私達の星の文字はこの日本語にとてもよく似ています。というのは、仮名に似た発音文字と漢字に似た象形・表意文字、それに振り仮名という用法もあるからです。(1)



『小さな宇宙人』  改訂版
原田正彦   学研プラス    2014/5/7



<地球人への警告の書>
・本書は地球の未来を憂えた宇宙人が著者にコンタクトして書かせた地球人への警告の書である。

・この本は。今から約15年前の1999年7月に株式会社文芸社から出版され、「日本トンデモ本大賞」にノミネートされたり、専門誌や専門家に「宇宙人に会ったという眉ツバの本は数々あるが、この本の宇宙人は本物だ。」と折り紙をつけられた物です。

・しかし、作者が全くの素人で、宇宙人の言う事をそのまま筆記したに過ぎない点もあったので、説明文が多くなって文章が冗長になり読者を飽かせてしまう部分がありました。また、この宇宙人は、歯に衣着せぬ性格ですし、彼らと地球人の常識には大きくかけ離れた点もありましたから、その考え方について地球人の反感や怒りを買い兼ねない部分もありました。
 そこでこの度、書き直して再出版する事にした次第です。しかし、これは宇宙人の実際の生活や物の考え方を書いたものですから、地球の常識とは全く違う部分があっても仕方がないのではないかということで、危険思想と思われる部分も残しました。
 従って、地球人の一部の反感を買う部分もあると思いますが、これは、全く私(というより、「他の星に住む人類の考え方が違うのが当たり前で、その「考え方の違い」を確り書いて貰うのが本の目的だ。」という指令を送って来て、私に書き換えを許さなかった宇宙人)の責任です。

・本の中に何度も書いてありますが、地球と地球人には、今、大きな危険が差し迫っています。異常気象も多発していますし東南海地震も間もなく起こるでしょう。デモも世界各地で拡大しています。それがこの本で言う天罰の前兆なのです。これにどう対処するのか?何も対処しないとか小手先の改善で済まそうとしていれば、必ず、想像を絶する天罰が下り、地球は人類の力では立ち直れない状態に追い込まれるでしょう。
 この天罰を最小限にしたい、という宇宙人の切々たる思いがこの本には書いてあります。

<20億円上げましょう>
・気が付いた時、私は、大きなドーム状の部屋の中の大きな肘掛け椅子に座っていました。部屋の中には柱がなく、柔らかな橙色の光がドームを縁取って広い空間を作り上げていました。床は若草色で芝生のようにふんわりとし、全体的に柔らかく明るいムードを醸し出していました。

・2メートルほど前に、強い橙色の光を背にして、私と同じくらいの背格好の人物が一人、こちら向きに椅子に座っていました。後ろの光がかなり強かったので、顔の造作や年齢は判りませんでしたが、法衣のような服を纏った髪の短い若い男性のように見ました。(こいつは地球の人間ではないな)と私は直観的に思いました。
「ご気分は如何ですか?」とその男は口を開きました。落ち着いた品のある流暢な日本語でした。「ええ、とても良い気分です。」と私は素直に答えました。声の調子からして、この男が私に敵意を持っていない事が判ったからです。ところが、男は突然、「2億円欲しいと言っていましたね」と不躾な質問を浴びせかけてきました。

・「いやー、お恥ずかしい。」と私は思わずペコリと頭を下げてしまいました。
「だからご褒美に、と言うわけではありませんが、私は貴方に、貴方が願を掛けた十倍のお金を上げましょう。」
「えっ、20億円ですか。」
「そうです。勿論今すぐという訳ではありません。それには一つの条件があります。その条件というのは、これから私が貴方に話すことを本に書いていただくという事です。そうすれば貴方は、貴方が願を掛けた十倍以上のお金を手にする事ができる筈です」

・「それも判っています。でも私達は貴方に書いて貰いたいのです。それは、記者や作家の方は確かに文章は上手いでしょう。でも書き慣れている為に思い付きのフィクションを入れてしまい、私達の話を忠実に伝えてくれないと思うからです。」

<貴方の運命は変えられます>
・私の返事を聞いた宇宙人は嬉しそうに頷いてから、「地球では初対面の場合、自己紹介から始めるのが礼儀でしたね。」と前置きして、「申し遅れましたが、私は『ラルシヤ2』と言います。」と名乗りました。そうして、「ラルシア2というのは、母親が『ラルレイ』という名前で、父親が『シヤリオ』という名前の2番目の子供という事です。」と説明しました、

・「この名前は母や父が考えて付けたのではなく、私達の星では、母親の名前を先に父親の名前を後にして、生まれた順番に1、2、3と付けて行くのです。そうすれば名前を聞いただけで誰と誰の間にできた第何番目の子かすぐ判るからです。」と付け加えました。

・ですから、物の影に有って直接目に見えない物や、今はそこにいないが過去にそこにあった物の映像を見る事ができます。また、相手の考えている事を正確に知る事もでき、物に触れないで物を動かす事もでき、更に、自分の考えを遠くに離れている相手に伝える事もできます。でも、地球人が『予知能力』と言っている能力は開発できていません。

<漢字は頭脳を鍛え、手先を器用にします>
・「私の名前はラルシヤ2とお教えしましたが、ここでちょっと私達の星の文字についてお話ししておきたいと思います。
 地球上には、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、ギリシャ語、アラビア語、中国語、朝鮮語と、いろいろな国語がありますね。私達はその中で日本語は一番判り易く使い易い言語だと思っています。特に振り仮名(ルビ)などという素晴らしい用法のできる外国語は何処にもありません。それが為に、便利で使い易い日本語に慣れた日本人は、使い難い外国語を使いこなすのが苦手になっています。それは日本語が悪いのではなく日本人は、使い難い外国語を使いこなすのが苦手になっています。それは日本語が悪いのではなく外国語が悪いせいですよ。
 私達の星の文字はこの日本語にとてもよく似ています。というのは、仮名に似た発音文字と漢字に似た象形・表意文字、それに振り仮名という用法もあるからです。

<地球に来ていた宇宙人>
・最後の一つが私達の星です。私達は早くからこの地球に来ていましたが、なるべく姿を見せないようにしていましたから西洋の昔話や日本のお伽噺には残っていません。私達の星のご先祖様はこっそり地球に降り立ち、これはと思う地球人の陰に隠れてその脳波に信号を送り、私達の主張を伝道して貰っていました。ただ、この日本にだけは、ある程度の人数が集団で降り立ちました。記紀に出てくる天孫降臨は私達の先祖が日本に来た時の話です。私達の先祖は此処で日本に住んでいた原住民と交合して日本人の一部になりました」

・「ええ、全く同じ生物とは言えませんが、地球人と交合できる程度に似ています。特に東洋人に良く似ています。ご先祖様が降り立つ場所として日本を選んだのも、日本が島国で他民族から侵略される危険性が少なく、純潔が保ち易いという事の他に、日本にいた原住民が私達の体型に一番似ていたからと聞いています。昔の私達の体型は、頭が大きく、背丈が低く、ちょっと猫背気味で、肌が黄色っぽく、今の地球人の美意識からすると、どう見たって格好の良いものではありませんでした。」

・2600年以上も前に、宇宙人が日本に来て、日本人に宇宙人の血が混じっているというこの奇想天外の話も、魔法使いのおばあさんや浦島太郎の話と関連して、私には本当の事のように思えて来るのでした。

<ソクラテスとプラトン>
・「身体に滑り込むなんてそんなSF映画のような真似はできません。私達星人の意見に同調してくれそうな人を選んで、その人の傍にいてその人の脳に信号を送り、私達の主張を代弁して貰っていたのです。」

・「私達の主張を地球人に伝えてくれた著名な人はソクラテスとプラトンです。」

<民主政治は、一つ間違えばこうした衆愚政治になるのです>
・次第に私生活の紊乱が私人の家庭にも蔓延して、彼らを動物の状態に引き入れるようになる。つまり、父親は息子のレベルまで落ちて息子を恐れるようになり、息子は父親と同じレベルに立って両親のいずれも尊敬しないという事になる。

<民主主義国家が滅びる日>
・宇宙人の言うように、現在の民主主義国家の都市の中には、自分の事しか考えない人間達が引き起こす殺人、強盗、強姦、恐喝、引ったくりが横行し、人間が夜一人で出歩けない危険な場所が沢山あります。宇宙人の言う民主主義社会の滅亡する日はすぐそこに来ているのかも知れません。

<地球の崩壊する日>
・「地球も地球上の動植物も、宇宙創造の神が、研究に研究を重ね、精魂込めて作り上げた物なのです。」

・確かに地球では、果てしなく都市が拡大し、樹木は伐採され、地球のメカニズムも維持に重要な動植物は減る一方で、水も空気も汚れ、地球のバリアであるオゾン層にも穴が開いて、地球が本来の自浄機能を果たせなくなっています。宇宙人の言う『地球が崩壊する日』も間近なのかも知れません。

<蚊の役割を知っていますか>
・大自然の中には、人知の及ばない細かい工夫が沢山あります。それを一つ一つ研究して行けば、私達は、私達には計り知る事もできない神の知恵の深さに驚嘆し、その素晴らしさに感動すると共に、神の作られたこの地球や地球上の動植物を、何一つ無駄にはしてはならないという事が判るのです。」
 宇宙人の話は、常に神の存在とその偉大さを感じさせるものでした。

<天罰>
・ですから神様は、今までにいろいろな方法で地球人の数を減らそうとしています。私達の知る範囲では、先ず、地震・津波とか洪水とか火山の噴火という天災で無造作に数を減らそうとしました。しかし、山野型の天災では余り地球人の数を減らす事ができず、むしろ他の動物に大きな被害が出てしまいましたので、神は、これからは山野型の天災は止めて、大都市を狙った洪水や直下型地震を起こすと共に、ひょっとすると大都市の真ん中に火山を噴出させるというような事をするかも知れません。
 神が取った次の手段は、コレラとかペストとかチフスといった疫病を流行らせる事でした。この疫病によって多くの地球人が死にました。しかし、なまじっか頭脳の発達している地球人は、これに対抗する薬を作り出して疫病を鎮めました。そこで神は、より対処し難い梅毒のようなスピロヘータを送り込みました。地球人繁殖能力を減退させようとしたのです。しかし、これに対しても、地球人は一応の防御策を見つけ出しました。

・それは、私達の考えでは、これらの病原菌やスピロヘータに、地球人の作った薬に対抗する抗体力を付け、もっともっと強力な物にして再挑戦させるとか、もっと新しい強力なウイルスを作り出して地球人に挑戦しようとしているのだと思います。ですから、地球人の病気との闘いはこれからが本番です。

・ですから神は地球人同士に戦争をさせました。増加する地球人の数に比例するように、部族同士の戦いから国家間の争い、国家間の戦いから同盟を結んで連合で戦う世界戦争へとその規模をエスカレートさせ、増え過ぎた地球人の削減を図ったのです。

<やがて携帯用核爆弾がテロリストの手に渡るでしょう。>
・そこで神は、核爆弾を使うような戦争が起こらないように、東西の対立を緩和しました。そうして、他の生物に影響を与えず、地球人だけを減らす事にしたのです。
 それが前に言ったような新型のウイルスだと私達は考えています。そうして、地球人が今の生活を改め、地球全体の事を考え、自ら人口を抑制する方策を取らなければ、神は、更に治療の難しい新型ウイルスを次々に送り込んで地球人の削減を図るでしょう。
 そうして、それでも効果がないと判った時、神は思い切って地球を破壊する決心をすると思います。それが『天罰』です。その手段は、恐らく核爆弾の爆発です。

・ご存じのように、他の動物は、記憶力だけしか持っていませんから、経験によって危険や快感を記憶し、その記憶によって危険を避ける行動や快感を求める行動をするのですが、神は、私達のご先祖となった猿に、特別に、物を考えたり、想像したり、先を読む事のできる能力を持たせたのです。そうしてこの猿に、もし神の作った星のメカニズムが崩れるような事があったら、それを修復して貰おうと考えられたのです。これは、私達の星と、後でお話しするダラハン星では上手く行きましたが、ワガナイ星では上手く行きませんでした。神は、ワガナイ星人や地球人が、星のメカニズムを保つどころか、自ら星の秩序を破壊する様になろうとは思ってもみなかったのです。

・私達は、このままでは、地球にワガナイ星と同じような天罰が下ると思っています。

<バミューダ海峡の怪>
・「世界七不思議の中に、魔のデルタ地帯とかバミューダ海峡の怪と言われるものがありますね。バミューダ海峡を通る船や飛行機が時々忽然と消えてしまうというやつです。あれは実は私達星人が関係しているのです。」

<地球人の理想像>
・地球人は、子孫の為、人類の為、地球の将来の為に、子供達を金儲けの妄想から解放してやるべきです。

<宇宙人の理想像>
・私達の星では、理想像は細かい所まではっきりと決まっています。それは、神が星人に与えてくれた能力を最大限に発揮し、星のメカニズムを守り、星を何時までも美しく保って、星に住む全ての動植物と共に楽しく明るく生きて行けるようにするには、星人達が如何なる資質を持ち、何をしなければならないか、如何なる生き方をしなければならないかという事を星人一人一人の身に付けさせる為のものです。これは、幼児にも判るように平易な文章で本にされています。

<性技教室>
・「今の話を聞いていて、貴方が『えっ』と思った事が三つあったでしょう。一つは、理想像の資質の中に『男性は性技が上手く、女性にもてる事。』という項目があった事と、二つ目は、『体力がなくなり、他の足手纏いになると思った時は自ら命を絶つ事。』という項目があった事。そして三つ目は、『年齢別テストの結果、一定のレベルに達していない者は抹殺される。』という星の規則があるというところです。これらは地球の常識と著しく相違していますから、これについて、少し詳しく説明しましょう。

・また、地球上の多くの先進国は、近年、公式の性処理場をなくしてしまいましたから、若者の旺盛な性欲を処理したり性技を教える所がなくなってしまいました。赤線があった頃、先輩達は、童貞の年下の若者を筆下ろしの為に赤線に連れて行って性を教えました。遠い昔(江戸時代)には、父親が童貞の息子を連れて遊郭に行き、遊女に筆下ろしを頼んだりする事もありました。

・ですから、私達の星には『性技教室』というものがあります。この教室は、優秀な資質を持つ男性の性技の向上を図る事が主な目的です。独身の男性の性欲を処理する事と、夫を失った女性の性欲を処理する事にも役立っています。この性技教室は、星人の優秀な種の保存と向上に大きな役割を果たしていますので、これについて少し詳しくお話ししましょう。
 性技教室は各街に六ヵ所ずつあります。各教室の先生は、その街で性技のベテランと称される比較的年配の男性2~3人と、夫に先立たれて性技教室の先生になる事を希望した2000人ほどの女性から成っています。生徒は原則として子孫を残すに足る一定の資格を備えた独身の男性ですが、既婚者でも長く妻と離れて暮らしている者と、セックスがしっくりいかない夫婦は生徒になる事ができます。」

・「私達の星では、今の地球のように、性を罪悪視したり恥ずかしいものと考える風習がありませんから、優秀な種の繁栄に役立つならばと、殆どの夫を亡くした女性が先生になる事を希望します。」

・「女性の性技教室はありません。私達の研究では、女性は余り早くからセックスを体験すると、局部的な感度は兎も角として、性に対する精神的な部分での発育が止まってしまい、男性としっくり結合のできない性格になってしまう事が判っています。」

<高速ワイヤー鉄道という乗物>
・「地球にあるロープウェーと鉄道を一緒にしたような物と思って下さい。ただ、その構造には、根本的に幾つかの違いがあります。先ず第一に、本線の軌道は、工場のある街を経線方向に結んで、街や工場より更に50メートル下の平均水面下100メートルのトンネル内を走っている点です。」

<小さくなれば、豊かになります>
・「ところで、貴方は先ほど、『地球人の半分にも満たない身体しかない。』と言われましたが、最初の頃には『背格好も地球人と交合できる程度に似ている。』と言われたように記憶しているのですが、私の聞き違いでしょうか?と私は聞きました。というのは、今、私の前に座っている宇宙人は、私と殆ど変わらない背格好をしているからです。
「ええ、確かに、私達のご先祖様が盛んに地球に来ていた2500年くらい前までは、私達も地球人と変わらない体格をしていました。でも、今では地球人の半分もありません。」

・「でも、今、私の前にいる貴方は、私と殆ど変わらない体格をしているじゃーありませんか。」と私は言いました。
「それは、今貴方の前に座っている私は本物の私ではなく立体映像だからです。何故、立体映像になっているのかと言いますと、身体の小さな本物の私を見ると、貴方が私を見くびって、私の話を真剣に聞いてくれないからです。」

・私達の星では先ず人口を減らす方法を取りました。その方法と言うのが、『星人として一定の体力、知力、実行力。徳操を身に付けていない者は抹殺する。』という適正テストの実施と、『ほんの少しでも悪いことをした者は死刑にする。』という厳罰主義と、『普通の人は60歳に達したら人生に終止符を打つ。』という人生定年制です。この結果、星人の知力、体力、行動力、徳操が飛躍的に向上し、犯罪も激減すると共に人口も減少しました。でもこれは一時的な現象で、星の人口はまた徐々に増加し始めたのです。何故かと言いますと、適性テストを通過した優秀な男女の遺伝により、テストに引っ掛かる者が少なくなり、犯罪を犯して死刑になる者も殆どいなくなったからです。

・地球人の身長も半分になれば、狭い狭いと嘆いている住宅も一挙に4倍の広さの豪邸に変わります。飢餓問題も立ちどころに解決するでしょう。

<地中に移した街>
・「私達の街が全て地中にあるという事は既にお話ししましたね。そうして街も工場も真円形をしていて、その下を拘束ワイヤー鉄道の加減塔が回っている事もお話ししました。」

・この調理場を取り巻く幅800メートルの輪が食堂になっています。食堂の面積は、約530万平米で、一度に500万人が食事をする事ができます。

・食堂の外側の幅800メートルの輪が集会場です。此処には、学校や研究所や工作室を含む教育施設と、医療施設、それに劇場と図書館と若者達の合宿所があります。性技教室も此処にあります。此処にある研究設備や工作機械等は地球上のどの研究所や精密工場も遠く及ばない高等な物です。

・「地下農園や地下牧場は、街から地上に出る通路の途中にあります。地上に出る通路は、一つの街に6本あり、各通路に一ヵ所ずつ農園または牧場があります。」

<50年後の地球は>
・「お話ししたい事はまだまだ沢山ありますが、お説教じみた話ばかりしていると地球人に嫌われてしまいそうなので、私の話はこのくらいにして最後に一つだけ質問させて下さい。」と宇宙人は言いました。
「現在の状況のまま、何も手を打たないでいたら100年後の地球はどうなっていると思いますか?」
「そう、恐らく宇宙に存在しないか、存在しても生物の住めない星になっているでしょうね。」と、すっかり宇宙人に感化されている私は答えました。

・「前にもお話ししましたが、50年後(2024年)の地球の人口は、地球の食糧自給能力の限界に近い90億人に達しています。100億人にはまだ多少余裕があるように見えますが、先進諸国が資力に任せて食糧を買いあさり、その20%を残飯として廃棄していることから、飢餓状態にある人口は発展途上国を中心に5億人くらいになっているでしょう。この為、貧富の差の激しい国々で始まっているデモや暴動は、テロリストの扇動もあって更に激しさを加え、2020年頃には中国、ロシア、韓国等に広がっている可能性があります。そうすると、農民の多くが暴動に参加して農業や酪農を放棄しますから食糧不足は更に深刻化します。
 そうして、世界的食糧危機の脅威にやっと気づいた先進諸国は食糧の備蓄に努めるようになります。食糧を輸出していたアメリカやオーストラリアのような農業国や酪農国は輸出するのを止めてしまいます。中国は内乱の為、野菜等の輸出はできないでしょう。そうなると、食糧の自給能力のない国は、何処からも食糧を輸入することができなくなり直ちに飢餓に襲われるようになります。海の魚だって取り尽くされてしまいます。50年後は今と変わらないだろうなどという考えは甘っちょろいのです。」と宇宙人は私を睨みつけんばかりに言いました。

・「変に誤解されると困るのですが」と前置きして、
「人口を減らす為にできるのは、ワガナイ星の場合のように、戦争か、疫病の流行か、天災の増加でしょうね。疫病の流行と天災は、神が増え過ぎる動物の数を抑制する為に考え出された方法ですから、宇宙にいるどの生物が飢餓の状態になっても必ず現れる現象ですし、戦争は、今までの地球の歴史を見ますと食糧や物資が不足した時に必ず起きています。地球人もワガナイ星人と同じように、自分が窮する力ずくで他人の物を奪おうとしますからね。」と言いました。そうして、「でも、これからの戦争は、今までの戦争と全く様相を異にしたものになると思います。と言いますのは、『天罰』のところでもお話ししましたように、心ない国の作り出した核兵器がテロリストの手に渡り、その使用が起爆剤となって本格的な核戦争が起きる可能性が高いからです。この核戦争をどの時点で食い止められるかによって、地球が存続するか消滅するかが決まるのです。私達はこの戦争の勃発するのは、地球人の数が、地球で供給できる食糧の限界を超える2030年~2035年頃になるのではないかと予測しています。
 神は、何時も、その動物の数が許容できる限界を超えそうになると、大量にその数を抑制しようとされますからね。」
「その戦争が起きないようにする事はできないのですか?」
「勿論できますよ。起爆剤となるテロや暴動が起きないようにするには、先ず飢餓をなくす事です。先進国の人達が、飢餓に苦しむ人のいる国から食糧を買い取る事を止めて、反対に自分達の食糧を分けてやる事です。勿論、絶対量が足りないのですからそれだけでは飢餓はなくなりません。各国の指導的立場にある人達が現状を確りと認識して、地球的規模で今から食糧の増産に踏み切る事と、人口増加の著しい発展途上国の人達に働きかけて、産児制限を徹底させて人口の増加に歯止めをかけなければいけません。
 それから先進国の地球人も、お得意の『そんなに慌てなくてもいずれ何とかなるさ。』という安易な考えを捨てて、本気で指導者に協力しなければなりません。皆が地球の将来を考えて、力を合わせて根本的な改革に取り組めば馬鹿げた戦争は起きませんし、50年はおろか、100年後も200年後も地球は安泰です。」

・現に今、地球上では全ての犯罪を総合すると、1日に200人以上の人が殺され、2万人以上の人が暴力によって傷つき、20数万人の人が、恐喝や強盗やひったくりやスリの被害に遭っているのです。そうして、この犯罪数は、年々8%ずつも増加していますから、50年後には1日に9400人が殺され、94万人の人が傷つけられ、1173万人の人が盗難等に遭う事になるのです。これは実に、その時の地球の人口の0.13%に当たります。という事は、50年後には、全ての地球人は、2年に1度は物を盗まれるか、傷つけられるか、或いは殺されるという事になるのです。これにテロや暴動が起こる事を想定すれば、被害はこの十倍にもなります。これが地獄でなくて何でしょう。

・近く襲って来るであろう食糧不足と、テロや核戦争の脅威と、経済機能の崩壊と、疫病の大流行と、大規模天災の頻発と、地獄絵のような犯罪社会の出現。地球の将来はお先真っ暗なのに、政治家は大道政治をせずに国民に諂って票を集める事に没頭し、経営者は公益性を無視して金儲けに専念し、マスコミは将来に目を向ける事なく目先の出来事を興味本位に書き立て、大衆もまた、先の事など考えずに刹那の快楽や利得にうつつを抜かしています。この太平楽の中で、地球は今、刻一刻と死期に近付いているのです。

・今の地球には、国際社会におけるリーダーの座を奪われまいと、地球上の全ての生物を20回も皆殺しにできる膨大な核兵器を蓄えている国があります。大量の核兵器を管理する事ができずに、核兵器の部品を垂れ流している国があります。国際社会に脅威を与え、存在感を高めるために核爆弾を持とうと躍起になって開発に取り組んでいる国があります。経済封鎖の為に貧困に追い込まれた国が、閉鎖を決めた国々に核爆弾を打ち込もうと大量の核爆弾の製造を企てています。核を手に入れて各国の首都を破壊しようと企んでいるテロ集団があります。
 
・貴方は、賛同者と一緒に、全生涯を掛けて地球の後継者を育成して下さい。私達は陰ながら貴方を見守っています。貴方達が今立ち上がらないと、50年後の地球はワガナイ星のような地獄の星になり、100年後には宇宙に存在しなくなるのです。
 私はこれから一旦私の星に帰り、60年後(2034年)に再び地球に来ます。その時に地球がどのように変わっているか、怖いような、期待できるような複雑な気持ちです。私達が大勢の地球人の中から、貴方を選んだ事が間違いでなかったと思えるようになって欲しいと思います。」と言って、宇宙人は私の目を確りと見据え、
「長い間聞いて下さって有難う。立派な本ができる事を祈っています。」と、右手を差し伸べてきました。私は、その手を両手で確りと握り締めました。宇宙人の手は、10歳か、12歳くらいの子供の手のような小さいものでしたが、掌が固く力強いものでした。
「さようなら、判らない事があったら目を瞑って西の空に向かって質問して下さい。遠隔伝心力は時間と空間を超えて意思が疎通できますから。」と、宇宙人は握っていた手に力を込めました。そうして、
「60年後にまた会いましょう。さようなら。」ともう一度言って手を離しました。すると、テレビのスイッチを切ったように、プツンと宇宙人の姿は私の前から消えました。


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