に、学校の芸術鑑賞みたいな感じで集められて、反革命分子が死刑判決を宣告されるまでの一部始終を眺めていました。
 中国では死刑を言い渡された人間は、その日のうちに執行、公開で銃殺されるのです。まず市内をトラックで一周します。受刑者の横に名前と罪状が書かれた看板を立てられ、処刑を意味する赤いマジックで×を書かれ、市民に見せしめます。私たち子供は自転車で追いかけていき、最後までこれを見届けるのです。

・(石平)文革中は共産党の創立記念日、メーデー、国慶節、元旦などの祝日の直前には、全国各地の大小都市で必ず「公判大会」が開催されました。祝日前に殺人祭典が恒例となっていたのです。

・(矢板)普段、民衆は娯楽が何もないわけです。映画も面白くないし、歌も中共賛美みたいなものばかりでつまらない。公判大会は民衆の一種、ストレス発散をさせる場でもありました。

<処刑者の頭数確保のために生まれた「悪攻罪」>
・(石平)逆に言えば、当時の政権は敵が存在するから処刑するのではなく、恒例化してきた殺人ショーで処刑するためにその犠牲となる人員の確保を迫られた。
 確保に躍起になったのは各都市の「革命委員会」でした。1949年に共産党政権が樹立して以来、嵐のような「鎮圧運動」や「粛清運動」が連続的に行われてきた結果、「反革命分子」はすでに根こそぎ処刑してきました。

・たとえば、当時流行っていた「悪攻罪」は、すなわち「毛主席に対する悪辣な攻撃の罪」の拡大解釈によって発明された。明確な表現で毛沢東や共産党を非難するのはもちろん立派な悪攻罪になるのですが、拡大解釈が進むと、毛沢東の政策や政治スタイルにほんの少し疑問や不信感を呈するだけでも、悪攻罪として認定されるのです。

<習近平政権になって公開処刑が復活>
・(矢板)本章の最後に日本人がぞっとする話をしたいと思います。
 この公開処刑は、鄧小平時代にいったんなくなったのですが、最近、習近平政権になってから復活しています。やはり、恐怖政治は効くのですね。習近平の政治手法は完全に毛沢東と同じです。もう人権的な発想はまったくありません。
 死刑囚の処刑法は銃殺なのですが、残酷なのはその銃弾の費用を家族に請求するのです。けっこう高くて、1発3元します。ときどき1発で亡くならない人に何発も撃つと、家族にとっては大きな経済負担になるのです。
(石平)私はこれまで何度も中国共産党政権の残酷さについて日本人に警鐘を乱打してきましたが、これまで話してきたように、私たち自身が全体主義の恐怖を身をもって体験してきたから言うのです。しかしその恐怖を知らない日本人に本当の意味で伝えるのは難しいかもしれません。

<80年代に中国を夢中にさせた日本の大衆文化>
・(石平)しかし、中国が日本に求めたのはそれだけではなかったのです。大衆文化がそうでした。実際に80年代に中国で風靡して、中国人に大きな影響を与えたのは、実はハリウッド、アメリカではなくて日本だった。それをわれわれの世代は身をもって体験しました。
 どういうことかというと、それまで中国が経験してきた文化大革命、毛沢東の死去、改革開放時代には大衆文化が皆無だったわけです。

・数え切れないほど多くの日本の映画が翻訳されて、上映された。たとえば日本ではそんなに大した映画ではないけれど、高倉健主演の北海道を舞台にした『君よ憤怒の河を渉れ』(中国題『追捕』)はすごい映画でした。
 あるいは山口百恵のテレビドラマ『赤いシリーズ』。中国人は初めて人間的な世界にふれたわけで、本当に新鮮な刺激を受けた。さらに日本の歌が入ってきて、続けてアニメガ入ってきて、中国人を夢中にさせた。

<中国人の若い女性の憧れとなった高倉健>
・(石平)たしかに映画『君よ憤怒の河を渉れ』は大ヒットしたけれど、もう一つの大ヒット映画は『遥かなる山の叫び声』(中国題『遠山的呼喚』)で、高倉健主演で山田洋二監督でした。

・また、この映画2作で、主演の高倉健は80年代を通して、中国の若い女性たちの憧れの的になった。
 矢板さんは覚えていないかもしれないけれど、あの当時の中国人の男はたいがい貧乏だったので、若い女性の恋人を選ぶ一番の条件は、実は背の高さだった。基本的に身長が175センチ以上ないと相手にされない。

<中国政府からお墨付きを与えられた山口百恵>
・(石平)われわれの世代でも、ご飯を食べているときに80年代の日本文化の話になると、みんな驚くほど日本人スターやアイドルの名前を覚えていて、場が盛り上がるのです。
 当時、高倉健や倍賞千恵子や山口百恵を知らない中国人はいなかったといっていい。日本の総理大臣は誰も知らなくても。

<民衆の不満を吸収してきた経済成長>
・(矢板)これから国際政治的にもさまざまあるでしょう。少なくともトランプ政権は基本的に現金しか認めないというような内向きです。これから本格的に米中貿易摩擦が激化してくると、中国の経済成長を支えてきた外国からの投資、海外への輸出が壊滅的な打撃を受ける可能性があります。
 そうなったときに次なる経済成長の柱を見つけることが中国の最大の課題です。けれども、習近平の能力ではそれも絶望的でしょう。

<中国の経済状況は確実に悪化している>
・(矢板)「中国崩壊説の崩壊」は常に言われており、最近は「いや、いっこうに崩壊しないではないか」と崩壊論に批判的なメディアやジャーナリストも多いですが、経済状況は確実に悪くなっています。
 老人がいて高血圧、糖尿病、心臓病などすべての病気を抱えている。にもかかわらず。毎日タバコを吸ったり、徹夜で麻雀を打ったり、大酒を飲んだり、体に悪いことばかりしているのが中国経済だと、私はずっと書き続けています。
 症状は確実に悪化している。「でも、まだ死なないではないか」と指摘をされても、これは誰にもわかりません。

・ところが、それが徐々に変わり、私が帰国するまえに受けた相談は、「中国から撤退したいのだけれど、全然お金を持ち出せない。どうすればいいのか」でした。もはや誰も中国に投資する気などない。

<中国の経済成長を支える柱にはなり得ない「一帯一路」>
<幻となった李克強首相のリコノミクス>
・(石平)けれども、政治体制の問題で、李克強は経済運営で主導権を握れず、リコノミクスは始まってもいないのに終わってしまった。
 矢板さんが指摘したように、国内の不動産投資、公共事業投資、要するに固定資産投資はすべて飽和状態、頭打ちとなっています。最後に中国がもし望みをかけるならば、内需拡大です。
 しかし、内需拡大もそう簡単に実現するわけがない。貧富の格差があれほど拡大すると、唯一内需拡大できる方法はかつての薄熙来路線しかないでしょう。薄熙来は「打黒」政策でマフィアのみならず、金持ちを一掃し、彼らの財産を没収、重慶市の財政収入にして貧乏人のための福祉住宅を建設した。もちろん、人気取りのためです。
 習近平も金持ちからお金を奪い取って、貧困層に再分配すれば、一気に内需拡大ができるかもしれない。
(矢板)仮に「打黒」をしても、中国経済は回復しないでしょう。私有財産の保証がなければ、怖くて誰も中国でビジネスができない。

・習近平はそういう薄熙来的な手法を全国で展開するくらいしか、思いつかない。しょせんそれが習近平の限界なのです。

<習近平の下で事実上幕を閉じた集団指導体制>
・(石平)今年(2018年)から習近平は「掃黒除悪」のスローガンを掲げ、黒社会と呼ばれるマフィアなど犯罪集団の全国的な取り締まりに乗り出しています。期間は3年間。薄熙来の「打黒」に対して習近平は「掃黒」、マフィアを一掃だから、さらにすごい。
 ただし、マフィアをやっつけるのに3年間もかからない。明らかに狙いは民間企業の経営者の財布です。
 中国のことわざで言えば、「殺鶏取卵。卵が欲しくて鶏を殺して卵を取る」。そんなことを3年もやったら、中国経済はさらに駄目になるのは火を見るより明らかでしょう。

<経済活動を凍らせた反腐敗キャンペーン>
<いまは誰も賄賂を受け取らず、誰も仕事をしない時代>
・(矢板)たしか2、3年前に起きたのは北京市の工商局、ここは新しい企業が設立されると営業許可証を出すところなのですが、それを1年ほど発行していなかった。新たな申請がたくさん来ているのに、発行していない。
 発行して万が一何か問題が起きたときに自分の責任にされるからです。発行しない言い訳に「紙がない」と言い張って、発行しないわけです(笑)。

<誰も信じない習近平のユートピア的共産主義>
・それでは、現在の習近平政権はどうか。彼の一連の講話や発言は、私に言わせれば、ユートピア的共産主義でしかない。誰も信じていない精神論にすぎない。
 習近平の思想にしたがえば、共産党の幹部はこれから一切の私利私欲をなくして、人生のすべてを共産党の思想・理念、人民のために奉仕しなければなりません。

<莫大なコストがかかる習近平の恐怖政治>
・いまは恐怖政治を敷いて、反発をすれば逮捕するという強引な手法で政権を維持していますが、それによって莫大なコストがかかっています。
 そんななか、このところ中国国内のあちこちで起きているのは、警察官のデモです。「給料が上がらない」「年金がピンハネされた」など待遇の悪さが原因で、今後、急速に拡大していくと思います。
 警察官のみならず、ここ2、3年、退役軍人のデモがずっと続いています。

・(石平)そうなると、この統治コストを賄うために、政府は民間企業、外資企業からなりふり構わず搾り取ることになる。しかし、そうした収奪は民間企業の活力を間違いなく削いでしまう。すると、経済はますます縮小する。縮小すると強権体制を維持するため、さらなら収奪が行われる。

<巨大な利権を生むだけの意味のない監視体制>
<潰れるときは一緒の政府と銀行>
・(矢板)中国の場合は銀行と政府が“一体化”になっているわけです。だから、潰れるときは一緒なのです。政府が銀行を助ければ銀行は潰れないけれど、政府に対する信頼はいまはどんどん下がっている。将来、政府の信用が地に堕ちたときには、リーマンショックの何倍もの大変な危機が発生すると思います。

<諜報活動に関する法律も予算もない日本>
・(矢板)それに対して、日本はスパイ天国と言われるように、日本にはスパイ防止法も何も、スパイに対する法律がありません。
 外国のスパイ組織はみな日本に支部を置いて、あちこちに派遣して活動しているわけです。日本にはスパイに対する法律、海外の諜報活動に関する法律が一切ない。ということは、海外にスパイを出せるわけがないのです。

<中国語もできないのにスパイとして拘束された日本人>
・(矢板)拘束されている8人のうち、もっとも知名度が高いのは、2016年7月に拘束された日中友好団体、日中青年交流会理事長の鈴木英司氏です。

<孔子学院は世界の大学に入り込む洗脳教育機関>
・(矢板)日本はまだ気づいていないのか、「うちにも孔子学院を」と大学側が誘致している始末です。アメリカではどんどん監視を強化して、孔子学院を大学から追い出そうという動きになっています。

<習近平思想の恐ろしい中身>
・(矢板)習近平思想とはほとんど中身のないもので、2050年までに何をするというふうに、思想というよりも自分のやりたいことを並べているだけで、とても思想とは呼べません。
 それでも人民日報などの官製メディアは持ち上げているのですが、習近平のやりたいことのなかで、2050年までに中国を社会主義強国にするとあります。

・怖いのは、社会主義強国となることの裏側に横たわっているものです。それは中国の保守派がずっと希求する失地回復、失った領土を取り戻すことがあります。

・でも、どこが失地なのかと考えると、実は滅茶苦茶なのです。当然、台湾があります。それから南シナ海、尖閣、それと現在はインドの領土になっているチベットの南側。それら全部を2050年までに取り戻さなければいけない。2050年までに中国を社会主義強国にするという習近平思想を具体的に解釈するとそうなります。
 習近平はそう書いてはいないけれども、私が現場の軍人に聞くと、要するにこういうことでしょうと肯くわけです。こう考えると、2050年までに中国は相当周りと戦争をしないと、失地を取り戻せない。

<常にトラブルを起こし続ける体質になった中国>
・習近平政権のここ数年を見ていると、世界のトラブル・メーカーになっています。

・中国は常にトラブルを起こし続ける体質になってしまった。だから、またそのうちに尖閣で何かを起こしますよ。

<民族主義を煽って国民を束ねる以外にない>
・習近平は国内矛盾を克服するためにも、戦争を仕掛ける可能性がある。要するに国民の不平不満を限定的な対外戦争で解消するわけです。

<中国の台湾併合シナリオ>
・中国は台湾を実質支配下に置くため、かなりの工作が進められていると言われています。

<毛沢東を超える絶対的な大指導者になるための台湾併合>
・(石平)しかもそこで習近平にとって有利なのは、一応アメリカにしても日本にしても「一つの中国」の原則を尊重していることです。国際社会の多くの国は、台湾の独立国家としての地位を認めていない。そうなると、中国は台湾に手を出しても侵略にはならない。ここで国連の制裁が発動されない。いや、そもそも発動しない。中国は否決権を持っているのだから。

<台湾進攻のタイミング>
・(矢板)そうですね。2020年に台湾進攻の準備が終わると言われています。だから、2020年から2025年の間に、中国は台湾に対して何らかのアクションを起こすのではないでしょうか。それをしないと習近平の3期目に間に合わないですからね。これはさまざまな人たちが言及しています。

<なぜ中国軍でなくて人民解放軍なのか?>
・(石平)まずは沖縄を日本から切り離す。米軍を沖縄から追い出す。沖縄を中華秩序のなかに取り込む。でも、堂々と「沖縄独立シンポジウム」を北京で行っていることに日本政府が抗議しないのはおかしいよ。

<親中派のロジックと逆方向へと進む習近平>
・(石平)習近平のやっていることは、民主化にするすべての可能性を潰していくものです。


コロナ以降の不景気がどのくらいの長さになるのか、正確なことはまだ誰にもわかりません。ただ、歴史に学ぶならば、少なくとも今後3年間の経済停滞を覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。(2)



『ニッポン 2021-2050』
落合陽一  猪瀬直樹  KADOKAWA   2018/10/31



<「成長せず社会課題が取り残された平成の30年」>
・アメリカが順調に成長するなかで、日本は横ばい。相対的に右肩下がり。就職率は悪化し、会社に入っても不景気が続きます。日本経済全体に停滞感がある一方で、数年前に生まれた世代は「良い時代」を知っていてジャパンアズバンバーワンの幻想を持っていて断絶が生まれます。ただしこの頃まではまだ日本はアジアの盟主でした。
 次に出てくるのが、思春期には多くの人がパソコンを触っているデジタルネイティブと呼ばれる世代であり、僕もここに含まれます。すでに会社に入れば安泰という幻想は薄れつつあるなかで、IT産業だけが華々しい成長をして、そこの弱肉強食の世界に飛び込んでいく人たちが出てくる。2000年代後半になると中国は著しい成長をしています。僕が学生の頃は「これからは中国の時代だ」と盛んに叫ばれていました。アジアの工場としての中国ではなく、新たな市場としてのビジネスチャンスを期待して起業する人も出てきました。
 そしてスマホネイティブが登場します。スマホというあらゆる人たちをエンパワーメントするツールが普及するなかで、中高生であっても自分で稼いでいるような人たち、SNSで支援をもらいながら社会活動をする人たちが少なからずいる。

・こういった変化の中で、それぞれの世代ごとに経済成長についてさまざまな見方があること、そして国家全体としてジリ貧になっているという事実を認識することが重要です。
 成長を目指す国家でもあるいは成熟社会でもかまいませんが、まずビジョンを描き、そこを起点にどう社会のリソースを配分するかということが問われています。
 なぜ平成は失われた30年になったか。それはビジョンがなかったことに一因があります。
 人口減少ほか日本が直面する諸問題、技術革新による時代の変化を理解し、社会を構想しアップデートすることが未来に向けた僕たちの責務です。
 これまでの日本の歴史を振り返ると、鎌倉時代でも江戸時代でも、だいたい30年ぐらいかけてその時代の礎がつくられてきました。僕は近未来、2040年ぐらいを見据えて研究をしているということをよくメディアで発言してします。次世代のプラットホームとして役立つものをつくるということを意識して研究なり教育なりを行っているのです。直近の社会課題に取り組むのは当然として、僕たちはもっと長期的な視点で物事を考えなければならないということが、僕がいま訴えたいことの一つです。

<「日本はなぜ変わらなければならないのか」>
・現実問題として「この自治体を閉鎖して移住しましょう」という公約を首長が掲げて当選することなんて絶対にできないでしょう。その力学の延長線にあるのが高齢者優位の政策立案であり、いまの日本社会の苦境です。いま暮している人たちを尊重するのは当然のことですが、同時に全体のリソースを考えて行動する。そしてそれを戦略として決める人がこれからの地方には求められます。
 ある外国人の研究者の友人に、日本の人口ピラミッドを指して「よく日本人はあんな棺桶みたいなグラフで危機感を抱かないね」と言われたことがあります。棺桶というのはほんとうに言い得て妙です。僕たちは日本がいま棺桶に入りつつあるという状況を直視しなければならないのです。

<「地方を膚感覚で知らなければ日本のビジョンは描けない」  猪瀬>
・落合君が問題提起をしてくれたように、いま日本には課題が山積しています。僕がなぜ東京都副知事を引き受け、石原慎太郎さんのあとに東京都知事をやったのか。最大の理由は、東京からならば、日本を変えられると思ったからです。
 東京が先んじてビジョンを示せば、他の自治体も国もついてくる。中央政府、つまり霞が関は縦割りで意思決定が遅いし、東京以外の自治体は総務省から地方交付税交付金を仕送りしてもらうので勝手なことができない。そのほか霞が関の各省からも、自治体の事業に合わせて補助金が付く。昨日の世界、過去を基準とした世界からの補助金漬けになっているから新しいことがしにくい。
 霞が関と地方行政の関係はそういう事情だから、東京を一つの国に見立てて動かし、国が抱える課題を先に解決してしまう。これが仕事だと思っていました。

・それが財政破綻した北海道夕張市への都職員派遣です。2008年のことでした。東京23区より広い土地がありながら、当時で人口は約1万2000人、高齢化率が40%を超え、人口流出は加速している。そんな自治体ですので、およそ税収増なんて望むことができません。市民税や水道料金を引き上げたところでまかなえず、職員の給与は4割カットされることになりました。270人いた夕張市職員は一気に140人ほどに減ってしまった。そんな街で353億円の債権を18年かけて返済するという前例のない財政再建計画が始まっていたのです。これでは行政が機能するわけもなく、麻痺寸前でなんとか助けないといけない、と思って東京から職員を派遣したのです。

・東京は他の自治体に比べて裕福と言われますが、財政の実態を子細に検討すれば決して楽観はできません。景気の波に左右され、税金が減る時は1兆円単位で減ってしまう。実際1999年には財政再建団体に指定される寸前までいってしまっていました。これもほとんどの人が忘れている経験です。財政破綻への危機感を持てといっても、持つことはできない。
 夕張に職員を派遣したのには、東京だけが日本だと思ってほしくない、財政再建に取り組む地方の現場を若い職員にみてほしいという思いもありました。派遣した職員が働いていたのは真冬にもかかわらず経費削減のため庁舎の暖房が17時で切れてしまう役場です。

・視点を変える、という経験がなければ本質は見えてこない。結果として、日本全体や世界の中から自分自身の存在も見えてこないんだということをわかってほしいのです。
 自分の立ち位置を知らない人材にできることは限られます。自分の周囲だけが当たり前なのではなく、日本国内も多種多様であり、まず東京と地方ではまったく違う。これを世界に置き換えてみましょう。日本の当たり前を他の国でも当たり前だと思い、適当に振る舞ってしまえば「この人は日本のこと以外は知らない視野が狭い人」だと見なされ、うまくいくはずの交渉もうまくいかなくなります。

<「テクノロジーが東京と地方の共通項に」>
・さて、日本は都市と地方、それぞれに課題を抱えていますが、課題先進度でいえば地方のほうが高いという現実は認識する必要があります。東京の課題と地方の課題はもちろんつながるものもありますが、必ずしもイコールで結ばれるものばかりではありません。

・現実は逆でテクノロジーによって分断されるようなことはない、というより分断されようがない。それはプラットホームに乗った共通部分を探すことで見えてきます。

・プラットホーム化したテクノロジーは分断を促すというより、都市と地方を結んでいる最大の共通項になっています。

・僕は人口減少そのものは危機でもなんでもないと考えています。過疎化によって土地が余るというのも考えによっては大きなチャンスです。人口減少、すなわち労働力の減少や人的コストの拡大はテクノロジーの進化によって防ぐことができます。余った土地の活用法は権利問題さえクリアすれば、一気に解決が見えてくる。例えばブロックチェーン技術を使って、財産権をクリアにして民間に開放することで、僕たちが思いも寄らない有効な活用法が見つかる可能性が広がるのです。むしろ、それこそが地方を再興させる鍵だと言っていい。
 僕が考える地方再興を実現するための最大の条件はテクノロジーフォビアにならないこと。ロボットフレンドリー、テクノロジーフレンドリーであること。これに尽きます。

・この本では「近代の超克」、すなわち2021年に向けていまの日本を規定しているさまざまなシステムを見直すこと、そして2050年を見据えて、この国の在り方や、生き方をどう描くかをテーマにしています。そのためには将来を悲観せず、理想の社会に向けて一つひとつできることを探していくことが求められます。
 現状を嘆くだけで終わるのか、あるいは解決に向けて動き出すのか。いまこそ後者の決意が必要とされているのです。

<統治構造を変えるポリテックの力>
・なぜか。日本の統治構造の本質は強固な官僚制にあるからだ。日本の近代化の幕開け、明治期から徐々に形成され、戦前にはすでに完成をしていた日本型の官僚システムでは、国家のエリートが集まり、年次ごとの競争でピラミッド型組織の頂点を目指す。重視されるのは、各省の利益=省益
これは戦前から変わらず、戦後も引き継がれたと猪瀬氏はみる。
 これを解決するために落合氏は「ポリテック」という言葉を提唱する。政治(ポリティクス)とテクノロジーを組み合わせた造語だ。
 ポリテックの可能性を落合氏は縦横無尽に語る。介護、経済、そして電力。日本が抱える大きな問題の一つ、原発問題もポリテックで考えることができる。ポリテックは猪瀬氏がときに対峙し、ときに内部まで入り込み思考を深めた官僚制の問題を打破する一手になるのか。「近代の超克」の鍵となる統治構造を議論する。

<「日本システムの弊害の縦割り行政」>
・公文書の大きな役割は、歴史の検証です。文書を残しておくのはなんのためか。役人の保身や、政権のためではない。後世の歴史のためです。重大な意思決定は常に歴史から検証されなければならない。失敗にしても、成功にしても、歴史から学ぶのです。したがってアメリカでは公文書には公開期間が決まっていて、一定の時間を過ぎれば公開されるようになっている。

・共産党国家と日本の違いは、共産党国家のように圧倒的な権力を持ったトップがいないということでしょう。日本は専制君主がいないただの官僚機構の連合体なので、とにかく官僚が圧倒的な情報量をもって、それをうまく隠しながらコントロールすることで国ができてきた。彼らからみれば、大臣や政治家はちょっとの間やってきてその椅子に座っている人にすぎない。
 落合くんも述べていましたが、いま日本という国が抱えている大きな問題は、どこの省庁が担当するのかわからない、複数の省庁にまたがる問題がぽっかり放置されていることです。

<「ポリテックで日本政治を変えよう」  落合>
・僕は日本の統治機構を「デッドロック」と表現してきました。これはコンピュータ用語ですが、要するに解決すべき問題があるのに、省庁同士で動けるようになるのを待っていて、結果として何も進まないということを喩えて呼んでいるのです。
 猪瀬さんが指摘したように12省庁が強い縦割りで動いています。だからこそ、それを打ち破るためにも、これまでにない政治の概念が必要なのだと思いを強くしています。
 こうした新しい概念として、最近、僕は自民党の小泉進次郎さんとともに、政治と技術を融合した「ポリテック」という言葉を広めようとしています。

・政治の課題をテクノロジーで解決する。テクノロジーの課題を政治的に解決する。そして視点です。例えば介護の分野では、人間の力をつかって解決していこう、多くのヒューマンリソースを割こうという発想が現在まで中核にあります。あるいは、制度を整備することでなんとかしていこうという発想でした。
 けれども僕が進めているように、テクノロジーの力で人間の身体を拡張することで解決するという提案もできるはずです。

・もちろん投票だけでなく、納税や通貨など、既存のあらゆる仕組みをテクノロジーで効率化できる可能性を秘めています。特にそれらへの活用が期待できるものとして、ブロックチェーンには大きな可能性を感じています。

・これから日本がテクノロジーを活用した先進的なアプローチで課題を解決しようとしていることを世界に示すことができれば、海外から新しい知見が集まってくる可能性もありますし、実際に解決すれば世界に対してこれ以上ないアピールになります。

<「ポリテックという言葉の流行が社会の意識を変える」  落合>
・ポリテックという言葉の真意は、最初はなかなか理解されないと思います。流行するなかでバズワード化していっても、それでいいと考えています。何回か実例が登場して実体が伴えば、言葉はきっと足がついてくるはずです。なぜならば、僕も含めて、テクノロジーで政治に対する困っている問題を解決しようと思っている人や、テクノロジーの適用を政治で進めようとしている人はたくさんいるからです。そもそもテクノロジーで問題を解決していこうというのは、グローバルでは当たり前の発想になってきています。

・僕は「デジタルネイチャー」という概念を使って次の社会を考えています。この言葉は、“自然”をより上位から俯瞰する、計算機によって生み出された“超自然”を意味します。要するに、これまで“自然”と考えられていたものを更新する考え方のことです。
 CGと実物の区別や、AIと人間の区別がつかなくなり、人間と機械が融合していくような未来がやってくるでしょう。例えばメガネをかけて視力を回復したように、手が不自由ならより精緻に動かせる義手を使えばいい。いま障害と呼ばれているものは、介助者が必要な方や高齢者も含めて「身体のダイバーシティーが高い人」という表現に変わっていくでしょう。身体に障害があるなら、それをテクノロジーで補えばいいという社会がやってきます。そうなると、いままで「人間の自然な身体」を基準に障害と呼んでいたものは障害ではなくなります。人間と機械の融合によって、“自然”というもののイメージが更新されていくのです。僕がいう親和というのは、そういう未来のことです。

<「目的を忘れたルールに縛られるな。30代への期待」 猪瀬  >
・落合くんが語るポリテックというアイデアは面白い。霞が関や永田町がそのインパクトを理解し、きちんと反映させていけるかどうかは別問題になるにしても、霞が関の堅牢な官僚文化に揺さぶりをかけることはできると思います。
 僕が『日本国の研究』を書いた90年代は、ちょうどインターネットが一般の人にも広く普及し、インパクトを持ち始めた時代でした。僕は公益法人改革について、情報公開を徹底させるべく、その情報をインターネットで公開せよと呼びかけていた。

<構想力は歴史意識から生まれる>
・与えられた課題を解決するだけで十分だった時代は終わり、自ら課題を見つける力こそが重要になる――。両氏がこの本を通じて説いてきたことだ。歴史とは、課題を見つけ出す力を養うためにこそ学ぶべきものだ。
 猪瀬氏は「プランナー」という考え方を提唱する。一部の人だけがプランを独占し、考える時代は終わった。すべての人がプランナーとなる資格を持っていると。

・落合氏はこれまでの論点をさらに深めて、これからの時代を生きる「デジタルヒューマン」にとって日進月歩のテクノロジーとともに社会を変革していく力とは何かを考える。それは「リスクを取る力」に象徴されるという。

<「ビジョンを描くにはまず歴史を知ること」  落合>
・次の時代を考える上で、重要なのは大別すると3つです。
 第1にこの本で繰り返し語ってきたように歴史や統計データを知ること、第2に論理的な日本語力を身につけること。第3に時代に適合した文理問わない教養を身につけることです。
 第1の論点は歴史や構造、つまり現在がどのようにできているかを知ることです。僕が「未来」についてのビジョンを語れるのも、メディアアートならメディアアートの、テクノロジーならテクノロジーの、歴史を知っているからです。

・僕は、そんなつまらないことより論理的に言葉を使えることが重要だと考えています。なぜか。第一に語るに足る人材であることが一番重要だからです。そして、外在的要因としては今後は自動翻訳技術が飛躍的に進歩するからです。機械学習の進歩は間違いなく自動翻訳技術に反映されます。いま語学にコンプレックスを感じている人であっても、日常生活では間違いなく、ビジネスの世界でもそれなりのレベルで劣等感を感じる必要なくコミュニケーションがとれるレベルの技術になるはずです。
 自動翻訳の精度は日進月歩で上がっています。機械学習用のデータセット、アルゴリズム、ハードウェアの盛り上がりもあって、自動翻訳技術は成長の真っただ中です。どのくらい進歩しているのかと言えば、僕が学部生の頃、あと100年といわれていたような技術が、なんとすでに実用化され、使われているということです。

・メカニカルアーツが新時代の「教養(リベラルアーツ)」に加わってくるのです。

・最近のAIの研究に即して言えば、コンピュータを用いた統計的アプローチでは正規分布の範囲内から外に出るのは難しいことも指摘されています。

・インターネット上にはない情報、いまのAIでは思いつかないようなアイディアに僕は注目してします。

<「自分の中にある言葉を鍛える」  猪瀬>
・落合くんが歴史的な視点から考えることの大切さ、言葉の力が大事だと語ってくれた。まさにその通りだ。日本近代の最大の「国難」は自らが招いたあの戦争であったことは間違いない。東条英機は試験の得点の高い秀才タイプではあったが、戦争をやめるという決断はできなかった。

・世界史の流れに巻き込まれた明治の人びとは、世界史の潮流のなかで日本とは何かと自覚する。近代日本語は、諸国の方言を統一し、西洋の翻訳語を練り上げ、幾度となく繰り返された「国難」のなかで完成してきたものです。国難をどう乗り越えるのか、そのなかで、個人の言葉も磨かれていき、近代文学の傑作も誕生してきました。確かな言葉の力を感じさせる、思想や構想力をもった文章が練られてきたのです。ビジョンがある言葉です。ビジョンがある言葉は国難から生まれてきたという視点が重要です。
 AIの進化によって官僚的な役割はAIが担うかもしれない。でも、日本という国を構想する国家観という大きなビジョンは誰が打ち出すのか。それは文化的な構想力を持った人びと、つまり作家であり、アーティストであり、政治家でありといった人びとでしょう。近代日本語をつくった明治人には国家戦略があったのです。欧米の近代がもたらしたものと日本の伝統文化から生かせるものを組み合わせたのです。
 戦後は戦前のものはすべてが悪いという風潮が蔓延した。虚心坦懐に伝統から学ぶという姿勢そのものも失われてしまったのです。

・「ほんとうの意味でのグローバリズムとは、欧米流の近代化とイコールではない」という提言をし、さらに「そうした世界のなかで日本が果たすべき役割とは何か」を問うていく。これならばいまでも適用するような深い議論につながった可能性があります。

<「2021年以後をデザインする時代を切り開く力」  落合>
・障害という概念も変わっていくという事例で話したように、足に障害がある人には最先端の機能を搭載した義足がついていくでしょう。介護現場で力が足りない人には介護用ロボットスーツができて、楽々と仕事ができるようになっていく。盲目の人は音で空間を把握できるようになり、耳が聞こえない人の目には字幕が映し出されるようになる。脳の機能補完ができるようになれば、認知症という病気も補完されていく。

・身体は拡張され、言語もまたすぐに翻訳されていく、そんな時代において、人間の良さ、人間の能力差はどこになるのでしょうか?僕たちはこれまでの歴史を更新し、新しい時代を生きようとしています。これまでの身体の差や、ちょっとした語学力程度では能力差があるとは言えない時代になっています。僕は能力差というのは経験差であるという時代がやってくると考えています。
 アートでも、文学でもテクノロジーでもどんな分野でも、「何を経験し、何を思考したか」が重要な差になってくる。つまり、「何をやりたいのか」というモチベーションの部分が重要になる。モチベーションの有無がそのまま人間の価値を左右する変数になっていくという考え方です。

・モチベーションを価値に落とし込むために重要な能力をまとめておきたいと思います。大事なのは「言語化する能力」「論理力」「リスクを取る力」そして「専門性」です。

<まとめ>
2021-2050  人口・産業
(これまで)
・人口増を原動力とした経済成長
・中央主導の補助金による同じような街づくり
・課題解決より現場の意思が優先

(2021年以後の30年の指針)
・人口減少による問題はテクノロジーで解決
・地方自治体は各々の生き残りに向けたビジョンを
・「分からない人に合わせる」から「分かる人が引っ張る」へ

(必要な思考)
・テクノロジーによる変化を恐れない
・東京と地方の違いを膚感覚で理解する

2021-2050  風景
(これまで)
・明治維新で生まれた一君万民の日本人
・“ドラえもん”で描かれる近代の完成像
・均一な教育システムによる同じ価値観

(2021年以後の30年の指針)
・自身を縛る日本人の無意識を見つめなおす
・テクノロジーと伝統の融和にビジョンを見つける
・個人に最適化された教育で多様な個性を肯定

(必要な思考)
“ドラえもん”にない風景を深堀りしていく
・街を歩き風景の隙間からヒントを見つける

2021-2050 統治構造
(これまで)
・各省庁の権限が強く横断する課題が取り残される
・前例踏襲主義で目的なきルールが温存
・公文書破棄や霞が関文学に見られる権力者の恣意的運用

(2021年以後の30年の指針)
・省庁の隙間につながる問題に取り組む
・前例がない取り組みを積極的に肯定
・テクノロジーによる有権者にクリアなルールの制定・運用

(必要な思考)
・技術的解決と政策的解決を提案できる
・「ポリテック」思考を身につける

・目的を見失ったルールにとらわれずファクトとロジックで物を考える

2021-2050  人材
(これまで)
・優秀な人間の条件は「与えられた課題を正確にこなす」
・英語を筆頭に多言語で表現することができる
・学校の試験の点数が高い人間が評価される

(2021年以後の30年の指針)
・正確さはAIに代替、人間の魅力は「外れ値」を出せること
・言語能力は表現力以上にアイディアや中身が問われる
・学校の試験では測れない個人の経験値が重要

(必要な思考)
・メカニカルアーツを身につけ、未知の領域に挑んでリスクを取る
・言葉の力を磨き、自らのアイディアを問う「プランナー」に



『余命半年の中国・韓国経済』
制御不能の金融危機が始まる
3700兆円の債務は爆発寸前! まだ中国に投資する日本企業は正気か⁉
宮崎正弘   ビジネス社   2019/4/2



<中国と韓国経済の崩壊は秒読み>
<あのソロスさえも、「反中」はアメリカの総意>
・そのソロスがトランプよりも強硬に「反中」の政治姿勢を明確にしたことは、全米がいま反中国合唱のピークにあるという何よりも証拠である。

<異変、中国国内でも習近平批判>
・中国国内でも習近平批判が起きた。

・胡徳平が「このまま政治改革を怠り、民間の経済活動の活性化を促す政策に転じなければ、中国はいずれソ連がたどった死の道を選ぶことになるだろう」と私見を述べたのだ。

・このほど左様にかつての中国共産党大幹部の息子や秘書たちが国内知識人の不満を代弁している構図が浮かび上がってくる。つまり習近平国家主席の権力は盤石ではなく、泥沼に立った塔のように崩れやすい状況にある。

<中国経済破綻に巻き込まれる世界と日本>
・米中貿易戦争の嵐は世界経済にTUNAMIをもたらした。とくに中国経済の挫折ぶりが顕著である。
 日本経済も予期せぬ方向からの暗雲が拡がり、凄まじい勢いで景気が悪化している。そして米国も悪化の兆しが出た。中国経済の破綻に巻き込まれたからだ。

・中国人民銀行(中央銀行)は、ドルの裏付けのない人民元をじゃかすかと印刷しているが、産経新聞の田村秀男氏の試算によれば「外貨資産の64%しかドルの裏付けがない」という寒々しい状態、暴落前夜の様相になってきた。つまり36%は通貨の垂れ流しをしていることになり、この意味するところは人民元の大暴落である。
 にもかかわらず中国は外国の金融機関からドルを借り入れている。中国人民銀行が1兆1000億ドルを保有すると豪語する米国国債は実質的に担保であり、外貨準備高はマイナスに転落している。それが中国発の金融恐慌に繋がる怖れが高いと市場は読んでいる。

<「アップル・ショック」に悲鳴を挙げるスマホ業界>
・台湾が本社の「鴻海精密工業」は中国河南省鄭州の工場で5万人をレイオフし、代替工場をインドに移転して稼働すると発表した。こうなると大量失業の発生であり景気後退というより、状況はもっと悪い。

・同様に韓国の落ち込みは予想より悪化しており、スマホ関連ばかりか半導体大手のサムスンもSKもLGも青息吐息。

<韓国による日韓関係の悪化を米国議会が懸念>
・米国では軍人の発言も目立った。北朝鮮は核兵器の保有を増やしているが、「放棄の可能性は低い」と言うのが国防総省(ペンタゴン)の見解であり、米インド太平洋のデービッドソン司令官、エイブラムズ在韓米軍司令官などは「非核化の意思を示す証拠を一切提示していない」として、警戒を強めている。

・また日韓関係険悪化の空気をよこに置いて、夥しい韓国の学生が日本企業に就職を希望している矛盾がある。韓国政府と韓国の若者の間に認識のずれが著しいことも明らかとなった。ともかく韓国経済は政治的混乱によっても救いのない状況に陥った。
 以下、本書で縷々説明するように、中国経済の破綻は秒読み、連鎖で韓国経済も沈没間近となった。その時刻表が透けて見えるようになった。
 日本経済はTUNAMIを蒙ることになるが、そのときの備えはできているのか?

<「海亀派(中国人留学生)」でさえ就職難>
・春節(旧正月)に中国の鉄道、飛行機、長距離バス、そしてハイウェイは未曽有の人混みで大混乱に陥った。その実態はと言えば、例年より早い休暇入り。そして「ゆっくり休養を取れ、連絡するまで上京しなくてもよい」と言われ、給与不払い、当座の旅費だけ支給された。
 春節があけて、彼らが職場にもどると、工場は閉鎖されていた。中国ではよくある手口だ(日本に観光に来ている中国人はよほど恵まれた界層である)。18年上半期だけでの企業倒産は504万社と報じられている。

・ビルの建設現場では、労働者に3カ月給与不払いというケースが多く、現場では作業をやめている。工期はベタ遅れ、クレーンは停まり、作業場では残った労働者の座り込み抗議集会、デモが続く。トラックの運転手はウーバーにも職を脅かされ、当該本社前をトラックがぐるぐる廻っての抗議活動。配送の下請けは賃金を受け取るまで「配達はしない」と抗議の声を挙げた。

・こうした風景が中国全土、あちらこちらで見られる。旧正月のお祝いどころではない。解雇された従業員は鴻海精密工業の10万人が象徴するように、潜在失業者を含めると、おそらく数千万人単位ではないか。
 かように中国で起きている大量失業の実態、おそるべき現実を伝えない。ネット上でも、こうした情報が掲載されるとただちに削除される。ネット情報板のプラットフォームもチャットも無数に禁止され、最近はネットカフェががら空き状態となった。
 あまつさえ「金の卵」といわれ、重宝された「海亀派」の異変だ。欧米、日本に留学し帰国した若者にも就職難という悪影響が出た。

・中国国泰証券の主任エコノミスト、李迅雷によれば、「過去40年で、実に313万の中国人留学生が海を渡り、このうちの84.6%が帰国した」という。
 彼らは「海亀」と呼ばれた。産卵のため、古巣へ帰ってくるからだ。ある統計によれば、彼らの平均年収は2万5000ドルだったという。外資系企業が彼らを雇用し、その年収に比例して中国国有企業や下請けの賃金体系を外資系が領導した。そうした黄金の時代は終わった。

<サムスンも中国工場を閉鎖し始めた>
・天津を例に取ってみよう。外国企業の天津への投資が未曾有の速度で激減している。2017年に106億ドルだったが、18年には48億ドルとなって、どの工場も企業もレイオフを発表した。就職情報はなく、求人フェアに応募する企業がない。代表制となったのが韓国サムスンの半導体工場の閉鎖である。
 破竹の進撃を続けて生きた韓国経済の華、サムスンはアップルの売り上げ激減のため、撤退を決めたのだ。

・「グレイ・エコノミー」(わけの分からない商売)が、これまでは失業者を吸収してきた。出前の代理配達、通信販売、バイク便、自転車シェア、つまりウーバー・ビジネスだが、これも最近は完全な飽和状態となった。そのうえ当局はグレイ・エコノミー分野にも新しい規制をかけようと動き出した。予測をはるかに超える加速度をつけて中国経済の成長が終わりを告げている。

・ウォール街の集計では昨師走(2018年)のジャンク債発行は米国企業を抜いて中国企業がトップとなったことが確認されている。ジャンク債とは信用度が低い社債などで、投資家に高金利を謳う。

・深刻な状況は若人の失業である。大学新卒は834万人(当初860万人の大学新卒が見込まれていたが26万人が中退したことになる。学生ローン不払いなどが原因だ)。苦労して大学を卒業してもまともな就労先がない。薔薇色の人生設計が暗転する。
 そこでまた中国政府は無理矢理なプロジェクトを謳い、巨額を予算化する。一帯一路プロジェクトが世界各地で挫折、頓挫し始めたので、国内で大型プロジェクトを拡大しようとするのだ。
 赤字構わず新幹線をさらに延長する工事があちこちで開始された。それこそ人の行き来より熊の数が多いような過疎地にも。
 中国は世界一のダム(239メートル)建設を発表した。
 三峡ダムは重慶と武漢の間に完成し、相当の電力を供給している。世界一を豪語したが、浚渫が間に合わず、堆積物が障害となって効率が悪い。

<中国の米国企業買収、95%減>
・惨状がくっきりと数字に出てきた。
 中国の米国企業買収が、実に95%減っていた。まさに「トランプ効果」は激甚である。付随してアメリカへの中国人留学生、客員学者、交換教授ら4000名が「スパイ容疑」の摘発を恐れたのか、そそくさと中国へ帰国していたことも判明した。
 ハイテクを米国から取得(「盗取」ともいうが)するために派遣された学者、研究者、教授、学生らに対して米国はビザ審査を厳しくした。滞在延長が認められないばかりか、いったん帰国した中国人の米国留学組の再入国に対してもビザ審査がより厳格化された。
 中国人留学生は数十万人に達するが、これをのぞいた客員派遣の学者、交換教授ら4000名(奨励金が14万500ドルから72万ドルの幅で供与された)が米国から帰国したのだ。これは2018年12月1日に「自殺」した張首晟スタンフォード大学教授が運営していた「ホライゾン・キャピタル」とかの面妖な財団が象徴するように、スパイ養成、ハイテク泥棒のダミー、表向きの看板がシンクタンクを偽装していた。

<対米投資激減の余波>
・米国のシンクタンクAEIの報告によれば、中国の対外投資は数字統計でも激減している。
 これを裏付けるのが、海外不動産の売却、旅行客への外貨持ち出し制限などで顕著な動きである。

・安邦生命はNYの老舗ウォルドルフ・アストリア・ホテルやニュージャージー州のトランプタワーなどを売却、海航集団はドイツ銀行とヒルトンホテルチェーンの株式を売却、万達集団は全米の映画館チェーン売却、ハリウッド映画製作会社買収を断念した。ほかの売却、ドル確保の事案は枚挙に暇がない。

・「2018年上半期だけで中国企業の504万社が倒産し、失業は200万人上乗せされた。農民工の失業が740万人と言われるから上半期だけで1000万人が新たな失業に加わった」
 この数字、中国の公式統計には発表されるはずがないが、ついで「財新網」(同年11月28日)で「求人広告が202万件、消えた」とした。深刻な事態ではない、崩壊前夜である。
 企業が人手不足を嘆いた時代はとうに去り、求人欄が募集を告示すると公務員など、地方政府の過疎村の役場の一人の募集にも数千人が押しかけるというではないか。とうとう全人代では「1100万人の失業者対策」が発表された。

<四中全会を開催できない習近平の狼狽>
・トランプ大統領はこうやって基礎固めを十全に行ったうえで中国からの輸入品に10%から25%の高関税をかける米中貿易戦争を始めた。
 米国の経済をいびつにした貿易赤字改善のため中国からの輸入品に高関税を課し、ハイテク・スパイの摘発強化、米国ハイテク企業の買収禁止、不動産取得制限とビザ発行の規制強化、ファーウェイとZTEの完全な締め出し。こうなれば米中対決はもはや抜き差しならない状態である。

<中国と無理心中か、ソフトバンクの迷走>
・なぜなら孫正義が中国アリババの筆頭株主であるうえ、地上局にファーウェイのいかなる製品も使用しない、市場からの排除を決めており、周回遅れで日本政府もこれに倣うとした。
 ソフトバンクは有利子負債が13兆円を超えている。中国の「三大借金王」=海航集団、万達集団、そして安邦生命と同様な借金漬け体質である。
 それゆえチャイナ・リスクがもろにソフトバンクの株価に悪影響を与え、経営の屋台骨を震撼させて市場からは不評、反発という想定外の反応となった。この醜態は以後の日経平均を押し下げ、近未来に株価再沸騰という薔薇色のシナリオは消えた。

<借金地獄も止められない中国の鉄道建設>
・数字の誤魔化しも現界に達し、国有企業の資金繰りができなくなり、失業者が街に溢れ、物価は上昇し、政府への不満は高まる。だから無理矢理の公共事業を続行せざるを得なくなる。
 中国の新幹線の延長工事、2019年も拡大させ、邦貨換算で13兆円を投入する。日本の公共投資全額の2倍ほどが、新幹線だけに投じられることになる。

・この無謀とも発狂的とも言える鉄道建設は、借金地獄をさらに悪性のスパイラルへ向かって暴走、突進を続けさせる。中国全土に幽霊都市を建設して業界を存続させてきたように、国有企業の中国鉄道建設と系列の企業群の延命だけが目的だったのか。
 2005年から積もりに積もった累積赤字78兆円というのは、日本の旧国鉄の赤字の3倍強であり、この新幹線のプロジェクトの暴走ぶり一つを例にしても、近未来に起こるであろう、恐怖のシナリオが見えてくる。なぜ、こんな赤字体質をさらに肥大化させるような愚劣なプロジェクトを中国の執権党が続けるのか。
 第一は景気浮揚のため、プロジェクト継続という至上命令がある。

・第二に海外の新幹線受注は一部入札を競り落としていても、ベネズエラでは正式に中止、マレーシアは20%で中断、ラオスは国境付近のみ。インドネシアは用地買収ができず着工にも至らず、タイは青写真のまま、ベトナムはそっぽを向き、とどのつまり、海外が駄目なら内需で凌ぐしかない。

<期待外れに終わったミャンマーの「シルクロード」>
<中国人の「アキレス腱」>
・中国のアキレス健は集約すると二つのポイントが指摘できる。
第一は自給自足ができないという生存にとって死活的な要因を欠く脆弱性、つまりエネルギーと食料の自給ができない。米国からの穀物輸入が途絶えると、食肉も養豚の配合飼料もままならない。逆にアメリカは原油もガスも食料も自給できるという圧倒的な強みがある。そのうえ水の問題がある。
 第二は中国人そのものが持つ特質、エゴイズムと拝金主義が、生来の性格、DNAに折り重なって独特な人生観を持つという特徴である。
 中国人は宗族第一という特徴がある。

・こういう意識が根底に残存している以上、戦争はコストとか、国家の名誉とは表看板、レトリックでしかなく、一族の利益を守るためには「すり替え」として戦争を始める危険性は常にあるのだ。





コロナ以降の不景気がどのくらいの長さになるのか、正確なことはまだ誰にもわかりません。ただ、歴史に学ぶならば、少なくとも今後3年間の経済停滞を覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。(1)


『人類2.0』
アフターコロナの生き方
小林慎昭  プレジデント社 2020/8/6



<見通せない世界が迫ってきたとき、あなたはなにを考えましたか?>
<私たちは、アフターコロナのこの先の未来をどうデザインしていくべきでしょうか。>
・過去の出来事から学び、ありとあらゆる情報を収集することで現在の状況を把握し、分析する。そうしたうえで、未来を想像する。そして、想像した未来から、「いま」なにをするべきかを導き出す。

・世界規模で同時期に急速に起こったこの危機を乗り越えるために必要なのは、未来を想像する力だと考えます。

・アフターコロナにやってくるのは、「新世界」なのです。もう、元の世界には戻れません。このウイルスは、わたしたちを「人類2.0」に変えようとしています。

<世界規模で想定外の危機が訪れています。>
・そしていま、世界規模で想定外の危機が訪れています。
 アフターコロナの世界がどうなるのか?
 わたしたちは、アフターコロナの未来をどうデザインしていくべきなのか?

<コロナがもたらした、「働き方の変革」>
・改革とは、基盤を維持しつつ制度などをあらため変えることを指します。
 新型コロナウイルスがわたしたちにもたらしたものは、「働き方の変革」です。
 ミーティング、時間の使い方、人間関係の築き方、営業、マネジメントなど、ありとあらゆる面で、その変革が起きはじめたのです。

<ミーティング(会議)>
<これからはオンラインがスタンダードになる>
・それはいま、日本全国で起こっている――起こっていくであろう、事実です。想像してみてください。1日に、何時間オンラインミーティングが行われているのかを。日本で働く人は約6700万人いるとされます。もちろん、オンラインミーティングをまったく活用しない職種もあるかもしれません。
 しかしたとえば、その働く人のうちの1000万人が、毎日1時間のオンラインミーティングを1カ月したと仮定しましょう。すると、日本国内だけで3億時間が、パソコンなどを通じてのオンラインミーティングで使われるということになります。
 これだけの膨大な時間が使われているとなれば、これはもう完全なまでにビジネスの「習慣」に変わるでしょう。固定電話を使わずに携帯電話を使いはじめたように――あるいは、FAXを使わずにメールを使いはじめたように――。

・クライアントがオンラインミーティングをするなら、下請けはそのスタイルに合わせるのは必然です。

・オンラインミーティングで対応しているいまの状況は、一過性のものではありません。これはもう、スタンダードになるのです。

<対面>
<リアルで会うことは“特別な行事”?>
・ミーティングをオンラインですることがあたりまえの世の中になっても、対面のミーティングがなくなるわけではありません。
 なくなりはしませんが、その時間はとてつもなく重要で、貴重な時間となっていきます。

・これから、人は仕事上のほとんどのことに関して、デバイスを活用したオンラインミーティング、または通話でこなすようになります。

・オンライン営業のほうが、生産性が高いのはあきらか。経営的な視点でも、わざわざリアルなミーティングをしなければ受注できない営業マンは不出来と評価されるようになるでしょう。

・コロナ以降、おそらく数千万人単位のビジネスパーソンが、オンラインミーティングをデファクトスタンダード(事実上の標準)としています。

・そう考えると、オンラインミーティングの波にのまれながらもリアルなミーティングは生き残るでしょう。数は減っても、なくなることはないはずです。しかしながら、リアルで会うミーティングは“特別な行事”のようになっていくでしょう。
 リアルでミーティングを行うのは、「直接、相手に会いたい」から。そこに、ロジカルな理由は存在しません。

<時間>
<移動がなくなり細切れのスケジュールになる>
・オンラインミーティングでものごとを進めることが習慣化されると、単位時間も変化します。ミーティングの時間は15分、長くて30分が平均的な長さになるとわたしは考えます。そして、こんな変化が訪れます。
 1日の時間の使い方は、これまで以上に細切れになる。

・ビジネスチャットの導入によって、コミュニケーションは非連続に、断続的に進むようになっています。腰を据えて話し合うという場面は、どんどん少なくなっていくでしょう。
 コロナ以降、ますます時間の使い方は変わっていくにちがいありません。

・オンラインミーティングが習慣化された社会では、準備コストがゼロに近づきます。ですから、1日に何度でもミーティングの開催が可能です。

・「ミーティングスタイル2.0」をこれまで生み出してこなかったことが問題だと思うのです。

・これからはもう、対面で会う必要はありません。会うためだけに移動することもありません。自分がいたい場所にいていいのです。

・15分単位ですらあたりまえ。時間の使い方は、細切れになっていくでしょう。移動がなくなることで、わたしたちは時間についてたくさんのことを考えるはずです。

<人間関係>
<いかにして“リモートトラスト”を形成するか>
・あなたは、実際に会ったことがない人に仕事を頼むことができますか?

・リアルで一度も会ったことがない人とのあいだで、しっかりとした信頼関係を築き上げるスキルは、これからのビジネスパーソンにとっての必須スキルとなるでしょう。

・新たな相手とリモートでのコミュニケーションがはじまった際に、お互いが心地よいと思える反応速度と確認事項の細かさが一致するかどうか――。これが、相手を信頼することができるかの判断材料になります。

・大きな意味での「人間関係2.0」の世界では、最初の1時間のリモートコミュニケーションで、第一印象は決まるのです。

<通勤>
<在宅勤務なら、交通費も通勤時間もゼロ>
・どの企業も、従業員の交通費が毎月どの程度かかっているかを正確に把握しています。ひとりあたりの交通費は、平均して1万5000円程度でしょうか。従業員が100人だと月額で150万円くらいになります。年間では1800万円となります。

<ビジネス2.0>
●大企業・グローバル企業――コロナという“劇薬”が新陳代謝を起こす
●飲食――加速するフードデリバリー市場の拡大
●旅行・観光・宿泊――旅行は“体験”。国内旅行は早めに回復
●イベント・展示会――エッジとレア度が生き残りの分かれ目
●ライブ・ショービジネス――オンライン生配信で新しい価値を提供
●広告――在宅ワークでプライベートユースが増える
●製造――都心に勤務する従業員も地方へと移住する
●不動産――「単なる場所」を提供するだけでは大苦戦
●教育――専門分野は民間企業にアウトソーシング
●医療――設備レベルを底上げし“崩壊”リスクを低減

<お金2.0>
・企業や店舗の倒産が相次いでいるというニュース。株価が下がったというニュース。失業率が世界的に上がったというニュース。
 
・自分の会社は大丈夫なのだろうか? 仕事はなんとなく回りはじめたけれど、新規の顧客をつかまえることはできるのだろうか? 勤めている企業はこれから成長していけるのだろうか? 家賃や住宅ローンを払い続けていくことはできるのだろうか? 子どもの教育費は捻出できるのだろうか? 自分たちの老後の資金は確保できるのだろうか?
 ますます不安になります。
 あらゆる指標から見ても大きなマイナスのインパクトをもたらした新型コロナウイルスですが、これから先、わたしたちの生活に密接に関係する「お金」の価値はどんな影響をもたらすのでしょうか。

<家計>
<慎重な性質を持つ日本人は現預金の金額を増やす>
・しかしながら、いくらポイント還元があったとしても、これだけの先行き不透明な経済状況です。それを思うと、私たちの財布の紐は堅くなってしまいます。そんななかで、多くの人はどの支出を引き締めるのでしょうか? 一方、コロナ禍において、生活を快適にするために支出が増えるものはあるのでしょうか?
 まず、一番初めに減る支出があります。引き締めるというよりも、「使えない」といったほうが適切でしょうか。それは、「旅行費」です。

・アフターコロナの世界では、旅費は総じて値上がっていくのではないでしょうか。

・元来、日本人は現金主義で、家計の金融資産のおよそ半分は現預金だとされているほどです。

・これから先も、マクロ的に見ると同様の動きが出てくるでしょう。慎重な性質を持つ日本人は、現預金の額を増やす動きをしはじめると思われます。

<金融資産>
<「製薬」「物流」「在宅時間」にフォローの風が吹く>
・ニューヨークの原油の先物価格がマイナスに落ち込んだ状況はイレギュラーだとしても、アフターコロナの新世界を見据えた場合、金融資産ポートフォリオをどう組み直す必要があるか考えるべきです。

・コロナショックは全世界を同時に襲いました。そのため、金融資産の価格変動も全世界の相似形となりました。

・マクロ的に見て、あきらかにアゲインスト(評価損)の業界が存在します。それは「移動」に関連する株の銘柄です。
 航空、自動車、観光、ホテル、レジャー、タクシー、ライドシェア………。これら移動に関するビジネスを展開している企業は、これから数年はかなりの苦戦を強いられます。

・一方、あきらかにフォロー(上昇)傾向の業界も存在します。第一に、製薬・メディカル系の業界です。薬やワクチンの開発及び大量生産は世界中で求められる極めて重要な課題ですし、これはもう医療系の企業全体がビジネスに集中できる機会を得たことになります。

・しかし、フォローの業界はほんの一部に過ぎません。エコノミストたちは、声を揃えて「1929年以来の世界恐慌がやってくる」と警鐘を鳴らし続けます。事実、2020年4月のアメリカの失業率は、世界恐慌以来最悪の14.7%という結果になりました。

・1929年の世界恐慌を知識として知っている人は多いと思います。では、この不景気はいつ反転したのでしょうか。マクロ的な動きでは、株価の落ち込みが底をついたのは3年後の1932年で、元の水準に戻ったのは1939年頃とされています。
 元に戻るまでに、10年の歳月を必要とした計算です。

・コロナ以降の不景気がどのくらいの長さになるのか、正確なことはまだ誰にもわかりません。ただ、歴史に学ぶならば、少なくとも今後3年間の経済停滞を覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。
 向こう3年間は、企業も家計もコストカットの方向に向かうことになります。嗜好品はもちろんのこと、買い替えサイクルが5年以上の自動車や家電などの贅沢品の需要も大きく落ち込むことが考えられます。
 また、これからの数年間のなかで淘汰され、倒産する企業が多く出ることが見込まれます。一方、この危機をチャンスに変え、大きく業績を伸ばす企業も多く出てくるでしょう。あらゆる業界で、新陳代謝が起こります。

<通貨>
<アメリカの復活には時間を要し、数年は円高圧力が続く>
・リーマン・ショックにおける為替の影響は、数年かけて円高というかたちで現れました。「日本経済の停滞」という名の“安定経済”を背景に持つ円は、いまも安全資産としての魅力があると思います。感染者200万人を超え、最大の被害を受けているアメリカ経済の復活は、これから数年を要することはあきらかです。よって、これから数年は、円高圧力が続くと考えるのが妥当なのではないでしょうか。

・2011年に公開された、スティーブン・ソダーバーグ監督の映画『コンテイジョン』では、未知の新型ウイルスが世界中に蔓延し、何千万人もの人が亡くなるストーリーが描かれています。
 作中では、ワクチンが完成しアメリカ国民に投与される段階において、その投与順序を誕生日順に決めていきます。その理由は、病院やクリニックでの混乱と感染を避けることが目的。毎日決められたひとつの誕生日の人だけがワクチンを摂取できるというルールで、全国民がワクチンを投与されるまでに丸1年を要することになります。
 アメリカ国民だけでもそれだけの期間が必要なわけですから、全世界の人にワクチンを投与するのは、途方もない時間がかかるでしょう。世界中
の人類が、ワクチンをいまかいまかと待ちわびる状況を思えば、ワクチンが大きな価値を持つと考えるのが自然です。

<国家予算>
<世界各国の経済は“ICUに入った”状態>
・コロナ以前、正直なところ、わたしは現在の民主主義に限界を感じていました。民主主義の原則は、多数決です。しかし現在では、誰の手のなかにも世界中の情報にアクセスできるスマートフォンがある。そして、世界で30憶人以上がSNSを使っている。

・「企業のステークホルダーは株主だけでなく、従業員、地域コミュニティ、そして社会全体に広くわたる」という声明文が発表されました。

・しかし、コロナショック発生からわずか数カ月、世界は、すべての面倒を見てくれる“大きな政府”を求めはじめました。

・そして、今回のコロナショックは、「未知のウイルス対世界」という構図です。このウイルスが現れる前、世界は分断し、情報は分散され民主化し、企業も個人も個別的な権利を主張していました。

・全世界の全国民に影響を及ぼす課題が現れた――。そんなとき、国家はどこまで国民を守れるのか。政策の規模と、実行までの速度が問われることとなりました。未知のウイルスはきっと再び現れる。今回の新型コロナウイルスについても、遺伝子変異により、第3波、第4波がやってくる可能性もゼロではありません。これから5年、10年にわたって、国家予算の編成において評価額と優先順位づけをもう一度見直す必要が出てきます。
 残念なことに、企業や国民のすべてを救うことは不可能です。
 これ以上影響が拡大した場合、なにを優先し、なにを捨てるべきなのか。
 国家は、予算編成というかたちで、各業界、各企業、そして国民の“トリアージ(治療の優先順位づけ)”を断行しなければならなくなります。

<信頼経済へのシフト>
<「信頼」という通貨を蓄えてチャンスを広げる新世界>
・「信頼貯金」という言葉を聞いたことはありますか? あるいは、「これからは個人の時代が来る」というキャッチコピーはどうでしょうか?

・これからは「個人の信頼」が、お金の指標となり得るのです。
 そんな時代がなぜ来るのか? ここでは一度、500年前まで遡って「お金」の価値を見直し、時代の移り変わりからその未来をとらえてみたいと思います。
① 封建社会から資本主義へ~「どこ」にいるのかが重要だった時代~
② 資本主義の最後に来たIT革命~「なに(コト)を」するかが重要だった時代~
③ 資本主義から信頼経済へ~「誰と」動くのかが重要になる時代~

資本主義の次の価値観である、IT革命の先にある未来が、まさにいま、花開こうとしています。その転換を後押ししているのが、コロナショックです。
時代の転換が起こるには、大きく3つの要素が必要であるとわたしは考えます。その3つとは、「非連続なテクノロジーの発展」「社会の仕組みの変化」「人の価値観の転換」です。
 まず、「非連続なテクノロジーの発展」について。
 資本主義の次への動きに影響を及ぼすテクノロジーは、大きく分けてふたつ。それは、「AI」と「ブロックチェーン(分散型台帳技術、または分散型ネットワーク)」です。

・単に役に立つスキルを持つ人の必要性は低くなり、そこにいることに「意味がある人」が求められます。

・ブロックチェーン技術をひとことで表すなら、「非中央集権」という言葉になります。ブロックチェーンを用いれば、中央集権的な役割を必要とせず、あらゆる価値の承認を処理できます。

・このようにブロックチェーン技術が社会インフラのなかに浸透すれば、国家のような中央意思決定機構が不在でも、ものごとが公平に透明性を担保したまま進んでいくことが可能です。単に信頼を担保するためのシステムや会社も、必要性が低くなるでしょう。公正に正確にものごとを進める人が不在でも、問題のない世界がやってくるということです。

・そして、「社会の仕組みの変化」も、コロナショックで起こりました。というよりも、コロナショックは社会の仕組みを否応なく変え、人の価値観の転換にも大きな影響を及ぼしたという見方ができます。
 コロナショックによって、在宅・リモートワークがあたりまえとなりました。

・わたしたちが想像するよりも、個人のパワーが遥かに増大したのです。たとえ自宅にいながらでも、個人ができることが急速に拡大したのです。
 そこで大事なのは、アフターコロナの新世界は、「個人が中心の時代」になるということ。
 資本主義の下では、企業と企業の協業によって世界は急速に発展してきました。しかし次の時代では、個人と個人、または個人と企業で協業し、世界を変革していくことができるようになります。
 だからこそ、次の時代では「誰と」動くのかが重要になる。

・先に触れた『学問のすゝめ』が出版されたのは、1872年のことでした。その本のなかで、資本主義という新世界での生き方がまとめられています。それから148年を経た2020年、コロナショックによって資本主義から信頼経済への転換がはじまろうとしています。
 信頼経済というものは、わたしたちにとっての新世界――。本書が、その新世界における『学問のすゝめ』の役割を、少しでも担えれば幸いです。
 
<「人類2.0」にバージョンアップするための道標とは?>
・新型コロナウイルスと比較されるSARS(重症急性呼吸器症候群)はどうでしょうか。こちらも新型コロナウイルスと同じく発生源は中国で、2002年に最初の患者が報告されています。2002年11月1日から2003年7月31日までに、全世界で8098人が感染し、774人の命が奪われました。ちなみに、29カ国・地域で感染者が出しましたが、日本はゼロでした。

・これまでは、都会に人が集うことで経済の大きな歯車が回っていました。でも、もうその常識は変わろうとしています。都会に集わなくても経済を回す方法を、わたしたちは手にいれつつあるのです。

<コミュニティ>
<“居場所”はオンライン上へ、オンラインネイバーの感覚が生まれる>
・コロナショックを機に、コミュニティへの関わり方、コミュニティのかたちそのものも変化していきます。

・コロナ禍のいま、毎日のように日本全国でオンラインイベントが開催されています。もちろん、参加者は日本全国から集まってきます。わたしが運営するオンラインサロンのイベントにも、東京はいうに及ばず、北は東北から南は九州まで、さらにはシンガポールやマレーシアといった海外からの参加者が集まってくるほどです。

・「オンラインネイバー(Online neighbor)」という感覚を持ちはじめた人もいるようです。ネイバーとは「隣人」という意味をもつ単語です。つまり、オンラインのなかにおける隣人ということです。

<街>
<テクノロジーと制度づくりの両面から「対ウイルス」に備える>
・新型コロナウイルスに対するわたしたちの人類の対抗策は、「Stay home」
です。わたしたち人間というのは、極めて無力です。なにせ、感染者1万人に対して、その1万倍の1億人が制限を受けるのですから。対抗策は、「ただ家にいる」こと。これはなんだかとても妙なことに思えてきます。なにが問題なのか?
 ウイルスではなく、現在の街のかたちが問題なのではないでしょうか。

・未知のウイルスに対して、外出の自粛と「Stay home」という原始的な対抗策で立ち向かうのではなく、たとえ国内に数千人から数万人の感染者が現れたとしても、社会や経済は通常通り進んでいくような「街2.0」へ、いまの街をつくり直していくべきではないでしょうか。

<東京と地方>
<資本主義的な一極集中から、「快適さ」を重視したワークライフへ>
・今回のコロナショックは、わたしには「資本主義に対する挑戦」のように映りました。超高層ビルを建て、超効率的な移動路線を実現し、超満員電車に耐えて通勤する――資本主義のうえに成り立つ、「株式会社経営」を効率化するための都市インフラ、そのすべたが否定されたからです。

<日本>
<「餅は餅屋」ではいけない。あらゆる手を尽くす心構えで日本再興へ>
・平成時代は「失われた30年」といわれます。事実、日本経済は低迷を続け、デフレも延々と続いています。
 ひとりあたりの名目GDPは、1995年のG20のなかでのトップから、2018年には7位に後退しました。2020年5月10日の日経平均株価は、31年前の1989年の約半値です。
 
・グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのGAFAに、マイクロソフトを合わせた5社の時価総額の合計は、2020年5月8日、東証一部上場企業すべての合計額を超えました。

・2019年5月1日、新しい時代「令和」が幕を明け、「失われた30年を取り戻す」という、そんな機運が高まっていました。令和になってからの初めての年明け――しかし、そこに待っていたのはコロナショックでした。

・飲食店は営業自粛で全国の数万店舗が存続の危機にあります。思うように業務を行えない企業も悶え苦しんでいます。

・失われた日々はまだ続くのだろうか? コロナショックから、ただ打撃を受けるだけなのだろうか? これまでの30年間でわたしたちが学ぶことはなかったのだろうか? この危機を、「日本2.0」へと生まれ変わる契機にできないものだろうか?
 ここでの需要な視点は、この危機からの「復旧」を目指すのではないということです。復旧は元通りになることです。そうではなく、新たに生まれ変わり、より強い「日本2.0」として「復興」しなければならないのです。

・「餅は餅屋」どころか、餅屋は餅を焼いているだけではいけないのです。いまできるあらゆることを考え、一人ひとりが行動に移すしかありません。コロナショックによって、企業や店舗は顧客を失いました。売上を大きく落としました。すでに、事業が成り立たなくなった企業や店舗もたくさんあります。

・いつもの餅ではなく、ウィズコロナ、アフターコロナの社会が必要とするモノやサービスを生み出せる人材が、日本にはたくさんいます。

・わたしたち日本人は、ある種、「現状の安定」という名の停滞に漫然と構え、がむしゃらに動くということを忘れていた気がします。わたしは、精神論で日本を「日本2.0」に生まれ変わらせようといいたいのではありません。
 あなたにとっての、餅ではないなにかをゼロベースで考えてみてはいかがでしょうか?きっと、あなたの潜在能力によって生み出せるものがあるはずだから――。

・それを、国ごとそっくりつくり替えるという変化には、多くの人がおそれを感じるにちがいありません。しかし、コロナショックという“外圧”は、その変化を断行せねば未来が成り立っていかないという強烈なまでの危機意識をわたしたちに植え付けました。
 これほどのチャンスはないのではないか――わたしは心の底からそう思っています。日本を「日本2.0」につくり替えるチャンスが、いま目の前にあるのです。

<人類>
<「ウィズウィルス」で、人類は生まれ変わる>
・新型コロナウイルスの問題は、すべての国にとってトップイシューとなっています。
 これほど多くの国がひとつの課題について深く議論し対策を講じているタイミングは、有史以来、初めてのはずです。

・2011年に公開された『コンテイジョン』という映画は、今回のコロナ危機を予言したような内容でした。
新型コロナウイルスのような未知のウイルスが、世界中で感染爆発を起こす様を描いたものです。
 劇中では、元の保菌動物はコウモリでした。工場を建設するために森林伐採が行われ、住処を追われたコウモリがブタに接触します。そのブタがいたのは、人間が大量に消費する豚肉を生産するための養豚場。ブタは食肉となって中華料理店のシェフの手にわたり、シェフとひとりの女性との握手によって、人への感染が広まっていきます。
 現実世界においても、H1N1(インフルエンザ)のような鳥由来・豚由来の新型インフルエンザは、毎年のように新たなタイプが生まれています。増え過ぎた人類の食欲を満たすべく、劣悪な環境で鳥や豚を飼育する工場があるためです。

<これからの「正しさ2.0」の話をしよう>
・しかし、人類はウイルスについて無知でした。街も、国も、人類も、誰もが無知でした。新型コロナウイルスは、わたしたちの無知を教えてくれました。
無知の知――。

・一人ひとりが新しい「働き方2.0」を見出し、各業界が総力を挙げて「ビジネス2.0」のチャンスをつかみ、「お金2.0」と向き合って価値をとらえ直す。「街2.0」をつくり、「国2.0」をつくり、そして、「地球2.0」をつくる。
 無知を知り立ちあがったわたしたち「人類2.0」は、昨日よりも確実に強くなっているはずです。

<失ったものに対する様々な想いを胸に、それでも希望を抱いてわたしたちはこらからの新世界を生きていく>
・本を制作することは、リアルで会わなくてもできます。これもまた、コロナ危機が変えたひとつの出来事なのではないでしょうか。

・わたし自身、社員が10人いるスタートアップ企業の経営者です。コロナ危機で、会社存続の瀬戸際が続いています。もちろんこれは、わたしの会社だけの問題ではありません。日本全国、世界中には苦境に立たされている数多の人がいます。
 なかには、会社の清算という道を選んだ人もいるでしょう。経営する飲食店を手放すことになったり、長年勤務していた企業からリストラにあったりした人もいるはずです。
 世界中の経済に大打撃を与え、実態が正確につかめないほどの失業者を出し、たくさんの命を奪い、社会の仕組みまで変えた新型コロナウイルス。その脅威は、これまでのわたしたちが持っていた価値観を変えました。そして、これから訪れる新世界に順応するべく、生き方さえも変えていく必要があります。